2008

11.19

まがいもの



大事にしていたものが手の中で砕けた
きらきらきらきら・・・・
無数のかけらになって空に散り
幻を残して風に消え去る
手を伸ばしてつかみ取ろうとして
作った切り傷から流れる血はいつまでも止まらない

どこへ 行ったのだろう?
確かにあったはずの物
私の手の中にあったはずの物
答えるものは誰もいない

握り締めて流れる血を啜る
それから、よろけながら歩き出す
欠片を探そうとして
ぽたぽたと、血を流しながら・・・

欠片はいくつも積み重なり
万華鏡のように世界を彩る
きらきらと光りで埋まって行く空間に
影を見つけることは出来ない

色があったはず
確かにあったはず

ハレーションのせいなのか
それともただ失くしただけ?

決して代わりになるはずのない幻は
涙色をしている






Category: 物語
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