2006

06.30

占い

 君を傍らにおいての吹雪さんのところで占いをみっつゲット!
「あなたの腹黒度チェック」
「あなたの電波度チェック」 
「あなたの漢(おとこ)のサムライ度チェック」

 結果は・・・・
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    2006

06.18

あなたの空、わたしの空

電車で2時間もかかる友達の家へ
車で送ってくれるって言われた時
帰りの道のりを一人で帰るあなたに
あまりにも申し訳なくって
そんなふうなやさしさに
一度も出会ったことの無かった私は
友達の家でずっと、
帰って行くあなたのことを考えてた

ごめんね
無駄な時間をたくさん消費させちゃったよね

いいんだ
ドライブして帰るのが楽しかったよ
君と眠るようになってから
空はますます青く
木々はますますあざやかにくっきりと
一枚一枚の葉の重なりまでも見える
人を好きになると
こんなにも世界は美しく見えると知ったから

私は驚いて三歩跳び退く
彼は再び離れたお互いの距離が
縮まるのをただ笑って待ってた

あなたはそこにいる
振り返るとただそこにいてくれる

臆病な私が遠回りをする間
ずっとずっとそこで待っていてくれた

人を好きになった
その時の気持ちを忘れないでいよう
世界をますますクリアに
はっきりと見つめるために

紆余曲折 艱難辛苦 暗中模索 異体同心 一日三秋

あなたを好きになった時の
その空の色を忘れないでいよう
あなたが振り返った時に
私がそこにいるのを
あなたが見つけられるように




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    2006

06.17

電話






 彼は、現在出張中。帰ってくるのは7月の終り・・・。
 私達の付き合いは、私が電話が苦手な事もあって、ほとんど電話のお世話にならないで過ぎてきた。仕事が終れば、ほとんどまっすぐ私の家に来ていた彼。電話を掛けてくるのは、即座に知らせたい事がある時だけ。それは、今も変わらない。

 出張が始まった4月。彼がどこに泊まってるのか分からなくって、携帯の電源も入ってなくて、職場になんて絶対電話できないから、すごく不安だった。

 ゴールデンウィークに帰ってきた時、ホテルの住所と電話番号を教えてもらう約束をした。携帯の電源もちゃんと入れてもらうようにお願いした。持って行ってるのは自分のではなく、会社の携帯って事もあって、携帯からはメールもほとんど来ない。

 やってきても二語文か三語文。用事もないから、パソコンにもメールが来ない。ほとんど空白の1ヶ月。

 ・・・さすがに寂しくなってきた。

 でも、世間はワールドカップなんだし、きっと周囲はお祭り騒ぎの真っ最中。仕事が忙しいことも手伝って、きっと毎日がそれなりに過ぎていってるはず・・・。
 
 さやかは、何だか眠れないよ・・・。昼間の方が良く眠れるの。何していても楽しくなくって、縦のものを横にするのもめんどくさいの。・・・家に帰ってくると真っ先にパソコンのスイッチを入れてしまう。ブログを書いたり、読んだり、ネットをうろついているときだけが楽しいの。コレって、依存症になりつつあるよね。ウーン (Θ_Θ;)まずい・・・ちゃんと夜寝てない事がバレたら、怒られそう。

 そんなある日・・・彼から電話がかかってきた。

 なんでだ?携帯は会社のだから、電話するのはイヤだって言ってたのに。電話代だって高いのに。特別用事があるわけじゃないのに・・・・。

「どうしてた?」
「うん。変わらないよ。・・・そっちは?」
「ま、異常無しかな・・・。」

 沈黙・・・。「ま、まずい。コレってめちゃくちゃまずい・・・。」と焦ったけど、まさか、高い電話代払ってかかってきた電話をたたき切ることも出来なくて、パニくってた私は、別の話題を持ち出せるほど器用でも無くって・・・電話の向こうからはダメだしの彼の溜息・・。

「逢いたい・・・。」

 ・・・怒りゲージ MIN ■■■■■□□□ MAX (-"-;)ムム
「ずるい!そんなの分かりきってるじゃない。逢いたいに決まってるでしょ!何で、わざわざ電話してきてそんなこと言うの。今でさえ眠れないのに、後一ヶ月もあるんだよ!もう!バカアァァ!」

