2014
In These Words
精神科医の浅野克哉は、悪夢に悩まされていた。
――それは顔の見えない男に監禁され、犯され、「愛している」と囁かれつづける夢。
夢と現実との接点を持つ、連続殺人犯が現れたときいつしかその夢は現実との境を越える――
連続殺人犯に魅入られた精神科医の運命とは!?
アメリカ・アジアを中心にアメコミで活躍する咎井淳(Jo Chen)が官能BLに挑む!!
この作品、一応ボーイズラブカテゴリで発表になってて、たいそう評判になってるのですけど、うーん、厳密に言うと、ちょっと違うだろう・・・。と、私は思うのです。むしろ、胸張って、SMマンガとして出てきてほしいなー。(笑)確かに、これ、男✕男だから描ける話で、女だったら(加害者でも、被害者でも)違う意味でエグくなって、台無しだったりするんだけど・・・。
実は、ボーイズラブの定義ってものが一応あるのだけど「女性作者が女性読者を対象に、男性間の恋愛を主題とした作品」と、言うものらしい。In These Words も、2冊目辺り段々愛情の要素が入ってくるので、そっちに焦点を当ててれば大丈夫なのだろうけど、第一巻で描かれている主人公の精神科医浅野と、彼を監禁している男性の間には、愛どころか、同意がない。つまりこれは、社会的フィルターを通過して薄められたSMじゃなくて、「犯罪」なのである。
小さい声で言うけど、読み物としては、私はそれが大好きなのだけど、でも、一応、これは犯罪だから。(^▽^:
内容については、美味しいと、いうこと以外の言及は避けておこうかな。それというのも、一巻の終わりに「え?それを浅野が知らないって事を、犯人が知ってないと成り立たないシーンじゃん。衝撃を与えたって意味では、いい表現だけど少し辻褄が合わないような・・・。」と、思っていた場面が、第二巻のどんでん返しへの伏線になってたりして、完結しないと、とんでもなく的はずれなことを言ってしまいかねないんだもん。
まあ、そんなこんなで、第三巻では、全編あまあまの大ロマンスになってしまうかもしれませんので、続きに期待したいと思います。責めシーンでお気に入りは、一巻のシャワーのフックに腕を繋いで、頭から水をかけながら背中を切るシーン。ここまでSMの本質をえぐったのだから、セックスシーンなしで、2巻もガンガンいたぶって(鬼)欲しかったかも。相手の苦痛が自分の幸せだってサディスト自身にとっては、一番の、痛いところよね。。。



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FATHER FIGUREは、もっと訳わからんいっちゃってる主人公が、サディズムとはまた違う感情で、お父さんを監禁したりしている小説です。こっちは、私にすら心理的に敷居が高かった。。。覚悟して読むよ~に。(残酷シーンはそんなにないです。)ただ、今なら、浅野くんのラブラブなマンガ着いてたりします。
俺は一本の樹から切り取ってきた細長い枝鞭を、ぴしゃりと鳴らした。硬く、まだ、凍っている。
「よせ!そんな真似は・・・!」
俺は彼をテーブルに追い込んだ。テーブルの縁が彼の胴体に食い込む。
彼の顔の片側を天板に押し付けると、首根っこを掴んで抑え込んだ。
「とってもいけないことだ、そうじゃないか?」俺は言った。「鞭を惜しめば、子がだめになる」
彼は俺を罵ったが、その尻に枝を振り下ろすと、罵りは悲鳴に変わった。赤黒い線痕が「癇癪を起こしたことを反省してるか?」
たずねながら、再び枝を振り下ろす。新たな赤い傷跡が最初の傷と交差した。
もう一度、より強く打ったが、彼はもう悲鳴を上げなかった。両目をきつく閉じ、葉を食いしばっている。
振り下ろした枝鞭が、皮膚の表面を切り裂く瞬間に上げる鋭い鳴き声は、音楽だ。
ミミズ腫れが走り、彼の皮膚が損なわれる。
俺は、十数えたところでやめた。 ファーザーフィギュアより
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