お風呂上りの彼の懐に寄りかかって、二人でテレビを見てた。そうしたら彼が、お風呂に入って来なさいって・・・。今、お風呂に入ったら、きっと戻ってきた時、彼は寝ちゃってる。そう思ったから、ちょっと名残惜しくて、ぐずぐずしてたの。そうしたら、彼は、部屋の隅に着物を着るために置いてある姿見をずるずるとベッドの傍へ移動させてから、私の顔を見た。
「お風呂に入っておいで。」
急にドキドキして少し顔も赤くなっちゃった私は、慌ててお風呂へ。ゆっくりとはつからなかったけど洗うべきところはしっかりと洗ってから大急ぎで髪を乾かして、バスローブだけを羽織って彼のところへ戻った。彼はボクサーパンツにTシャツだけになってベッドの上に寝転んでた。サイドテーブルには、先週買った
ラブコスメティックのあれやこれやが箱から出されて並べられていて、自分で買ったくせに何だかちょっと恥ずかしい。
明るいのは苦手だから、ベッドのそばのオレンジ色の灯りを残して電気を消してもらったの。そうしたら彼は、いつのまにか姿身の上にクリップで挟む照明をつけてて、右側の灯りはベッドの方へ左側の明かりは鏡の方へ向けてあった。それでも蛍光灯の灯りと違って輪の外は暗い。それに助けられてベッドの上によじ登った私はバスローブを脱いだ。
最初に登場したのは
ラブリュイール。女の子の為のラブコスメ。えっちの時間がもっと楽しく、ちょっと感じやすくしてくれるための薬。説明書には、あずき大の大きさを指の上に取り出して女性のデリケートゾーンで一番敏感なところにつけ、5分くらいマッサージするって書いてある。
「自分でやってみせて。」
彼は私を鏡の前に誘導して膝をつかせた。後ろから手を入れて太腿に掛け足をいっぱいに開かせる。甘い香りのラブリュイールを右手の人差し指にとって、ちょっと前かがみになって、円を書くようにマッサージ。トロトロの乳液に近いような白いクリーム。ちょっとつけただけで、すべらかになってくるくると円を描くのもすごく簡単。でも、セックスのために準備をしているところを彼に見られるってすごい恥ずかしい。何だか、それだけで首までまっかになっちゃって、心臓はドキドキ跳ね回ってる。ずっと同じ姿勢で、ずっと同じ動作。聞こえるのはお互いの呼吸音と自分の心臓の音だけ。5分って短いようでものすごく長い。だんだんいたたまれないほどの恥ずかしさが突き上げてきて、鏡なんか見ること出来なくってうつむいてベッドの縁をじっと見つめたまま、固まってた。
彼は一言も言わないで、身じろぎもしないで私が前かがみになってクリトリスをマッサージしている様子を見ている。
だんだんあそこが熱くなって来る。さっきよりも気持ちいい。円を描くごとに、ある位置に来るとキュンと快感が走る。呼吸が弾んでくるような気がして、できるだけ息を細くしようとしてた。あとどれくらいなの?もう、恥ずかしいったら・・・。
クチュ。あそこが引っ張られる水音がしてびっくりして手が止まる。濡れてきてる・・・。
当たり前よね。彼の前で、こんな恥ずかしいことしてるってだけで熱くなってるのに、もう5分近くもクリトリスのマッサージしてるんだもの。今までの人生でこれほどここを念入りにマッサージした事って無かったかも。
「やめちゃだめだ。」
彼の手がお尻にさわる。びくっとして、また前かがみに戻って同じ作業を繰り返す。円の下のほうへ行くと「クチュ」上のほうへ行くと快感がズキン・・・。
見られてることが拍車を掛けて、興奮を呼び覚ます。
ようやく5分が終って、私はぺったりお尻をつけて赤い頬を押さえて、息を弾ませてた。そうしたら彼は私の右手をつかむと
シャイニングラブローションの出口のところへ当てて、ポンプを三回押した。このローション、形はまさにシャンプーのボトル。出てくるローションもまさにシャンプーのようなとろみ具合。触れ込みどおりのココナッツのようなフルーティな香りが辺りに拡がる。ボディケアにも使えるというこのローション。たくさんつけると後ですべすべするのは、この前のローションプレイでお試しずみだ。
「中指を真ん中に当てて、人差し指と薬指で花びらを挟むようにして。」
前後に擦るように言われた。濡れているっていったって、ローションを付けると格段にすべりがよくなる。もう一度さっきの姿勢に戻って、ほころんだ花びらの間を二本の指を介添えに中指が行ったり来たり。恥ずかしくって足の開きを小さくしてたら、また後ろから手を入れられて膝の位置を直された。ねぇ、すっごく恥ずかしいんですけど・・・。でも、彼はまたもとの位置に戻って、黙って目を光らせてる。足の間はすっかり火照って、さわらなくてもじんわりと気持ちいい位なのに、ローションつけて擦ってやれば、中の方からも快感がじんわりと拡がって来る。目を閉じて自分の中から込み上げてくるものを味わった。