 おもいっきり泣いてしまいました。電話の向こうでは、困ったように謝り続ける彼の声が・・・・。あああ。コレでまた、当分、音信不通かも・・・。

 でも、最後に「愛してる。」は、無理矢理もぎ取った。当分は、コレを慰めに、枕の下に置いて寝よう。




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    2006

06.16

スパンキング7・SMの鞭打ち

スパンキング・1から読む


 二十回叩き終わると、彼は泣いている私をそっと抱き上げて、枕元においてあったタオルで優しく顔を拭ってくれた。それから、キス。覆いかぶさるようにして熱く激しくむさぼるようなキス。そのままベッドに押し倒されて・・・。
「ああ・・。葵。もう、たまらないよ。」と、ぎゅっと抱きしめられた。しゃくりあげていた私は、彼の固くなったそれが押し付けられるのを感じながら、なんだかすっきりと満たされたような気持ちで彼にしがみついた。
 彼が何度も何度も頬に瞼に額に唇を押し付けてくる。溜息をつきながら、ぎゅっと抱きしめられてそのままセックスになるのかと思っていたのに、そうはならなかった。彼は、欲望に震えながらも私が落ち着いてくるのをじっと待っていた。
「葵は、なんて、意地っ張りなんだろうね。かわいそうで、どうしていいかわからなかった。」
 結果的には、私が正直に言わなくて、彼にひどい事をさせてしまったのだ。彼の胸に額を擦り付けながら、小さな声で謝った。
「でも、かわいそうなんだけどかわいくて、ひどく叩かないように必死で堪えてたんだよ。」
 あれで、手加減してたんだったら、もし本気で叩いたらどんなに痛いんだろう。そう思うと、私は、怖いような、切ないような・・・それでいて、もっともっと深い夜道にさまよい出て行きたいような不思議な気分でぎゅっと彼にしがみついた。

「いつから、スパンキングに興味を持つようになったんだい?」
 覗き込んでくる彼の視線を避けて、私は、教えないとかぶりを振る。
「正直に言わないと、また、お仕置きしないといけないぞ。」
 彼は、これでやめてしまうつもりは無いらしい。どうやら、私達は、すっかりこの恥ずかしい秘密のゲームに足を突っ込んでしまったようだった。私の髪の毛に、もう一度唇を押し付けた彼は・・・・。
「でも、そのお仕置きはまた今度ね。これ以上焦らされると、僕の方が我慢できない。」
 そう言って、私の上に覆いかぶさりながら服を脱ぎ始めた。





 SMで、お尻を叩く時もスパンキングって、言うんですよ。それに、Pain Gateのように、鞭が主体のサイトもスパンキングサイトに分類されています。でもスパンキングとSMには微妙に違いがあるらしく、特にSMをされないスパ愛好家にとっては、その違いは歴然としているらしいんです。さやかも一応カテゴリの分類ではスパとSMは分けているんですが・・・。皆さんは、気付いてらっしゃいましたか?


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    2006

06.15

スパンキング6・数える

スパンキング・1から読む


「20回叩くから、葵、声を出して数えて。」
 そんなこと、そんなこと恥ずかしくって出来ない。私は彼の膝にしっかりとしがみついてぶるぶると首を振った。彼は両手でぎゅっと私を抱きしめる。
「だめ。するんだよ。葵。いいね。」
 強い声で厳しく命令されて、もう、逃げられなかった。むき出しの肌に彼の掌が置かれる。いや。いや。私は、必死に首を振ってみせる。でも、だめ。もう、するって決めた彼はキッパリと手を振り上げて振り下ろした。
「痛い!」
 思わず叫んでしまった。さっきより強かったわけでもないのに。我慢できなくて。彼は私が数えるのを待っている。私は震える唇を必死に開けた。
「い、一回。」
「いい娘だ。」
 安心したように、優しくささやいてくる低い声。そして、お尻を一回くるりと撫でてからまた手が振り上げられる。ピッィッタアン!太腿とお尻の境目に彼の掌が振り下ろされた。あまりの痛みに私は自分のお腹を跳ね上げた後、彼の太腿にこすり付けてしまう。じわっと涙が滲んで辺りの風景がぼやけてくる。
「にかい・・・。」
 また、お尻の上をくるりと掌が撫でてから、離れて行く。痛い。痛い。いやあ。身体を掌から遠ざけたくて彼の身体に押し付ける。何度もそれが、繰り返されるうちに、お腹に硬いものがゴリゴリと当たる感触が強くなってきた。
「ああ。葵・・・。そんなに擦ったら・・・。」
 溜息のような彼の声に、頬が熱くなる。今度は反対に彼の身体から自分を遠ざけようと背中を山形に持ち上げようとした。待っていたかのよう二、振り下ろされる掌。バッチイイインン!

