2007
見送り
眠ってる路地に響かないように願いながら
そっとエンジンを掛ける
空は まだ真っ暗で
夜の色を秘めているのに
それでももう明け方
町は起き出し始めている
行きかう車も 人も
忙しげに目的地へ向かって
通いなれた道を駅に向かって走る
さすがに空いたロータリーの
バス停の前で トランクを開ける
いってらしゃい
言葉には出さなくても
いってらっしゃい
通じているのは分かってるけど
未練がましくコートの裾を引いて
それから ちょっと苦笑する
永遠の別れではありませんようにって
祈った時もあったのに
何度も繰り返し見送って
慣れているはずなのに
それでも・・・・

ぼんやりしていてバックする時
毎日出し入れしている
分かりきった車庫の壁にぶつけてしまった(笑)
ほら もう厄落としはすんだから
必ず 無事で 帰って来てね
