2014
イノサン
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18世紀、「自由と平等」を望み、現代社会の出発点となったフランス革命。その闇に生きたもう一人の主人公シャルル=アンリ・サンソンは、代々に渡ってパリの死刑執行人を務めるサンソン家四代目当主として生まれる。
死刑執行人は、国王直々に任命される「正義の番人」でありながら、世間からは「死神」とも呼ばれる、“矛盾”を抱えた過酷な職業。シャルルは、その職を継ぐことに苦悩する。だが、「いつか死刑を無くす」ことを志して、死刑執行人を務め上げることを誓った。
人類史上最大級の革命でマリー-アントワネットや国王ルイ十六世、名を轟かす革命家たちと交わり、革命の闇の立役者となった、シャルル=アンリ・サンソンの数奇な運命を描く歴史大河。
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圧倒的な画力と、言葉を使わない表現で、死刑執行や拷問にまつわる人々の気持ちを表現している坂本眞一の「イノサン」。「イノサン」とは、英語の「innocent」のフランス語読みで、純真を表しています。
この時代、死刑執行や晒し刑、鞭打ちなどは、庶民にとっては数少ない娯楽の一つでした。沢山の人たちが広場に詰めかけ周辺のアパートの窓にお金を払って鈴なりになって、処刑を見物したと言われています。それは遡ればローマ時代からコロシアムや街角で、行われていた見せしめと娯楽の習慣でした。
シャルルは、その処刑をパリで行う「ムッシュー・ド・パリ」となるべく生まれついたサンソン家の長男です。沢山の一般庶民、貴族たちが処刑を見物したのとは裏腹に、実際に手を下す側の心理はまた別物です。血や臓物が飛び散る処刑は、残虐行為への嫌悪感、人を死に至らしめることに対しての罪悪感を呼び壇上に上がる処刑人は、平静ではイラれません。ましてや、反逆罪として、ひどい拷問や見せしめのためにいたぶり尽くして殺すという方法は、正視に耐えない惨状を呈しています。
それでも、やっぱり人は、綺麗事の裏に残虐性を秘めて生きているのでしょうか。ホラー映画や、血の飛び散るスプラッタ映画の人気がそれを暗示しています。そして、ネットに散見する、スナッフビデオの噂。私は、絶対に検索してはいけない言葉を検索した経験がありますが、動画に収められる残虐行為や事故現場の死の現実は、悲鳴や飛び散る血もなく、盛り上げる編集も音楽もなく、たんたんとしています。
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