いたあああいい!


スパンキング・7へ続く


 「数を数えなさい。」って言われるのって辛いんですよね。何だかすごく恥ずかしい・・・。おまけにとっても惨め。痛いのに羞恥系。お仕置きの時によく使うテクニックの一つ。相手が責めを受け入れてないと使えません。
 だんだん声が震えてきて、うわずってきて、悲鳴のようになってくるその移り変わりを楽しみます。






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    2006

06.14

スパンキング5・泣いちゃう

スパンキング・1から読む


「いや。いや。やめて。お願い。脱がさないで。」
 いくら言ったって、もうパンティはねじれるような状態で太腿の辺りまで引き下ろされてしまった後。しかも、その薄い布地をちょっと引っ張って彼はくすくす笑ってる。
「あれ?葵、どうしたの?なんだか湿ってるみたいだよ。」
 分かってた。もうすっかり濡れて熱くなっている私のあそこに、空気が忍び込む感覚がして自分がどれだぐっしょりなってたか思い知らされる。もう、これ以上無いっていうくらい恥ずかしい思いをしたと思ってたのに、まだそれを上回る恥ずかしさがあるなんて。私は思わず彼の膝にこぶしを打ちつける。
「痛い。葵。痛いよ。やめて欲しいなら正直に言うんだよ。昨日女の子がお尻を叩かれるお仕置きサイト見たでしょう?」

 正直に、正直うなずくだけ。ただ、それだけの事なのに。どうしてもそれが出来ない。もう、しっかりと履歴も見られてしまってて、認めなくたってもうみんなばれてしまってるのに・・・。なんだか、それを認めてしまったら、なしくずしに私の恥ずかしい秘密が全部知られてしまうような気がして。私は、また首を横に振るばかり。
 彼は、わざとらしく大仰に溜息をついて見せて。
「しかたないね。」
 と、むき出しになった私のお尻を撫でてくる。私はその感触に、さっきだってほとんど隠れるところなんて無かったのに、それでもたった一枚の布地がある事で、どれだけ救われていたのか思い知らされていた。


スパンキング6へ



 さあ、相手が本気で叩き始めたら、どれほどひどい目に会わないといけないか。どんなに我慢しようとして必死に堪えても、最後は結局泣かされてしまいます。だって、叩く方もそれが目当てなんですから。















