2007
お仕置き・45
★琴音・12★
バシン!バシン!バシン!バシン!バシン!
一打、一打が、容赦なく身体の中に向かって痛みを送り込んでくる。緩急なく振り下ろされるパドルがぶつかってくる痛みが、繰り返し身体の同じ場所にに拡がる。打ち付けられる。その一打の上に、また一打。そして、その上にまた一打。一振り毎に、きつく、痛みが強くなっていく。
琴音は、身体を捻り、足をばたつかせた。
「痛い。お義母様!痛いです。許して。やめてください。」
「お仕置きなんだから痛いのはあたりまです。そんなに暴れるなんて、なんて、情けない事でしょう。琴音さん、覚悟が足りませんよ。」
バッシイイイイイン!!
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「琴音さん、暴れないで、じっとしてらっしゃい。そうしないと、お仕置きはいつまでたっても終わりませんよ。」
「だって、お母様、痛いんです。とっても、とっても、耐えられませんわ。」
「そう?だとしても、あなたに選択権はありません。終わるまでじっと我慢する以外にどうしようもないわね。」
「ああ、そんな・・・。」
初めて味わう痛みに、琴音はすっかり子供に戻ってしまっていた。
さっきまでの恥ずかしさや、夫への甘い想いなどは、どこかへふっとんでしまっている。まさに、お仕置きを受ける、子供のように、いやいやと頭を振り、起き上がろうとした。
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その背を、明子がぎゅっと押さえつける。
「琴音さん、いい事、河野の家にお嫁に来た以上は、泣き言は通用しませんよ?歯を食いしばって耐える事が出来ないんだったら、誰かを呼んであなたを机に縛り付けることになります。」
「だれかって・・・。誰をですの?お義母様・・・。」
じわじわとこみ上げてくる恐ろしさに、身体を捻じ曲げて、涙に曇る瞳を明子の方に振り向けると、明子は、それを待っていたかのように、にっこりと笑った。
「そうねぇ・・・。今は家にいる男は、執事の松野か、運転手の・・・。」
「いやああ!」
琴音の理性に、自分がどんな姿勢でいるのかが甦ってきた。この姿を他の誰かに、それも、使用人に、そして、夫以外の男に晒さねばならないとは、琴音の許容出来る出来事ではなかった。
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「あら、お尻を他の男に見せる事が夫へ不貞だとか、そんな事は心配するには及びませんよ。これが、ただの『お仕置き』にしか過ぎないって事は、河野家の者はみなよく承知していますから。」
「そんな・・・。」
あまりのことに呆然としていた琴音は、義母が琴音を膝の上から下ろそうとしていることに気がついて、慄然とした。
「お義母さな!でも・・・でも、いやです!お義母さま。我慢します!我慢しますから、そんな事なさらないで。お願い。」
必死に取りすがってくる、嫁の様子を見ながら、わざとらしく腰を上げて見せた明子は、もう一度ソファに腰を降ろした。
「そう?だったらよろしいのよ。じゃあ、もう一度膝の上にちゃんと乗って。」
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明子が立ち上がろうとしたせいで、すっかり膝から滑り落ちてしまい、むき出しのお尻をぺたんと床につけてしまっていた琴音は、足を揃えてソファに座りなおした明子の膝の上に、勇気を振り絞って、そろそろと這い上がって行った。
腹が、義母の膝の上に乗ると、明子はおもむろにもう一度スカートを捲り上げる。10回程打たれて赤くなっている尻が、再び、ひんやりとした空気に触れた瞬間、恥ずかしさが甦ってくる。琴音はそれを目をギュッと瞑ってやりすごした。
明子は恥ずかしさにぶるぶると震える琴音の背中の上で腕を組み、パドルの裏表をためつすがめつしながら、質問した。
「そうねぇ、琴音さん、あなたは、何回、打ったらお仕置きが終わりって事にしたらいいと思う?」
そんな事を訊かれても、琴音には答えようもなかった。出来ることなら、このまま逃げ出してしまいたいと思っているのに・・・・。
続く・・・