やがて彼が身体を起こすと、いつもの
オルガスターくんをぽこんと差し入れた。しっかりと位置を確かめて、花びらを左右に拡げる。慣れてるから手探りでやってくれるんだけど、いつでもやっぱり恥ずかしい。もう。今日は恥ずかしいことばっかり。
彼は、ベッドから降りると押入れを開けて
バランスボールを取り出して来た。ベッドの上に置くと私の顔と胸をその上に押し付ける。ちょうどボールを支えにして四つんばいになるような格好。こうされると、あまり胸も苦しくないし、身体はボールが支えてくれるからすごく楽。
パチンとオルガスター君のスイッチが入れられる。中くらいの振動でヴヴヴヴヴヴ・・・。もう、すっかり熱くなっていた私の身体はそれで十分に感じる。彼は、私の横に座ってボールに横向きに顔を乗せてる私をみつめながら、リズミカルにボールを前後に揺らしてくる。お互いにほとんど労力を使わず、ただただボールの揺れに任せて身体を前後に揺らす。気持ちよくってギュッと目を瞑ってしまう。彼は、相変わらず一言も言わずに黙ってボールを揺らせるばかり。やがて十分熱くなってきたのを見計らってお尻を叩き始めた。ボールの揺れにあわせて、一回目の揺れは見送って二回目の揺れで戻ってくる時にお尻をパチンと叩く。ほとんど痛みは無い。ただ、身体の中のオルガスター君に響く刺激があるだけ。パチンパチンと叩かれながら、私はずっとゆらゆらと揺れるばかり。
だんだんお尻が熱くなってきて、彼は今度はもう少し私の身体をボールに深く乗せる。ちょうどみぞおちがボールの一番高いところに来るように。こうされるとちょっと胸が苦しい。太腿の内側がボールのぴったり当たるように膝を開いて押し付けるようにされる。
すごく恥ずかしい格好になっちゃう。やだ。ちょっと私が抵抗したので彼は後ろからぴったりとお尻に覆いかぶさって来た。この姿勢だと彼に見えるのは私の頭の後ろと背中だけ。恥ずかしいけど見られてるわけじゃないから妥協して、また彼がボールを揺らすのに任せる。さっきよりも深い所に、オルガスター君の頭がしっかりと押し付けられる。さっきよりも強い快感が身体が前のめりになるたびに突き上がってくる。
でも、これだけじゃどうにもいけない。それは、彼も分かってるから、くるりと私をひっくり返して仰向けに押し倒した。ボールを押しやって床に落としぽんぽんと跳ねて遠ざかるのに任せる。足首を交差させると、腰紐をくるりと巻きつけて縛る。ぐいっとのしかかってくると、もう、入っているのが彼なのかオルガスター君なのか分からない。腰をひょいっと持ち上げると枕を押し込んでお尻を上げさせて、今度は自分の力で揺らし始める。
うねりが大きく押し寄せて来た。いきそう・・・でも、ちょっと越えられない。すごく感じてるのにどこかもどかしい。彼はしばらく励んでいたけど、私が困ってるのに気がついた。いったん私の身体の上から降りるとパッパッと、服を脱いでしまう。サイドテーブルからスキンを取り上げると私に渡してくる。いつもの手順でくるくると被せると、あっという間にもとの姿勢に戻された。そして、ゆっくりと押し入ってくる。
本当は、そこまで熱くなってると、彼なのかオルガスター君なのか区別がつかなくなってくる。それなのにやっぱりどこか違うんだろう。ほとんど時間をかけなかったのにあっという間に波にさらわれてしまい、それまで、ほとんど刺激を受けていなかった彼は合わせるのに苦労したみたい。しばらくお互いの喘ぎを確かめ合いながらぎゅっと抱きしめあってたけど、いつもの通りに彼の方が先に立ち直って枕を外して足の腰紐をほどいてくれた。タオルで足の間を拭ってくれてゴロンと転がるともう、いつもの静かな彼・・・・。
私は手を伸ばしてスキンを外して彼の身体もタオルで拭った。少し咥えてちゅくちゅく吸って、彼の身体を跳ねさせて遊ぶ。
「こら、もう終わり。」
ほんとは、まだ終りたくない。ラブリュイールのせいか、身体の芯が、まだ火照ってた。でも、明日も彼は仕事だもんね。とりあえずはぎゅっと抱きついてから、彼が布団へ移動するのを見送った。私のベッドで二人寝たらお互いに明日からだが痛い。一緒に寝るのは、彼の部屋での楽しみに取っておこう。あっという間に寝てしまった彼の寝息を聞きながら、掛け布団を引き寄せて目を瞑った。