2006
電話

彼は、現在出張中。帰ってくるのは7月の終り・・・。
私達の付き合いは、私が電話が苦手な事もあって、ほとんど電話のお世話にならないで過ぎてきた。仕事が終れば、ほとんどまっすぐ私の家に来ていた彼。電話を掛けてくるのは、即座に知らせたい事がある時だけ。それは、今も変わらない。
出張が始まった4月。彼がどこに泊まってるのか分からなくって、携帯の電源も入ってなくて、職場になんて絶対電話できないから、すごく不安だった。
ゴールデンウィークに帰ってきた時、ホテルの住所と電話番号を教えてもらう約束をした。携帯の電源もちゃんと入れてもらうようにお願いした。持って行ってるのは自分のではなく、会社の携帯って事もあって、携帯からはメールもほとんど来ない。
やってきても二語文か三語文。用事もないから、パソコンにもメールが来ない。ほとんど空白の1ヶ月。
・・・さすがに寂しくなってきた。
でも、世間はワールドカップなんだし、きっと周囲はお祭り騒ぎの真っ最中。仕事が忙しいことも手伝って、きっと毎日がそれなりに過ぎていってるはず・・・。
さやかは、何だか眠れないよ・・・。昼間の方が良く眠れるの。何していても楽しくなくって、縦のものを横にするのもめんどくさいの。・・・家に帰ってくると真っ先にパソコンのスイッチを入れてしまう。ブログを書いたり、読んだり、ネットをうろついているときだけが楽しいの。コレって、依存症になりつつあるよね。ウーン (Θ_Θ;)まずい・・・ちゃんと夜寝てない事がバレたら、怒られそう。
そんなある日・・・彼から電話がかかってきた。
なんでだ?携帯は会社のだから、電話するのはイヤだって言ってたのに。電話代だって高いのに。特別用事があるわけじゃないのに・・・・。
「どうしてた?」
「うん。変わらないよ。・・・そっちは?」
「ま、異常無しかな・・・。」
沈黙・・・。「ま、まずい。コレってめちゃくちゃまずい・・・。」と焦ったけど、まさか、高い電話代払ってかかってきた電話をたたき切ることも出来なくて、パニくってた私は、別の話題を持ち出せるほど器用でも無くって・・・電話の向こうからはダメだしの彼の溜息・・。
「逢いたい・・・。」
・・・怒りゲージ MIN ■■■■■□□□ MAX (-"-;)ムム
「ずるい!そんなの分かりきってるじゃない。逢いたいに決まってるでしょ!何で、わざわざ電話してきてそんなこと言うの。今でさえ眠れないのに、後一ヶ月もあるんだよ!もう!バカアァァ!」
おもいっきり泣いてしまいました。電話の向こうでは、困ったように謝り続ける彼の声が・・・・。あああ。コレでまた、当分、音信不通かも・・・。
でも、最後に「愛してる。」は、無理矢理もぎ取った。当分は、コレを慰めに、枕の下に置いて寝よう。
