2015
お仕置き(凛編)・1
中盤からは未知の部分になるので、どれくらいで完結するのかはまだ未定ですが、のんびりお付き合いくださいませ。
第一章『凛のメール・1』
『父親にお尻を叩かれることが好きだって子供がたくさんいるわけがない。私はそう思ってしまうのです。
柊二さん、お元気ですか?昨日の夜から、ずっと冷たい雨が降っています。急に寒くなりましたね。今日はこんな天気なので、執事の柿崎に学校まで車で送ってもらってしまいました。それは柿崎の仕事ではないのに、迷惑をかけてしまいました。
柊二さんの住んでる所はどんな土地なのでしょうか。ネットの掲示板で知り合った人は、近くても遠くても、みんな同じ距離の場所にいるような気がします。それは、自分とネットとの、心の距離なのかもしれません。友達と呼べる人が周りいない私にとっては、あなたへ送るメール以上に本心を語れる場所はありません。
思い切って打ち明けるのですが、実は、今日は、決められたお仕置きの日なのです。お父様は普段は、とても、優しい父親なのです。でも、私が、悪いことをしたり、勉強の課題を怠けたり、朝、寝坊したりするのを数えてらっしゃって、金曜日の夜に、まとめてお仕置きをするんです。それはたいていお尻を叩かれることで、こんなに大きくなって小さな子のようなお仕置きを受けているのは、すごく、恥ずかしいです。
本当はこのお仕置きは、亡くなったお母様の発案だったんですって。だから最初はお母様が叩いてらっしゃったのだけど、私があんまり、痛い痛いと泣くものだから、お母様は可哀想で叩けなくなってしまわれたの。それで、お父様がお母さまの代わりをすることになりました。
最近は、お父様に怒られるような事はなにもありません。でも、お仕置きが無くなってしまうのも寂しいのです。お仕置きの前は、胸を締め付けられるように切ないのに、父の前に膝をつき、低く、静かに、語りかける父に諭されながら、膝の上に引き寄せられるその瞬間は、私にとって父をこの上なく身近に感じる、幸せな時間なの。終わると、ぎゅううっ・・・って抱きしめてもらい、それから、お父様のお膝に寄りかかって一週間にあった出来事とかを、聞いてもらって過ごします。よりかかったままに、眠ってしまうこともあるくらい。
はっきりと尋ねたわけではないのですが、クラスメイトの中にそんなふうにお尻を叩くお家はないみたいな気がします。やっぱり、家は、古くからのしきたりとかがある家だからなのかなぁ。お母様も、お父様も、同じようにお仕置きされて育っていらしたんですって。だから、鞭を惜しむのは、いけないことだと思ってらっしゃるのです。
隠しているだけで、本当はみんなそうやってお尻を叩かれているのかもしれない。そう疑って、ネットで調べてみた事があります。そしたら、びっくり。世の中には、お仕置きが大好きで、お膝に乗って叩かれたり、なにか細い棒のようなもので叩かれたり、ヘアブラシやいろいろな台所道具で叩かれるのが好きな人たちがいたのです。もちろん叩く人もそれが好きなのだと思います。私と同じように、叱られて、お尻を叩かれたいと思っている人たちがいっぱいいるなんて驚きでした。でも、これって、変態なんだよね・・・。 私は、お父様の大きな腕の中にすっぽりと収まって、 あったかさを感じるのが好きなだけで、変態とは違うと思うの。
画像検索をしてみたら、服を脱いだりしている写真や、棒のような鞭で叩かれた 痛々しい写真がいっぱい並んでいたわ。私は、一度もそんなことされたこと無いし、されたいとも思わない。お父様に掌で優しく諭されるように叩かれるのが好きなの。お父様が、私が一週間どうやって過ごしたのかって事を気にかけてくれているのが分かって安心するのです。
最近、お父様は、お仕事がとても忙しく て、毎日、私が一人で屋敷にいるのをとても心配してくれています。そして、時々、新しいお母さんが必要なんじゃないかとか言うのよ。凛は、お父様がいてくれさえすれば、それでいいのに。それにね。私、お父様はもしかして女の方にあまり興味が無いんじゃないかと思うことがあるの。あ、でも、時々ふっとそう感じるだけで、お父様がそうだと分かってるわけじゃないけど。きっと、お母様の事をいつまでも愛してらっしゃるのかもしれません。
お仕置きをちゃんと我慢して済ませて、今日は、いっぱいお父様に甘えるつもりです。変なことばかり書いてごめんなさい。では、また。お返事をまっています。』
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2へ続く
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