2020
こんな夜はちょっと淋しい

夜の底にひとりで
ただ思いつくままに何かを書き連ねていると
ゆらゆらと揺れる水の中へ
深く深く沈んでいくよう
誰とも会わず
誰とも語らず
深く深く
潜っていくよう
どこからかノックする音に
顔を上げてみれば
緑色の明かりが
差し込んでくる
こんばんは
言葉が恋しい
そんなふうに
忙しい時間を縫って
話しかけてくる優しさが恋しい
お返しよ
もしも本当にあなたに出会えたなら
悲鳴をあげるまで鞭で打ってあげる
それから、恋人の名を呼ぶ口を
ホチキスで縫いとめてあげる
