2007

04.02


 
桜の木の下で待っていると約束をした

金の瞳の獣と

私は、むっつ
白い花が一面に散った
赤い着物を着てた
鶸萌黄の帯を締めてた

桜の木は家の前に咲いている
門を出て
桜の花びらが散り敷かれた
五段の階段を降りて
たったの三歩

一尺ほどの高さの崖をぽんと飛ぶと
外灯の光の届かない
木の下闇に獣は蹲って待っていた

獣が約束どおりに
その牙を私の皮膚に立てる時
冷たい湿った布団に包丁をつき立てるように
ちょっとへこんで
逆らって
それから ようやく諦めて
ずぶずぶとそれを受け入れるのが 見えた

ぼんやりと薄墨を刷いたような
ぴんく色の光の中で

私は

獣が音を立てて
私の身体を貪り喰うのを
じっと見て いた

ぼりぼり ぴちゃぴちゃ・・・

獣の骨を咬む音と
血を啜る音を

聴 きながら

待つ 

囚われたの螺旋の中で

夜の清い空気のひんやりとした風が吹き上げる
桜の花びらを数えながら・・・

それから獣は満足げに舌なめずりをして
固くて丸い頭を 私の脛に擦りつけ

くちくなった胸を満足げに膨らましながら

また・・・
と、囁いた

また、来年、桜の木の下で










Category: 物語
Trackbacks(0) Comments(3) 
Next |  Back
Comments

コメントありがとう♪

to kaoru姐さん
 そういえば、今年は夜桜を観に行きませんでした。彼の方は、会社で花見をしたみたいですけど(笑)一緒に過ごす時間が家の中に移ってしまうと、改めて出かける機会が無くなってるような気がします。
 秋からずーっと、あまりに忙しそうなので、注文しにくい。まだ、花が残っているうちに、散歩にでも行こうかと思います。

to 祥子さん
 それはショックです・・・。

 さやかの獣は、最近は桜の下でなくとも遊びに来るようになりました。ちょっとは慣れたのかなぁ(笑)(慣れた獣は獣じゃないか。)言う事もきかず、予測の付かない行動をするから、獣なのかもしれません。

さやか#XUmOrMns | URL | [編集]
2007/04/03(火) 15:27:38

また 来年

その約束がずっと果たされるといいですね。
わたくしは、昔そう約束していた桜の公園がある日立体駐車場に変わっているのを見て目眩がしたことがあります。
あんな立派な桜の木が・・・。
地元の利便性との問題だったのでしょうけれど、とてもとても哀しかったです。
もちろん、そこで約束をしていた獣とは、もう二度と逢う事はできませんでした。

祥子#BaZyJozI | URL | [編集]
2007/04/03(火) 13:34:53

桜が満開です

今、桜が満開で綺麗です
先日京都で夜桜見物をしましたが、
ライトアップされてすっごく綺麗でした
昼間は黄砂で曇りがちの空でしたけど
夜桜は素敵です。
だんだん暖かくなってくると、露出したいような気分になってきたりして。
ハイヒールにミニスカート履いてお出かけって良いものです。
M女ちゃんなら、スプリングコートの下は
裸・・・そんな風にご主人様に苛められてしまう人もいたりしてね。
さやかさんもご主人様とお出かけされると良いですね!

kaoru#QVDCQan2 | URL | [編集]
2007/04/03(火) 12:55:29

コメントの投稿












 管理者にだけ表示を許可
Trackback
この記事のトラックバックURL