2007
お仕置き・42
★琴音・9★
明子の手の中で、パドルは飴色に艶々と輝いていた。中央に型押しでバラの模様が描かれていて花びらは淡いピンクに、葉はくすんだ緑に染め抜かれていた。使い込まれてしっとりと濡れたように光るその道具は、かわいらしい様子でありながら、琴音を震え上がらせるのに充分な物だった。
「お、お義母さま。お願いです。許してください。」
まだ、一度だけ、智也の掌の下で、たった、一度だけ泣いた経験しかない琴音には、分っていても、どうしても素直に従えない事だった。無意識にじりじりと後ろに下がる。
↓クリックすると動画サンプルへ

「琴音さん。あなたが、逆らうようだったら、私は使用人を呼んで、あなたを押さえつけさせないといけないわ。そんな、恥かしい事をあなたに最初から強いたくはないのよ。分るでしょ?分っていてお嫁に来たんですもんねぇ。」
にっこりと明子は笑うと、すぐ側にある、安楽椅子の中央を指し示した。」
「さあ、そこの中央に手を付いて。二度も言わせるのは、許しませんよ。」
逃げられない。逃げられないのだった。明子の言うとおり、河野の家の嫁になる事は、こういう習慣に逆らえないって事だという事は、あらかじめ聞かされてきた。何度も考えて、覚悟を決めて嫁入ってきたのだ。だが、心の中で空想し覚悟するのと、実際に叔母の前に手を付いて、お尻を差し出すのでは、雲泥の差があった。
↓クリックすると動画サンプルへ

身体中から、力が抜けて行く。膝が震え、くたくたと、その場に座り込んでしまいそうだ。そんな自分を必死に叱咤して、琴音は、おぼつかない足取りで前に出た。深く息を吸い込んで、思い切ってソファの真ん中に手を付いた。
「膝を曲げないで、まっすぐ伸ばして。お尻を突き出すのよ。」
その言葉に、琴音は、ぎゅっとまぶたをきつく閉じた。開けていると泣いてしまいそうな気がしたのだ。がたがたと震える身体に、必死に力を込めて、琴音は脚をピンと突っ張った。お尻が高く突き出され、スカートが揺れる。その、広がった裾に叔母の手が、当然のもののように伸ばされてきたのを感じながら、琴音は心の中で夫の名を繰り返し叫んでいた。
「あ、あ・・・・。智也さん。智也さん。智也さん。」
続く・・・
