2011
鞭・1
ひゅうううううん
ひゅうううううん
鋭く空を切る音
ゆるい弧を描いて
しなり くねり 絡みつく 巻きつく
鞭先がピンッって跳ねて
その後に残る赤い血玉のような痕
膨らむ蚯蚓腫れ
赤い色が少しずつ層をなして
叫び声が途切れて消えた
愛しい者を泣かせて 鳴かせて 啼かせて
痛みに震える身体を抱きしめる
なぜ泣いているあなたはこんなに愛しい?
なぜ私を打ちすえる手がこんなに愛おしい?
それは、私とあなたが合わせ鏡だから
傷つける事も 傷つけられる事も
たった一つの理由からだから
私達にはそれが
ただ
必要なのです
鞭の好きな人たちが集まった集い、鞭オフへ行って来ました。制作しているメーカーさんが4か所も参加すると言う豪華絢爛なオフ会です。縄の会も合同で行われたのですが、縛るよりもビシバシふってる方が多かったと思われます。
予定したよりもすごい人数だったらしく、ドアを開けたら、ありゃ、どこに座ればいいんだ?と、思うくらい人がいっぱいです。
いっぺんにあがってしまって、何をどうしたらいいのやら(^▽^;)
ああ、知ってる方がいなかったらどうしよう・・・と、((ヽ(゜〇゜;)オロオロ(;゜〇゜)ノ))しちゃいました。
全員の自己紹介が終わって、まず一番最初にしたのは、浜松から遠征されてきた紅龍華さんのパートナーの野良猫さんをハグする事です。彼女にお会いするのがほんとに楽しみでした。鞭のショーをする方はほんとに少なくて、鞭好きのわたくしとしましては、憧れの方であります。ちゃっかりと紅龍華さんにも握手してもらい、後で、やった事のないクラッキング鞭で、ちょいと巻き鞭をしてくださいとお願いしてしまいました。
その頃舞台ではすでに怪しい雰囲気で何人かの女性が、縄を掛けられてピシピシが始まります。鞭音と悲鳴に惹かれて・・・私はじりじりと、舞台の方ににじり寄り、結局は、最前列でがんみ。
もう、そこから動けませんって(汗)なにしろ次から次へと、新しい人が、上がってくるんだもの。でも、釘づけになっていたせいで紅龍華さんのショーを最前列で拝見させていただきました。
みたいみたいとずっと思っていた。全編鞭のショーです。最初は軽くバラ鞭から、だんだんテンションをあげて行って、鞭を変えてだんだん強く。一本鞭へ、そしてクラッキング鞭へ。姿勢も低い四つん這いから場所を移して少しずつ上に、両手吊り、最後は逆さ吊りです。
巻き鞭が何度も繰り返され、柔らかな肌にピンク色の縞模様が刻まれて行きます。それが重なり、膨らみ、赤みを帯びて、やがては幾重にも重なって、内出血の赤い色へ変わって行きます。
痛いのはみんな知っている。その場にいるほとんどの人は、みんな鞭が好きな人達。打たれたり、打ったりして、肌にそれを刻んだ事がある人達。紅龍華さんの優美な鞭の軌跡としなやかに動く身体。そして、痛みに揺れる相方さんの、その悲鳴と苦痛に歪む表情と跳ねる身体の愛らしい事。
鞭の動画をたくさん見てきたから分かる、二人の間にある愛おしさの気持ちがあふれるショーでした。
最後に逆さ吊りにする時に、紅龍華さんが、足枷を掛けた野良猫さんの身体を抱きかかえ、カラビナを吊りしろにひっかけます。力の必要な大技ですが、すべてが自分の力にかかっているSさんの見せ場、会場からため息が漏れます。
そう、ショーの間中、みんな息を詰めて、じっと舞台に魅入っていたような気がします。
打ってよし、打たれてよし、見てよし、そして、聞いてよし。何よりもその風を切る音を聞いているだけでうっとりとその世界に埋没してしまう。鞭にはそんな魔力があるのです。
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