2015
お仕置き(凛編)・3
第三章『凛のメール・3』
慣れというのは恐ろしい物で、しかも、誰からも指摘されないでいるうちに、自分が、書いている物が、「普通」から逸脱し始めている事に私は全く気が付いていなかった。それは、私の日常が少しずつ少しずつ、「普通」からずれてきている事でも会ったのだ。
『本格的な冬が訪れる前のうららかな冬のひだまりが嬉しい一日でした。柊二さん、お返事有り難うございます。
私の誕生日に、ディナーをご一緒してから、父と美智子さんの間柄は、急速に深まったようで、すぐに結婚式の準備が始まりました。家の中は、プライベートな部分の家具を入れ替えたり、寝室のカーテンやベッドカバーを統一して変えることで、華やいだ感じにしたり、インテリアコーディネーターの鈴木さんが、度々家に来て、美智子さんと一緒に相談し、父のための空間を彼女の好みに作り変えることがどんどん進んでいます。
これからは、彼女の家になるのだ し、母の好きだった優しい黄色い花のカーテンの事ばかりを懐かしんでいてはいけないのだけど、寂しい気持ちは消すことが出来ません。なんだか、私にとっては、父のそばにあったはずの自分の居場所が無くなったような、父の部屋に入るのを拒絶されたような気持ちなの。
父が私のお尻を叩いていたのはしつけのためだって分かっているけど、私にとっては、それは、心の底から父に甘える事の出来る、嬉しい時間だったのです。でも、そうやってお尻を叩かれている所を美智子さんに見られちゃうなんて絶対に嫌だし・・・そのために、彼女が家のどこかにいて、いつ入ってくるかわからない状況の中、父の側に寄る事なんてできない。
最近、父は、仕事がとても忙しいらしく、たまに早く帰ってくることがあっても、美智子さんが一緒だったり、美智子さんと一緒に出かけてしまったりして、お話する機会もないのですもの。私が不安に思ったりしても、柊二さんだって仕方ないって思ってくださるでしょう?
そんなことを考えていると、眠れなくて、それで、気を紛らわすために、ネットをして検索をしたり、youtubeの動画を観たり、いろんなサイトを回ったりしています。
以前にも少しお話したことがあったと思うけど、海外のおしおきのサイトを見つけてから、私は、すっかり悪い子になって、そんなサイトを、あちこちを見て回るようになっています。どうして悪い子かというと、そういうサイトは全部21歳以上じゃないと見ちゃだめなの。これが父にバレたら、きっとすっごく怒られちゃうと思う。柊二さん は、こんな私を軽蔑しますか?
私自身は、痛いことなんてちっとも好きじゃないのだけど、こんなサイトに載っている女の子たちは、これが好きなんでしょうか。それとも、嫌だけど、サイトを作るために仕方なく鞭を受けているのでしょうか。血が滲むほど酷く叩かれるのが好きだなんて、ちょっと想像できません。父に、掌で叩かれるだけでも凄く痛いし、叩かれている時は、それが終わるのならなんでも父の気にいるように、言ったり、したりしてしまうくらいよ。
それでも、もう、三月もおしおきされてないと、なんとなく、それが恋しく思えてしまって、ついついこういうサイトの写真を眺めたり、私のあまり上手ではない英語の分かる範囲の物語を辿ってしまったりしています。
叩かれるのが好きじゃないように、叩くのが好きな人がいることも信じられません。相手が痛がるのを見て喜ぶなんて、酷いサディストだと思わなくて?だけど、正直に言うと、そんな画像を観ていると、足の間が「きゅん」って切なくなってしまう事があります。
これが何なのかさっぱり分からないのだけれど、でも、今度お父様が帰ってきたら、悪いことをしたことを白状して、お尻を叩いてもらわないといけないかも。 ううん。お尻を叩かれたいのではなくて、父の膝の上で抱きしめられて、「何も心配いらない」って、言ってもらいたいの。そうでないと、私、不安で泣いてしまいそうです。
けれど、おしおきが無くなったことで、いいことも一つありました。それは、学校の保健の先生の事よ。この間、父からおしおきを受けている事がバレてしまったでしょう?その後、先生から一週間おきに保健室に来るように言われていたの。あの後、父とゆっくり話す時間がないせいで、私のお尻はいつも白いまま。だから、先生は、もう安心したみたい。あの痛いお薬を塗らなくてもいいし・・・。お仕置きよりも痛いお薬って、ありえないと思う。ほんとにあれを塗られた日は死んでしまいそうなくらいに熱い痛みで大変だったわ。
でも、先生に背を向けてスカートをめくってお尻を見せるのは何度やっても恥ずかしくて泣きたくなっちゃう・・・。先生がショーツの脇の所を引っ張ってずり下げてしげしげとお尻を見つめている間、私は、息を詰めて、俯いたまま恥ずかしさをじっと堪えているのだけど、それがあまりに長い時間なので、汗が噴き出してくるくらいよ。
それに先生は時々、何気なくだけど私のお尻を撫でたり、つねったりするの。女の先生だから、これは、セクハラってわけじゃないわよね。先生は、そうしながら、お尻が大丈夫な状態なのか確かめてくださっているだけだと言うのだけど。こんなふうなので、以前のように頻繁におしおきされていたら、隠し切れないで、絶対に不審に思われてたと思うの。
これって喜んでいいのか、悲しんでいいのか、ちょっと複雑な気持ちだけれど。では、すぐにお返事くださいね。待っています。』
送信ボタンを押す前に、私は、文面を三度も読み返してから、すごくためらってしまった。ネットを隔てた遠くの場所にいる人に向かって書いているとはいえ、あまりにも、赤裸々過ぎる気がしたのだ。けれど、自分の恥ずかしい場所を自ら晒す事で、今の私はようやく息をしているような気がする。こうやって打ち明ける相手がいなかったら、自分はどうなっていたんだろう。
↓クリックするとギャラリーへ

4へ続く
M男性のためのリンク
↓続けられるように
ポチっとしてください。