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    2006

06.13

スパンキング4・泣き顔2

 ガビィン(´^`|||)サッカー負けちゃいましたね。
今日は、くやしくて眠れないかも・・・ρ(σ_σ、)イジイジ・・・


スパンキング・1から読む


 「言えないなら、お仕置きだね。」
 彼の熱い手が、冷たい私のむき出しのお尻を撫で回す。や、やあぁ。叩かないで。叩かないで。あんなに憧れていたのに、いざその場面になったら、頭に血が昇って、おとなしくなんて出来なかった。 
 彼の手がお尻から離れる気配がして、叩かれると思ったとたんにお尻の筋肉がきゅっとつったようになっちゃって、その丸みの部分に彼の掌が打ちつけられる。ぱっちいん。と、激しく肉を打つ音がして、じーんとした痛みにびっくりして振り返ろうとしたけど、全然ダメだった。間をおかないで次の二打目が振り下ろされる。いやぁ。小さく呟くようにしか言えないうちに、また肉を打つ音が響く。
 私・・・ほんとに彼にお尻を叩かれてる。息を飲んで、膝にしがみつく。彼の手が、一定のリズムを刻みながら右へ左へと打ち下ろされる。ジンジンとした痛みがだんだんひどく苛み始めて私は、泣きながら許して許してと呟くばかり・・・・。
 二十回叩いて、彼の手がぴたりと止まった。赤くなって、熱を持ってひりひりとするお尻を、さっきよりもさらに熱くなった彼の手が優しく撫でてくれる。痛みよりも強く妖しい感覚が突き上げてきたうろたえる私の髪の毛に彼の唇が押し付けられた。
「葵。すごくかわいい。僕は、トロトロになりそうだよ。」
 そんなこと。そんなこと言わないで。やだ。やだ。蕩けているのは私の方。触ってもいないのに、足の間はかっかと火照り、彼が撫でるお尻の表面からじわじわと不思議な感覚が拡がっていく。
 ようやく、私の息が落ち着いてきた頃、彼の手がパンティにかかり容赦なく引き下ろし始めた。私は次に何が起きるのか分かって、ひっと声を呑んでのけぞった。


スパンキング5へ


 お尻を叩いてる時って顔が見えないんですよね。それは、ちょっと残念なんです。眉を寄せて泣いている女の子のかわいさと来たら・・・。そんなに、泣くんだったら逃げ出せばいいのに、必死になって我慢してる。そんな女の子のいじらしさが、カーにとってはぐらぐらきちゃうんですよね。


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    2006

06.12

スパンキング3・Women Spanking Men

スパンキング・1から読む

 身動き取れなくなった私のお尻をかさにきた彼の手がまさぐってくる。それから、太腿の方から手を差し入れてスカートをじわじわとめくり上げてくる。今日はもう、お風呂に入ったからストッキングを脱いでしまってて、スカートをまくられたらすぐに薄いパンティだけになってしまう。
 焦った私は、懸命に身体をねじって、彼の手から逃れようとするのに、どうあがいても、彼の締め付ける右足と押さえつける左手から逃れられなくって、悠々と焦らしながらスカートをめくってくる彼のするがまま。彼の目の前に薄い綿ローンのパンティが現れる。裸を見られた事だってあるのに、こんな格好でスカートをまくられると、なんだか妙に悪いことしてたのを見つけられちゃったような後ろめたさにいても立ってもいられなくって、身体をもがかせてしまってかえって彼の身体にお腹をこすりつけてしまう。
 「今度は正直に言えるかな?」
 優しく聞いてくる彼の声は少し擦れて、興奮しているのが分かる。正直になんて言えっこない私は、彼の膝にしがみつくばかり。薄いローンの生地を通して、彼の繊細で長い指がお尻の上をくるくると撫でるのが分かる。足の間が熱くなってきて、彼にそれがばれてしまうのじゃないかと思うと、一層の恥ずかしさにもじもじしないではいられない。
 彼の右手はパンティの足の際の部分をめくりはじめた。右側のふくらみがあらわにされたのが分かる。私は息を飲んで、もっと赤くなってくる顔を必死に伏せて、頭を振るばかり。
「いや。いや。しないで。」
「正直に言える?」
「いや。恥ずかしい。」
 くすくす笑いながら容赦なく左側の布もめくり上げられる。中央をつかんでぎゅっと引っ張ると薄い布地は捻れて紐のようになって、私のお尻のふくらみはすっかり彼の目の下に姿を見せてしまってた。

4へ続く・・




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    2006

06.11

スパンキング2・やっぱり痛いの・・・

スパンキング・1から読む

 彼はベッドの縁へ座って私の身体を膝の上に抱えあげた。こんな事になるなんて、夢にも思っていなかったから、恥ずかしくて身体がこわばるのが自分でも分かる。
「正直に言ってごらん。昨日、お仕置きのサイトを見たでしょう。」
 そういいながら彼の大きな右の掌は、スカートの上から私のお尻を撫で回している。左の掌は私が逃げだそうとした時に押さえつけられるように大きく広げて背中の上にぴったりと押し付けられていた。「Over the Knee」彼の膝の上にお腹をつけてかがみこむ、昔ながらのスパンキングスタイル。もう、逃げられないのは分かってるのに、そんな恥ずかしい事,認められなかった。ただただ赤くなって顔を手で覆って首を振るばかり。
「叩かれないと正直になれないのかな?」
 その瞬間、スカートに包まれた私のお尻を彼の手が強くぶった。私はびくんと跳ねて、彼の膝にしがみつく。そして、ずっとあこがれていたSpankingなのに、びっくりしちゃってあまりの恥ずかしさに、彼の膝の上から降りようとじたばたしてしまった。
 彼の左手が起きようとする私の背中をしっかり押さえつけて、それからバタバタとする私の足を右側の膝と右手が連携して抱えこむ。あっという間に、身動きできないようにされて私はただ喘ぐばかり・・・・。


