2011
Sylvan -Small BoxⅡ-
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それで、行く前にちょっとこのホームページで予習してから、えいっ!と、勇気を出して出かけました。
知らないと絶対降りないかも・・と、思うほど小さな駅から歩いてちょっとの場所に板橋カフェ「百日紅」はあります。

写真はみんなこんな感じで真四角の額にちんまりと収まっていました。喫茶店で小さな場所なので、個展とかをなさる時よりも小さいサイズに焼き直して飾ってらっしゃいました。この額がまたおしゃれなんです。絶対皆さん自分の部屋にも飾りたいと思われると思います。

きょろきょろきょろきょろと明らかに落ち着きのない客として入店。お水を持って来てくださった優しそうな女性に「写真を見にきました。Shin3.はどちらに?」と、訪ねると「あちらにいらしゃいますよ。どうぞ。注文もあっちに運びましょうね。」と、言われて、あらあらと言う間に、写真家の方と差し向かいでお話しを伺う事に。いつものとおりの「ねほーりはほーり」が、始まってしまいました。
(今気が付きましたが。「Shin3.」は、「しんさんさん」と呼ぶべきだったのではないでしょうか。しんさんって、言っちゃいましたが、もしかしてそれって呼び捨てwwwまあ、失礼は許していただくことにしてShin3.で話しを進めます。)
Shin3.は、普段も写真のお仕事をされていらっしゃるらしいのですが、この「Fetish & Bondage Photo」は、お仕事から離れて、写真家として、誰にも依頼されずに、撮り続けていらっしゃる写真なのだそうです。
仕事のために写真を撮る時は、スタッフや、編集や、いろんな人たちが関わって来て、どんな写真でも合作になってしまう。「Fetish & Bondage Photo」の写真は、仕事の時と違って、最初から最後まで自分の手で、自分が表現したいものに、こだわって撮った写真なのだそうです。
Shin3.の中に、初めから撮りたい写真のイメージがあって、それを現実のものにするために必要な作業は、Shin3.が全部ひとりでこなされています。モデルから、大道具小道具の選択、購入、制作(○束椅子や押し入れの中の檻など・・)まで。全部、自分の目指す世界観を創り出すための準備です。
そうして、それを配置し、ライティングし、縄が必要なら自分で縛り、そして撮影し、縄をほどくまで、全部一人の作業です。縛る部分は外注と言う訳には行かないそうです。自分の思うように縛りたいから。そしてその縛りも写真を構成する表現の一つだからです。
撮られた写真はフィルムの写真です。それをスキャナーしてパソコンに取り込み、加工して、自分の選んだ紙に印刷する。そこまで全部が制作です。たとえば彫刻家が石の中から彫刻を取りだすように、何もない所に、自分の世界を生み出して行く・・・。
写真を見ていると、縄の写真とは言えない気がします。縄を見せるためではなく、何か表現する世界があって、縄はそれを構成するための一部分です。
それからもう一つShin3.の写真が他と違うのはその形です。正方形の写真になるカメラを使ってらっしゃるので、できあがった写真は当然正方形です。
横へ長いと、横への広がり。縦に長いと縦への広がり。真四角の写真は四方への広がりが表現できるそうです。
それ以上に何か空間を切り取ったキューブのように、異次元を表現してるかのように、その四角が見ている私にとても不思議な感覚を与えてくれます。
写真を撮るために集められた道具類のリストの画像も見せていただきました。日本では見られない形や、作りの物が多く。ヲタの私はすごく得した気分にヾ(@⌒¬⌒@)ノ じゅるじゅる・・・。
船旅用の古いトランクを使った写真が素敵でした。HPのギャラリーをごらんになってくださいね。トランクを使った写真は何枚かあるんですが、その中の一枚の写真は私のお気に入りです。トランクから覗く女性の顔と腕。まるで人形のように、バラバラになって。それでも生きているかのような。壊れていく感覚。
それに木目のはっきりした床が、また、その木目ゆえに、場所によって違う絵を描いているのが印象的でした。
押し入れの檻が欲しーい。。。。
写真はHPで見ているのと額に納まって飾られているのを見るのでは、なぜか、感じるものが違ってくるのだなと不思議に思いました。
異端、耽美、異空間の世界。迷いこんだら出られなくなる。
頂いコーヒーとスコーンもおいしくて、お話しもおもしろくて、フェティッシュな写真も眺められて、おみやげにデジタルの写真集を買って帰ります。Shin3.いろいろどうもありがとうございました。次回、個展を開かれる時は、また、お邪魔したく思います。
写真展は3月14日の月曜日まで行われています。
