2015
お仕置き(凛編)・5
第四章『初めての義母からのお仕置き・下』
「そう、凛は、ちゃんと分かっていてそれを見ていたのね。18歳未満禁止のサイトは、あなたの年齢で偽って見ていいものじゃないわね?」
私は、俯いて、ふるふると頭をふった。堪えている涙が滲んでくる。18歳未満禁止なんて、ただの形式だけ、パソコンを使ってる人ならみんな知っている。あ なたは18歳ですか?ええ、そうです。もちろん。そしてクリック、ほら魔法のように現れる、本当だったら見てはいけない画像や動画。一歩家のドアの外に出れば、絶対に手に入らない物。
でも、そんなことが問題なんじゃない。18歳未満禁止のサイトを見たとしても、普通のアダルトサイトだったら、まだ、マシだった。そんなことよりも、もっともっと、知られたくなかったこと。それを彼女に知られてしまった。私が、お尻叩きを、叱られた罰と単純 に思っていないことを・・・。
ここで、反抗して、あれやこれや思ってもいないこと、してもいないことを、ほじくり返されてはたまらない。例えば、さっき彼女が口にした「自慰」 私は、その時まで一度もそういう行為をした事がなかった。確かにこのサイトを見て、胸がキュンとなり、下半身が熱くなるような心地になることはあっても、寂しい時悲しい時、このサイトをみながらお父様にお尻を叩かれた事を思い出すことはあっても、そういうこととは違う。絶対に違う。
「ご、ごめんなさい・・・。」
私の謝罪を聞いて、美智子さんは、ちょっと小首をかしげたが、やがて、また、ゆっくりとベッドの所に座った。
「じゃあ、どうするか分かってるわね?お仕置きするから、膝に乗って。」
私は、手に持っていたブラシを、気づかれないように、ドレッサーの上にさり気なく戻そうとした。
「それは、持ってくるように言ったはずよ。」
びくっと背が震える。このヘアブラシで叩かれる事は避けたかった。本当の母の象徴でもあるようなヘアブラシを彼女に渡してしまうのは嫌だった。けれど、もう、避けられそうにない・・・。
「お、お義母さま、ブラシで叩くのは堪忍してください。だって、我慢できないくらいに痛いのですもの。お願い。」
まつげの隙間から、涙がいっぱい溜まった目を上目遣いにして懇願した。
「凛、あなた、分かっててわざとやってるわね。そんなふうな目つきをすると、私が、可愛そうだと思って、手加減するとか考えてるわけ?」
私は、図星を当てられて、はっと後ろに下がってしまった。自分から、ずるいことをしてるということを認めてしまった。
「また、お仕置きする理由が増えてしまったわ。ほんとに困った子ね。」
もうだめ。私は、観念して、しおしおと彼女のそばに近づいた。ブラシをそっと差し出して、彼女に渡す。それから、彼女の膝の上にうつ伏せになった。美智子 さんは私の体を左手で押さえつけようとしながらもぞもぞと位置を探っていた。そして、私の体を前のめりになるように調整した。
「ふうん。凛、あなた、もう少し深く身体をのせて。頭が下がるように。じゃないと、お尻の下側を叩けないわ。そうそう、それでいいわ。私、子供のお尻を叩くのなんて初めてよ。宗重さんと結婚するって、こんなことまでしないといけないなんて思ってもみなかったわ。」
そう言いながら、遠慮なくスカートをまくり上げた。スカートの上から叩くとかは、考えてもいないらしかった。私は、身体を硬くして、スカートをまくりあげられるという羞恥にじっと耐えた。彼女は、そうして固まっているわたしの身体をしげしげと眺めた。そしてクスクスと笑った。
「かわいいショーツを履いてるのね。まさに、ショーツって感じ。パンティとは言えないわ。まだまだ、子供ね。」
私は、反射的に起き上がりスカートを引き下ろした。なんてこと言うんだろう。わざわざ、そんなことを指摘するなんて、私が傷つくのを喜んでいるとしか思えない。首まで真っ赤になって、スカートを抑えている私を、なめずりまわすように見てから、彼女はにっこり笑った。
「どうして起き上がるの?」
ああ・・・。
目を瞑る。今だけ、そう、今だけよ。ちょっとだけ我慢しよう。恥ずかしくても。逃げちゃだめ。早く終わらせて、そう、こんなこと、耐えられない。私は、お ずおずとまた彼女の膝の上にうつぶせになる。彼女は、もう一度私を抱え直し、そして、またスカートをめくり上げた。それから、ショーツの上からしばらくお 尻を撫でてから、そのショーツを剥き降ろした。
「あ、いやっ。」
しっかり唇を噛み締めていたのに、思わず声が漏れてし まう。パソコンの画面に並んでいた少女のような女達と同じように、父ではない人の前にお尻を晒している。恥ずかしくてじっとなどしてられなかった。また、動いてしまった。けれど、今度はしっかりと押さえつけられていて、起き上がれなかった。
「何度も世話をやかせるんじゃないの。」
低い声で耳元に囁かれる。私は、自分が今までに一度も経験したことのない事態に直面していることに気がついた。恐ろしさに、首筋が逆立つような気がした。彼女の手にした銀のヘアブラシが私のお尻を円を描くように周回する。母のヘアブラシの薔薇の模様。それを感じ取れるわけじゃないけれど、私の心が勝手に考えてしまう。本当の母が私にくれた、大切なそれが、私の罪によって穢されるような気がした。「お母様・・・ごめんなさい・・・。」心の中でそっと呟いた。身構える間もなく、ブラシが叩きつけられた。
「きゃああああ!!」
痛い。今までに経験したことのない痛み。想像していたよりもずっと痛い。私は、彼女の腕から身を振り解こうともがく。強く身体を押さえつけられながら、次の、二発めが来た。
「ひいっ!」
声をたてまいと考える時間さえない。私は、彼女の思っていたよりもずっと強い力で、腰の所を抱えられていて、彼女の膝の上から降りることが出来なかった。 続けざまの衝撃。痛みの連続。思わず叫び、腕を突っ張る。けれどまるで展翅板の上にピンで止められた蝶のように。私の体は、彼女の腕に押さえつけられ、嵐 のような暴力にもみくちゃにされていた。
私は叫び。そして、泣いた。彼女が私を膝から降ろした時は、自分の身体を支えられずに、床に泣きながら崩れ落ちた。混乱していた私はよく分からなかったけれど、美智子さん自身も息を切らして。喘ぎながら、身繕いをすると、きっ!っと私を睨めつけた様子だった。
「これからは、容赦しませんからね。いいこと?」
ドアが開き、閉まる音がする。終わったのだ。とにかく。今は。私は、ヒリヒリと痛むお尻に手を回したぬるりとなにか濡れた感触がして、はっと私が顔を上げると、ベッドの上に置き捨てられたヘアブラシには、血がついていた。
今まで、ずっと我慢していた気持ちが胸の中で膨れ上がり、喉元を越えてせり上がってくる。唇を噛み締めて。それを言葉にすることを必死に堪えた。理不尽な事の積み重ね。自分の中にどうしようもなく消せずにある、父の女である女性への嫌悪感が。

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