スパンキング・3へ

 平手でも、ゆがむほどに強く叩けば十分痛い。平手で叩かれるのはやっぱり男性の方が痛いんです。面積も広いし・・・・。だから、女性のスパンカーは、道具でバリエーションを!いや、白樺の鞭なんかしなり具合が最高です。


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    2006

06.10

スパンキング1・のっかってね

「葵、お仕置きしてあげようか。」
 初めて拓哉さんにそう言われた時、私はきょとんとしてたと思う。私がずっと、隠してた、誰にも一度だって教えた事のない秘密。お尻を叩かれることに憧れを抱いてるって事を彼が知ってるはずは無かったから。きょとんとした私をベッドの上でそおっと抱き寄せた拓哉さんは、私の耳たぶに唇を付けて囁いた。
「葵、さっきパソコンの履歴開いたままだっただろう?」
 私は、びっくりして固くなった。恥ずかしさにかあっと身体中が熱くなってくる。昨日、寝る前に見たSpankingサイトの履歴!さっき、新しいソフトの設定をするために、拓哉さんがインターネットにつないで、登録作業を行ってくれた時に見られたんだ。つい、うっかり右側の履歴の欄を開きっぱなしにしてたから、見ようと思わなくっても見えてしまったに違いない。私は赤くなって、思わず彼の腕からもがき出ようとした。
「違うの。あれは・・・。」
「あれは・・・?」
 抱きしめた腕にぎゅっと力を入れられて、逃れられないようにして、首筋にキスしてくる。ぞくぞくと身体中を不思議な感触が駆け巡る。
 あれは・・・。否定する言葉が、宙に浮いて、なんて言えばいいのか冷静に考える事もできない。どうしよう。そう思ったときぐいっとベッドの上に押し倒されて、両手をしっかりと押さえつけられたまま、上から覗き込むようにされてしまった。
「あれは・・・何?」
 恥ずかしさに彼の目をまともに見られない。ぷん、と顔を逸らせて唇を噛むと、彼はふっと笑って、頬に唇を寄せてくる。吐息が甘くかかるほどに近く、私が甘やかな誘惑に抵抗できないでキスされるのを待ち構えるように彼の方を向くと、その唇に軽く羽根のように触れて、そして、もう一度覗き込んできた。
「正直に言わない悪いお嬢さんだね。」
 彼の声にはちょっといじわるな笑い声が滲んでいて、私の心臓は、早鐘のようにドキドキと音をたてている。
「そんな悪い娘はお仕置きしないと・・・・。」
 私は、もう、嘘をつくことも出来ずぎゅっと目を瞑っていやいやと首を振った。

スパンキング2へ


 「ラブスパンキング」は、セックスの刺激剤。お互いに愛撫の合間に、お尻を叩きます。長く続けられるように、セーブスパンキングするのがコツ。お尻が熱くなってくると、感じやすくなるのかしら。叩かれてるのに慣れてくると激しくしても大丈夫に。何の準備も要らないし、遊び心さえあれば入っていけるから、ちょっと試してみるのにいいかも♪










M男性の為のリンク、乗っかってます

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    2006

06.07

お仕置き小説

 まだブログを始めたばかりの頃に取り上げた(過去記事『お灸』)・・・

ナゾマさんの妄想系ストーリーbox(行方不明です)

