2005
お灸
お仕置きをするのは、先生、お母さん、そして、教会のシスターか、寺院の尼僧です。お仕置きされるのは高校生くらいの女の子です。自慰をした、男の子と遊んだという理由でお尻を叩かれたり、お灸を据えられたりします。お仕置きのためには、熱くしないといけません。「お灸の痕」って、どんなものかわかりませんが、やけどですよね。それをいけないことをした場所にされちゃいます。
「!? あつい!? ああ…あつっ! あつーっ! ああああああーっ!」
最初に感じた温みは、またたく間に炎熱となった。
全身の筋肉が、強張った。
腕が足が、身体中の全てが、あそこに乗っているものを取り払おうとした。
足の動きを紐が封じ、それ以外を良円が封じた。
「取って! お願いっ! 熱いっ! 助けてええええーっ!」
ありったけの声。
泣いていた。自分の意志では無かった。
限界寸前のところで、炎熱はおさまった。
「よく耐えました。でも、これぐらいでは許されません」
泉園がそう言い、またあそこの谷間が広げられる。
「もう許して下さい! お願いです。もう二度こんなことはしません。だから…いやっ、熱いっ! いやああああああーっ!」
瞳から溢れ出した涙が、弾け跳んだ。
そこに触れられるだけで、全身の力が瞬時に抜けた。
もっとも、敏感な箇所であった。
「やめて下さい! そこは、そこは許して下さいっ! お願いします!」
頭を上げ、必死で懇願する。
三度も、あそこの谷間にすえられていた。
もう充分であった。
「ここに、二度すえます。それで躾は終わりです」
「そんな!? そこだけは許して下さい! 本当に許して下さいっ!」
残酷な宣言であった。
自分の身体は、自分が一番よく知っていた。
あそこの谷間の比ではない。特に香奈は、敏感な箇所であった。
そこに艾が置かれた。
全身でそれを香奈に伝えてきた。
「本当に許して下さいっ! 他の場所なら据える回数を増やしても構いませんっ! だから、そこだけは許して下さいっ!」
大声で叫ぶ。何度も叫んでいたせいか、声にかすれが入っていた。
「特に敏感なところなのは承知しています。だからこそすえておきます。二度とここに来ることがないように……」
「母情戒」より
