2009
一年目の手紙

さやかさんの恋人からお手紙が届きました。
今日で付き合って1年。あっという間だったね。
ということで、今日ぐらいは真面目に手紙でも書こうかと思った次第です。おれにしては珍しい試みだけど。
さて、何から書こうかな。
あー、前から思ってたんだけどさ、さやかっておれ以外の男と話すときは声がかわいいよね…凹。
ってわざわざ記念日に書くようなことじゃないか。この話はナシ。
最近わりと不穏な空気になるよね、うちら。この前も、おれが友達と遊びにいった後から「私も暇だったし会いたかったのに」とかグチグチ言ってて喧嘩みたいになったんだよな。
さやかは「こうしてほしい」とか言いたいことをちゃんと言わないわりに、溜め込んでから後で文句を言うでしょう?もうちょっと清々しく付き合えないもんかなぁと思うよ。
ぶっちゃけ、ここのところ、あまり一緒にいても楽しくないよね。それはさやかも感じていると思う。いつもさやかの顔が不満そうだしね。
寂しいのは分かる。十分にかまってやれていないとも思う。だけどさ、一つ聞きたいんだ。寂しいのはおれのせいなのか、おれがいるから寂しさが増えてるのか、って。いるのといないの、どっちがいいんだって。
おれはおれなりにさやかを理解しようとしているし、正直もっと感謝されたいし認められたいんだよ。それは分かってほしい。
あー、おれってほんと悪い方向にばっかり話を進めるなぁ。
記念日だしもっと前向きなことを書くようにするよ。話を変えよう。
さんざん文句を書いた後にこう言うのもなんだけど、おれはそれでも、一年間幸せだったと思うし感謝しているんだよ。
付き合ったばかりのころ、さやかの明るさは、少し人生にふてくされ気味だったおれにとって生きるためのエネルギーそのものだった。おれがごちゃごちゃこの関係を壊すようなことを言っても、さやかの理解があるからここまで壊れずに来られたんだと思う。
さやかが言ってくれた「時間は止められないけど、私たちは変わらない絆を作ろう」っていうセリフをおれは今でも大切にしているから、これからも手探りながらに少しずつ信じるものを増やしていけたらと思うよ。さやかもあのときの気持ちのままでいるだろうか。そうだったらいいけど。
これからもたくさんの壁に当たると思うけど、一つ一つ乗り越えていこう。あ、あと、友達に「彼氏はものまねレパートリーが数百種類ある」とか吹くのはやめてくれ(苦笑)。おれ、カイヤの真似しかできないだろ。
では、これからも末永くよろしく。さやかがいてくれてよかったよ。ありがとう。
P.S.おれの部屋に来るたびに「痩せた子供の霊が隅っこで見てる」とか言うなよ…。
あ、ごめん、「痩せた男の子」見えないんだっけ?(違)
この手紙は、性格診断に基づいて書かれてるらしい。。。。
で、その診断は・・・
結構、凹んだんですけど。w
◆恋愛では我慢の連続だ。
◆好きな人には、自信のなさによって言いたいことが言えない。
◆ときどきプライドを発揮すると、逆にかわいくないことを言ってしまう。
【分析と課題】
さやかさんは、いきなりノーベル平和賞を授与されることになったら、受け取れますか?受け取れないですよね。なぜなら自分はノーベル賞に値するようなことは特に何もしていないし、そんな資格も価値もないと思うからです。自信がないというのは、簡単に言えばこういうことです。
さやかさんが自分を10円ぐらいの価値だと思い込んでいるとします。それに対し、好きな人が100円ぐらいの価値に思えるとします。そんな相手に10円の自分が、素直に「もっと会いたいな」「メールしてくれたら嬉しいな」などと言えるでしょうか。きっとおこがましいと思ってしまうのではないでしょうか。この調子では、何か不安や不満があったとしても、素直に言うことはなかなかできないと思われます。ですから我慢しがちな恋愛になるのです。
あまりに自信がないときには、人はかわいくなくなります。ネガティブになったり、相手の価値を下げようと粗探しをしたり(「そんなことも知らないわけ?」とか)、自分の価値を上げようと競争的になったり(元彼の話をわざとして嫉妬させるとか)、とあらゆるかわいくない作戦を駆使します。
こうした問題の根本的な解決は自分に価値を感じられるよう自信をつけることですが、まずは素直さを見失わないようにしたいものですね。
【恋愛キーワード】
「柔軟」「もじもじ」「思いやり」「追う側」「ネガティブ」
【最後に】
さやかさんは、もはや振り回される恋愛に疲れきっていたり、なかなか勇気の出ない自分に情けなさを感じているかもしれません。なぜ男性が冷たくなっていくのか、なぜ自分ばかりが一生懸命なのか、どうすれば恋愛はうまくいくのか、「?」でいっぱいかもしれません。傷の深さによっては「男なんて」と言いたくなるかもしれません。
そういう状態になると「いかにイイ男を探すか」に力を注いでしまい、より恋愛対象が狭まる現象が起きるかもしれません。それはそれでいいのですが、自分以外の「外」の改善を求めるならば、同時に「内」の成長も必要ではないでしょうか。さやかさんが男性を理解して余裕を持ち、そして男性のいいところを引き出せれば、完成品の男性を探す必要はないのです。