のナゾマさんから、コメントを戴きましたヾ(@^▽^@)ノ ワーイ
 さやかは、このサイトの「聖女の階段 」が、大好きです。主人公は真百合という少女で聖十字女学園の生徒。シスターを目指しています。シスターになるには、健康な少女達がいだくであろう普通の性欲もご法度。淫魔として退けなくてはならないのです。
 聖十字女学園では、きちんと淫魔を退けられているか、あの手この手のあらゆる方法で試されます。そして、ちょっとでも恥ずかしい兆候が現れていたら、厳しいお仕置きをされてしまうのです。

 では、その試しの方法とはどんなものでしょうか。例えば髪の毛以外の全身を剃られちゃったり、内診台の上で導尿されちゃったり、柔らかい羽毛のような悪魔の尻尾で全身をくすぐられちゃったりします。もちろん、オナニーなんて絶対に禁止です。

 そして、厳しいお仕置きのほうはというと、もちろんさやかの大好きな「鞭打ち」他にも三角木馬のように身体を切り裂くような椅子に座らせられたり、お灸のようなお香を据えられたり、浣腸されちゃったりするんです。


SMとイニシエーション
 
-女たちの戒律と懲罰-




Category: SMノベルズ
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    2006

06.05

ほしのこえ

 「ほしのこえ」という新海誠氏の個人製作のフルデジタルアニメを観てそのノベライズとしての漫画を読みました。

続きを読む・・・・
Category: おしらせ・他
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    2006

06.05

ラブリュイール

お風呂上りの彼の懐に寄りかかって、二人でテレビを見てた。そうしたら彼が、お風呂に入って来なさいって・・・。今、お風呂に入ったら、きっと戻ってきた時、彼は寝ちゃってる。そう思ったから、ちょっと名残惜しくて、ぐずぐずしてたの。そうしたら、彼は、部屋の隅に着物を着るために置いてある姿見をずるずるとベッドの傍へ移動させてから、私の顔を見た。
「お風呂に入っておいで。」
 急にドキドキして少し顔も赤くなっちゃった私は、慌ててお風呂へ。ゆっくりとはつからなかったけど洗うべきところはしっかりと洗ってから大急ぎで髪を乾かして、バスローブだけを羽織って彼のところへ戻った。彼はボクサーパンツにTシャツだけになってベッドの上に寝転んでた。サイドテーブルには、先週買ったラブコスメティックのあれやこれやが箱から出されて並べられていて、自分で買ったくせに何だかちょっと恥ずかしい。
 明るいのは苦手だから、ベッドのそばのオレンジ色の灯りを残して電気を消してもらったの。そうしたら彼は、いつのまにか姿身の上にクリップで挟む照明をつけてて、右側の灯りはベッドの方へ左側の明かりは鏡の方へ向けてあった。それでも蛍光灯の灯りと違って輪の外は暗い。それに助けられてベッドの上によじ登った私はバスローブを脱いだ。

 最初に登場したのはラブリュイール。女の子の為のラブコスメ。えっちの時間がもっと楽しく、ちょっと感じやすくしてくれるための薬。説明書には、あずき大の大きさを指の上に取り出して女性のデリケートゾーンで一番敏感なところにつけ、5分くらいマッサージするって書いてある。
「自分でやってみせて。」
 彼は私を鏡の前に誘導して膝をつかせた。後ろから手を入れて太腿に掛け足をいっぱいに開かせる。甘い香りのラブリュイールを右手の人差し指にとって、ちょっと前かがみになって、円を書くようにマッサージ。トロトロの乳液に近いような白いクリーム。ちょっとつけただけで、すべらかになってくるくると円を描くのもすごく簡単。でも、セックスのために準備をしているところを彼に見られるってすごい恥ずかしい。何だか、それだけで首までまっかになっちゃって、心臓はドキドキ跳ね回ってる。ずっと同じ姿勢で、ずっと同じ動作。聞こえるのはお互いの呼吸音と自分の心臓の音だけ。5分って短いようでものすごく長い。だんだんいたたまれないほどの恥ずかしさが突き上げてきて、鏡なんか見ること出来なくってうつむいてベッドの縁をじっと見つめたまま、固まってた。
 彼は一言も言わないで、身じろぎもしないで私が前かがみになってクリトリスをマッサージしている様子を見ている。
 だんだんあそこが熱くなって来る。さっきよりも気持ちいい。円を描くごとに、ある位置に来るとキュンと快感が走る。呼吸が弾んでくるような気がして、できるだけ息を細くしようとしてた。あとどれくらいなの?もう、恥ずかしいったら・・・。
 クチュ。あそこが引っ張られる水音がしてびっくりして手が止まる。濡れてきてる・・・。
 
