2006
お仕置き・4
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「そんなふうに男を誘惑して、はしたないとは思わないの?」
引き寄せた彼女の耳たぶに唇を押しつけ、息を吹き込むようにして囁いた。腰に廻された腕にぶら下がるようにしがみついてきながら目を閉じて、唇を少し開き喘ぐようにする少女の表情をむさぼるように見つめる。なんて色っぽいんだ。まさにこれは、犯罪的な存在ではないだろうか?
「そういう、悪いことを平気でするような子供は、行いを改めるようにきつくお仕置きをしないとね。」
「男の人はみんなそう言うのね。いったいどんな風に行いを改めさせたいんだか・・・。」

笑いを含んだ口調で挑発してくる彼女を膝の上に抱き取ると、そのスカートの裾を捲り上げた。震える手で、高級なレースのひだ飾りに縁取られた下穿きの紐を引く。するするとひもがほどけると、白くて桃のようにふっくらとした眺めが表れる。私はごくっとつばを飲み込んだ。学問所での生活は清貧で修道士のようで、ほとんど女性と接する事の無い二年間の後では、その眺めはあまりにも扇情的だった。そっと白いふくらみの上に手を乗せてみる。すべすべとした大理石のような手触りにうっとりとなりながら、ぎゅっと掴みしめその弾力のある丸みを楽しんだ。
マリエーヌが溜息を付きながら身体を押し付けてくる。その時、私は自分の膝にあたる何か固いものに気が付いた。ありえない場所にありえないものがあって、それが私の膝に押し付けられる感触だった。まさか・・・・?
私は、驚きながら手の下にある奇跡のような身体の脚の間へ手を滑り込ませた。しっとりと、湿った女性器に手が掠めた。え?だとしたら・・これはなんだ?私は、もう一度もっと深くまで手を滑り込ませた。

私の手は、まだ、発達しきっていない唐辛子のようなそれを握りしめていた。
「あん。」
艶めいた、彼女の小さな悲鳴と同時に彼女はこらえ切れないような笑いに身体を震わし始めた。膝を抱きしめていた手に力を込めて起き上がる。
「気付いたね。若い学生さんにしては感がいい。」
「君は・・・!両性具有者なのか?」
マリエーヌはくすくす笑いながら、下穿きを蹴り飛ばして完全に脱ぎ捨てると、勢いよく立ち上がった。
「さあ?わからない。私は私。女のようでいて女で無い者。男のようでいて男でもない者。そして、伯爵家の多大なる頭痛の種。」
彼女の赤い唇が三日月のように吊りあがった。心底楽しそうな様子で、彼女は自分のスカートをめくり上げる。私の目の前にあらわにされたのは、男性器というにはあまりにも未熟な、そうむしろ肥大したクリトリスに見えた。彼女はその突起を撫でながら、わざとらしく身をくねらせて見せた。
「わかるでしょ?こんな身体をした淫乱な娘を伯爵が扱いかねているのが。誰にでもしがみついて、お尻を叩かれる事をねだるような子供をどこへ片付けたらいいのか困っているのが。」
かわいらしい甲高い笑い声が庭に響き渡った。私はあまりにも驚いて動く事もできず、白々とした彼女のそそけだった頬をみつめていたが、その胸に突き刺さる痛みに我に帰った時、衝動的に腕を伸ばして少女の身体を懐の奥深くに抱きこんでいた。彼女の折れ曲がった細い指先が私のシャツの胸元に食い込んだ。

「泣かないで。」
ためらいながら、彼女の手が私の背に廻される。
「ニコラス・・・。私なんかのため泣かなくてもいいのに。」
私は頭を振り、一層彼女の身体を抱きすくめた。伯爵の思惑も、心の貧しい損得勘定も、淫らな自分の欲望も、どこかへ押し流されてしまっていた。私はただただ、神の表した奇跡のような彼女の身体を、そして、その不思議な胸の痛みを抱きしめながら涙を流していた。
「お仕置き・5」へ続く
(ノ゚ο゚)ノ オオオオォォォォォォ。お尻たたきのシーンまで行かなかった。|||(-_-;)||||||皆様すみません。こんな所で中断してしまって・・・。でも、これで一応、第一部終了という事にしとこう。それでは、では。さやか、お休みに突入です!
