2005
初恋のラビリンス
男性が絶対に読まないものに、ハーレクインを代表とするロマンス小説があると思います。ずいぶんたくさんのロマンス小説を読みましたが、女性にとってのサディズムの発露なのではないか、と思う展開が結構あります。それは、お互いに惹かれあい愛し合っているのになにかの誤解または障害が邪魔をして、いいところまでいくのに結局は女性の拒絶にあってしまうというパターンです。男性はセックスの直前で拒絶にあい、欲求不満と愛情の板ばさみになって身もだえするのですが愛が勝ち、耐えて待ちます。
女性の拒否の理由は様々で、過去に乱暴された、裏切られた、男性が怖い、彼が愛してくれてると信じられない・・・といった理由です。まさに、寸止めとじらしの世界ではないでしょうか。物語の中の女性は真剣に悩んでいるのですが、読者は、じらしにじらされても耐える男性に「うっとり」となるわけです。では、その代表作は・・・・?

『初恋のラビリンス』 MIRA文庫 キャンディス・キャンプ/著
引き裂かれた令嬢の初恋。13年後、再会した彼の瞳は憎しみの光を放っていた…。
没落貴族の娘アンジェラは、使用人の少年と恋に落ちた。輝くばかりの喜びもつかのま、娘は貴族の資産家と結婚させられ、少年は追放された。13年後、夫の暴力に耐えかねて離婚したアンジェラは、伯爵家の窮状を救うためふたたび意に染まぬ結婚を強いられる。アメリカの富豪だという今回の求婚者をひとめ見たとたん、衝撃のあまりアンジェラの意識は遠のいていった……。抑圧された世紀末の英国で、禁じられた恋情が至高の愛に昇華する。歴史ロマンの最高峰。

アンジェラが結婚した相手の貴族ダンスタンは、あきらかにサディストです。彼女を友人の前で些細な理由でスカートをまくりスパンキングしフェラチオを強制します。友人達と彼女を輪姦したり、部屋へ閉じ込めたり、ベッドに縛り付けたりします。アンジェラが耐えかねて家をでる原因になった夜にダンスタンは彼女を裸に剥いて庭の迷路を友人達と一緒に追い回します。そして、迷路の突き当たりで捕まえると、みんなの見ている前でオナニーを強制するのです。
すっかり、傷ついてしまったアンジェラは男性恐怖症になっていて、戻ってきた初恋の男性の強引な求婚に応じることができません。結婚した後も指一本触れさせません。真実を知った富豪となって戻ってきたキャメロンは、絹の紐で裸の自分を縛り、アンジェラに自分を好きにもて遊ぶように言います。縛られていれば、怖くないだろうという理由からです。しかし、そこに至るまでの長い間、アンジェラを妻としながらも、お預けをくっているのですからキャメロンにしてみれば拷問も同然の仕打ちです。それが、二晩も続き、キャメロンは毎晩神経が高ぶって一睡もできません。
「アンジェラは夫を横目でちらりと見た。目の下のくまや肉の落ちた頬。異様に光る目。フォークを握り締めた手。満たされない欲望にさいなまれている男を得に描いたような風貌だった。」
三日目の昼ようやく二人は結ばれるのですが、それもキャメロンはベッドに縛られた状態での女性上位の姿勢です。最終的に、ダンスタンとの対決があってハッピーエンドになるのですが、それは反対にアンジェラが縛られてもキャメロンに身を任せられるようになるということなのでした・・・。
(*^¬^*)じゅるじゅる。よだれ出ちゃうぞ。セックスのシーンも詳しく書かれているんですけど、それ以上にくらくらしちゃうのはキャメロンが同じ車室で服を脱ぐ妻を抱き寄せまいとして、後ろを向きドアに両手をついて必死に耐えるシーン。愛する男性に求められたいと思うのは、女性の共通の願いですが、そこをお預けさせて喜ぶ私は・・・・。ぺこ <(_ _)>