 当たり前よね。彼の前で、こんな恥ずかしいことしてるってだけで熱くなってるのに、もう5分近くもクリトリスのマッサージしてるんだもの。今までの人生でこれほどここを念入りにマッサージした事って無かったかも。
「やめちゃだめだ。」
 彼の手がお尻にさわる。びくっとして、また前かがみに戻って同じ作業を繰り返す。円の下のほうへ行くと「クチュ」上のほうへ行くと快感がズキン・・・。
見られてることが拍車を掛けて、興奮を呼び覚ます。

 ようやく5分が終って、私はぺったりお尻をつけて赤い頬を押さえて、息を弾ませてた。そうしたら彼は私の右手をつかむとシャイニングラブローションの出口のところへ当てて、ポンプを三回押した。このローション、形はまさにシャンプーのボトル。出てくるローションもまさにシャンプーのようなとろみ具合。触れ込みどおりのココナッツのようなフルーティな香りが辺りに拡がる。ボディケアにも使えるというこのローション。たくさんつけると後ですべすべするのは、この前のローションプレイでお試しずみだ。
「中指を真ん中に当てて、人差し指と薬指で花びらを挟むようにして。」
 前後に擦るように言われた。濡れているっていったって、ローションを付けると格段にすべりがよくなる。もう一度さっきの姿勢に戻って、ほころんだ花びらの間を二本の指を介添えに中指が行ったり来たり。恥ずかしくって足の開きを小さくしてたら、また後ろから手を入れられて膝の位置を直された。ねぇ、すっごく恥ずかしいんですけど・・・。でも、彼はまたもとの位置に戻って、黙って目を光らせてる。足の間はすっかり火照って、さわらなくてもじんわりと気持ちいい位なのに、ローションつけて擦ってやれば、中の方からも快感がじんわりと拡がって来る。目を閉じて自分の中から込み上げてくるものを味わった。

 やがて彼が身体を起こすと、いつものオルガスターくんをぽこんと差し入れた。しっかりと位置を確かめて、花びらを左右に拡げる。慣れてるから手探りでやってくれるんだけど、いつでもやっぱり恥ずかしい。もう。今日は恥ずかしいことばっかり。

 彼は、ベッドから降りると押入れを開けてバランスボールを取り出して来た。ベッドの上に置くと私の顔と胸をその上に押し付ける。ちょうどボールを支えにして四つんばいになるような格好。こうされると、あまり胸も苦しくないし、身体はボールが支えてくれるからすごく楽。

