2020

07.26

四行・恋愛小説




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春風がスカートを翻して彼女が下着をつけていないのを見せた。
それから、赤い唇で、彼女が世界に微笑みかけるのを。
今まで知っていた事、すべてを覆す驚きに、僕は立ち尽くす。
そして一層彼女を愛しいと思う気持ちに揺さぶられる。


春爛漫のチャットに初心な頃の初恋のような気分。
姿が見えないからって何カッコつけてるの、恥ずかしい。
自分の言葉と不幸と妄想に酔っている。
けど、まあ、いいじゃないの。だって、虹が見えたんだもの。


桜散る満月の夜に古寺の垣根を二人で乗り越えた。
裸足で踏む蒼い苔がひんやりと足に冷たい。
急いで脱いだ服を足で邪険に押しやるあなたの汗の匂い。
土の上に舞い落ちたもみじは未だ青く鮮やかな色をしていた。


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パラパラと蛇の目にかかる雨の音を聞いていた。
一つ傘の中、並んで歩いたあの日。
哀しみも苦しみも微笑みの中に閉じ込めて生きてきた人は言う。
紫陽花はいつも、垣根の向こうで咲いている、と。


天の川があんまりくっきりと見えたから、ドライブに行った。
山奥の林道を走る車は、ガタガタと揺れながら横滑りする。
「今崖から落ちそうだったのに気がついた?」と、男が言う。
揺れを楽しんでいた私は心中の瀬戸際に気が付かずはしゃいだ。


稲妻が光る土砂降りの雨の中、道に迷って階段から転げ落ちた。
大丈夫?と、手を差し出す男は濡れてないしお日様のよう。
私は、これは、間違いないと思って男にしがみつく。
男は手を振り払い、次々と新しく落ちてきた女に声をかけた。



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 出かけられないので、おしゃべり相手を探してチャットへ行くことがあります。今は、みなLINEで慣れているのでチャットに抵抗がないようです。ただ、困ったことに、知らない相手だと、こっちが質問をずーっと積み重ねないと会話が続かないことがあります。「そうですね」だけじゃなくて、相手にボールを投げ返す工夫が必要なんじゃないかな・・・と、思うんですが、なかなか難しいようです。

 そのボールですが、自分のしたいことだけを主張するとこれまたうまくいきません。相手のしたいことを聞き出して、自分のしたいことを伝えるくらいの気持ちでいると、そこに枝葉が生えてきて、見栄えのいい樹になっていくかもしれません。
 会話がうまい人はそれだけで尊敬に値するのですが、行間を読む技術のある人は本当に素晴らしいなって思います。

 とことで、実際に会う直前になると、黙って急にいなくなる人がいます。あるいは綺麗事を並べ立ててたのに急に答えがほとんど返ってこなくなって、叱ると、ご期待に添えなくて申し訳ありませんでした。とか言って去る人も。それは、実際にはSMをする気はなくて、オナネタの妄想にに使おうという人だよ・・・・・・って、教えられました。もしくは、ただの詐欺師だって。別にSMをしなくてもいいから、おしゃべりの相手はして欲しいんだけどな。(笑)

 ほんと、こんな時代なので、おでかけができず、おしゃべりが不足しています。


★マスクをしないと出かけられなく雨もざんざん降ってるので、どうしようもならないです。まあ、そんな時の暇つぶし動画はやっぱりこれで間違いないです。


Category: 物語
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