2006
夢
扉を開けたら、真っ暗だった
あなたはぽつんと座っていた
話しかけたかったけど
話しかけられなくって
隣に座ろうと思ったけど
なんだか座れなくって
だから、椅子二つ分開けて
そこに座ったの・・・・
次々と人が入ってきて
椅子は埋まっていった
私はこっち
あなたはあっち
会話を交わすのは他の人ばかり
いつのまにか
指先からゆっくりと
固まってくるのが分かる
石になっていくのが分かる
世界がどんどん灰色になって
声がどんどん遠ざかっていって
ねぇ、マスターちょっと包丁貸してくれない?
カウンターの上で左手首切り落としてもいい?
マスターは黙って包丁を貸してくれた。
Thank you マスター
彼が来たら
私は手首を捜しに行ったって伝えといてね
私は手首を切り落として
ベランダの窓から投げた
そして一気に階段を駆け下りた
目を開けたら
目の前に彼がいた
そして、黙って布団をかけてくれた
今夜はもう
泣かなくてもいいから と
