2009

09.24

抑えきれぬ情熱を騎士に



キャサリン・キングストン
立石ゆかり
ぶんか社
作者ホームページ

【あらすじ】レディ・ロザリンドは家族を惨殺され、自らも地下牢に閉じ込められていた。暗く狭い地下牢でいつしか死ぬのだろうか。諦めかけていた彼女の前に突然、騎士が現れた。ジェフリー卿は1000クラウンと引き替えに、彼女をここから救い出すという。ロザリンドは無一文ながら、逃げ出したい一心で条件を受け入れた。しかし、それが嘘だと知ると、ジェフリー卿は驚くべき提案をする。それは、彼に一夜の奉仕をすること、そして、城の規則である「鞭打ち」の罰を受けることだった―。中世を舞台に繰り広げられる、熱く甘いヒストリカル・ロマンスの傑作、日本初登場。

 ちょっとブログの感想を拾ってみましたところ
『「鞭打ち」は3回、「スパンキング」が2回・・どう考えてもSMだよな・・・鞭打ちは刑罰としてまだ認める余地はあるけどさ・・・』
『その上、何と処罰の為のムチ打ちが頻繁に登場・・・もしかしなくてもSMエロティカなのか、とか(爆)。』
『えええええ!!!????? ・・・・ソフトSMかよ?・・・・(;´Д`A ``` 』

 って、これは、多分、原書はスパンキング小説。日本には、このカテゴリはないから読んでる方も分からないけど、まあ、そのもの、そのまんまでありますな。(笑)しかし、それがヒストリカルロマンス小説の中に存在する事がすごいwww
 あまりの違和感にのけぞります。ヒーローが、Sだったら、もっと楽しかったんだろうけど、いまいちに、鞭打ちの楽しみ方が足りないぞ(笑)


 しかし、ジェフリー卿が手にしたカバノキの鞭の小枝がこすれ合う音を耳にした瞬間恐怖心以外のものはすべてどこかへ消えさった。ロザリンドは目を閉じ、全身をこわばらせた。いよいよむちで打たれるのだ。でも、私は勇敢に耐えてみせる。叫び声やうめき声をあげるつもりはないし、情けを請うようなこともしない。

 むちが空を切る音がし、ロザリンドの肌に当たって、鋭い音をたてた。打たれたショックを実感する間もなく、小枝に引っかかれた肌が焼けつくような痛みに襲われた。ロザリンドは自分を縛りつける紐が許す範囲で身をよじった。叩かれる痛みを覚悟してたとはいえ、臀部の中心から体中の神経や筋肉を通じて広がるこの焼けつくような痛みは、予想をはるかに越えていた。あれほど心に誓っていたにもかかわらず、ロザリンドはうめき声をあげた。燃えるような恐ろしいほど強烈は痛みだった。十フリー卿は本当に手加減してくれたのだろうか。

 まだ十一回も残っている。もうだめだわ。十二回まで打たれる前に、痛さの歳で死んでしまう。

 焼けつくような痛みがいくらか治まって、むずむずした痛み変わった頃、再び嫌な音がして、鞭が繰り出された。前回よりも強烈さがまし、臀部全体に食い込むような痛みが広がった。縛りつけられてみうごきができないまま、ロザリンドは激しくもがいた。焼けるような痛みに備えて緊張させていた口から、低くか細い喘ぎ声がもれた。

 カバノキの鞭は、三度四度とロザリンドの臀部に炎のような赤い線を焼きつけた。ジェフリー卿は一回鞭を振り下ろした後、ロザリンドの痛みが高まって頂点を迎え、やがて痛みが始まるのを待ってから、次をふりおろす。三度目の鞭を受けて、ロザリンドは再びうめき声をあげ身体を上下させて痛みに耐えた。しかし、四度目はあまりの痛さに小さな悲鳴をあげ。くちにするつもりのなかった嘆願の言葉をついっ口に出してしまった。「お願いです。もう耐えられません。これ以上は無理です。やめてください。もう二度と嘘はつきません。約束します。本当です。「嘆願の言葉は甲高い悲鳴に取って代わった。再び鞭が振り下ろされたからだ。これまでよりも低い所に鞭が当てられ、小枝は太腿の上部を傷つけた。

 ロザリンドは、嗚咽し、うめいた。両手で長椅子の脚を力いっぱい握りしめる。痛みに耐えかねて身体をそらしても腰に渡された紐に占め疲れるばかりだった。(略)

 


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Category: 読書が好き
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