2007
エンドレス
まず小指
それから薬指
ぞして中指
もったいぶって人差し指
最後は念入りに親指
茂った葉が落ちた後に枝を払った木のように
まあるくなったその掌を
押さえつけて
包丁を押し付ける
ぶつっ・・・と皮膚が裂け
ぐにゅううううっと肉が軋み
ごりごりと骨が鳴る
指のように簡単には終わらない
ごりごりごりごり・・・
鉄さびの臭いの中
世界が暗転し
足元の地面がたわむ
身体が床に叩きつけられる時
暗い穴の中へ
意識は速度をあげて
収縮しながら引きずり込まれる
落とした包丁がどんっと鈍い音を立てて
足の甲に突き刺さると
悲鳴の中に
ようやく夢は終わる
しかし 手首はまだついている
だから
また 機会のある時に
切り落とさねばならない
