2008
まがいもの
大事にしていたものが手の中で砕けた
きらきらきらきら・・・・
無数のかけらになって空に散り
幻を残して風に消え去る
手を伸ばしてつかみ取ろうとして
作った切り傷から流れる血はいつまでも止まらない
どこへ 行ったのだろう?
確かにあったはずの物
私の手の中にあったはずの物
答えるものは誰もいない
握り締めて流れる血を啜る
それから、よろけながら歩き出す
欠片を探そうとして
ぽたぽたと、血を流しながら・・・
欠片はいくつも積み重なり
万華鏡のように世界を彩る
きらきらと光りで埋まって行く空間に
影を見つけることは出来ない
色があったはず
確かにあったはず
ハレーションのせいなのか
それともただ失くしただけ?
決して代わりになるはずのない幻は
涙色をしている

