2008
眠れない夜に・・・
子供の頃「どうして自分は人と同じじゃないんだろう。私と同じような人はいない。私は独りぼっちだ。」と、云う考えにとりつかれていました。その事がとても悲しく、孤独で、不幸な事のように思っていました。
大人になった、今、「人と同じ」である事について、考えないといけない事が何度もありました。「同じ」である事。「違う」事。分かり合えない事。分かりたい事。分かろうとする事。
そして「人と同じ」人なんていない。人は、一人ずつ違い、だからこそ、分かり合うのは難しく、一瞬のぬくもりもやさしさも、とても貴重な物だと思えるようになりました。
それでも、どうしようもなく淋しい時があります。
それは、たとえば「同じ」問題を抱えて、「同じ」言葉を持ち、「同じ」苦しみを分かち合う友達と楽しく「同じ」時間を共有した後に起こります。電車に乗り、一歩一歩遠ざかって行くその歩みと共に、離れていく距離のように・・・。人と人とは、あまりにも遠い。
それは「当たり前」の事。「違う」って事は、動かしがたいけれど、とても大事な事。本当に大切な事。
それなのにそんな夜は、どこにも音が無いように、まったりと溜まる動かない闇の中にいるように、空気が重い。ずっと、忘れていたこの感覚と向かい合った日は、子供に返ったように、やくたいもない理屈をひねくりまわしたりして。
愛する人がそばにいれば、この「淋しい」は、無くなると思っていた子供の頃。苦しみや不幸が無ければ、幸せになれると思っていたあの頃。今の私はこの感覚に、どんな答えを出す事が出来るんだろうか・・・。
せめて、手を振って、別れてきた友達が、今夜は眠れているように祈ります。ありがとう。笑顔をいつも。ありがとう。大好きをいっぱい。ありがとう。ありがとう。