 パチンとオルガスター君のスイッチが入れられる。中くらいの振動でヴヴヴヴヴヴ・・・。もう、すっかり熱くなっていた私の身体はそれで十分に感じる。彼は、私の横に座ってボールに横向きに顔を乗せてる私をみつめながら、リズミカルにボールを前後に揺らしてくる。お互いにほとんど労力を使わず、ただただボールの揺れに任せて身体を前後に揺らす。気持ちよくってギュッと目を瞑ってしまう。彼は、相変わらず一言も言わずに黙ってボールを揺らせるばかり。やがて十分熱くなってきたのを見計らってお尻を叩き始めた。ボールの揺れにあわせて、一回目の揺れは見送って二回目の揺れで戻ってくる時にお尻をパチンと叩く。ほとんど痛みは無い。ただ、身体の中のオルガスター君に響く刺激があるだけ。パチンパチンと叩かれながら、私はずっとゆらゆらと揺れるばかり。
 だんだんお尻が熱くなってきて、彼は今度はもう少し私の身体をボールに深く乗せる。ちょうどみぞおちがボールの一番高いところに来るように。こうされるとちょっと胸が苦しい。太腿の内側がボールのぴったり当たるように膝を開いて押し付けるようにされる。
 すごく恥ずかしい格好になっちゃう。やだ。ちょっと私が抵抗したので彼は後ろからぴったりとお尻に覆いかぶさって来た。この姿勢だと彼に見えるのは私の頭の後ろと背中だけ。恥ずかしいけど見られてるわけじゃないから妥協して、また彼がボールを揺らすのに任せる。さっきよりも深い所に、オルガスター君の頭がしっかりと押し付けられる。さっきよりも強い快感が身体が前のめりになるたびに突き上がってくる。
 でも、これだけじゃどうにもいけない。それは、彼も分かってるから、くるりと私をひっくり返して仰向けに押し倒した。ボールを押しやって床に落としぽんぽんと跳ねて遠ざかるのに任せる。足首を交差させると、腰紐をくるりと巻きつけて縛る。ぐいっとのしかかってくると、もう、入っているのが彼なのかオルガスター君なのか分からない。腰をひょいっと持ち上げると枕を押し込んでお尻を上げさせて、今度は自分の力で揺らし始める。
 うねりが大きく押し寄せて来た。いきそう・・・でも、ちょっと越えられない。すごく感じてるのにどこかもどかしい。彼はしばらく励んでいたけど、私が困ってるのに気がついた。いったん私の身体の上から降りるとパッパッと、服を脱いでしまう。サイドテーブルからスキンを取り上げると私に渡してくる。いつもの手順でくるくると被せると、あっという間にもとの姿勢に戻された。そして、ゆっくりと押し入ってくる。



 本当は、そこまで熱くなってると、彼なのかオルガスター君なのか区別がつかなくなってくる。それなのにやっぱりどこか違うんだろう。ほとんど時間をかけなかったのにあっという間に波にさらわれてしまい、それまで、ほとんど刺激を受けていなかった彼は合わせるのに苦労したみたい。しばらくお互いの喘ぎを確かめ合いながらぎゅっと抱きしめあってたけど、いつもの通りに彼の方が先に立ち直って枕を外して足の腰紐をほどいてくれた。タオルで足の間を拭ってくれてゴロンと転がるともう、いつもの静かな彼・・・・。
 私は手を伸ばしてスキンを外して彼の身体もタオルで拭った。少し咥えてちゅくちゅく吸って、彼の身体を跳ねさせて遊ぶ。
「こら、もう終わり。」

 ほんとは、まだ終りたくない。ラブリュイールのせいか、身体の芯が、まだ火照ってた。でも、明日も彼は仕事だもんね。とりあえずはぎゅっと抱きついてから、彼が布団へ移動するのを見送った。私のベッドで二人寝たらお互いに明日からだが痛い。一緒に寝るのは、彼の部屋での楽しみに取っておこう。あっという間に寝てしまった彼の寝息を聞きながら、掛け布団を引き寄せて目を瞑った。
Category: 物語
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    2006

06.01

むかしむかしあるところに・・・


 むかしむかし、大陸が二つに分かれていて、間を大きな海で隔てられていた頃に、北の国を狼と呼ばれた年長の王が、南の国を虎と呼ばれた若い王が治めておりました。

 北の国の王には賢くおだやかな黒髪の跡取りの王子と気高く美しい妹の姫君があらせられました。この姫君は、この国の行く末を占ったり、人の心を読んだりする不思議な力を持っておりました。この力を持つ娘を、この国では「星の娘」と呼び、神の力を世に顕す尊い娘として、神殿の礎として敬い奉りたてておりました。この国では神殿の力は非常に強く、国を支える両輪のひとつとして民に尊ばれていたのです。

 代々の星の娘達の力の強い者が、一年に一度、門の役目となる男を通して、国の未来を占うのがしきたりでありました。門の役目の男は、星の娘達がまだ幼い頃から、その相手役として選ばれ、占いの日までに心と体を鍛え、神の道に精進するのが習わしでありました。と、いうのも、門のお役目は非常に苦痛を伴うもので、なまなかな覚悟で臨めば、その心の蔵が止まってしまうこともあったからなのです。

 しかし、狼の王は、これを嬉しく想っておりませんでした。狼の王は、王こそが国の頂点に立つべき国の仕組みを作りたかったのです。そのためには、力の強い星の娘はじゃまな存在でありました。王は、このしきたりをただの習慣として、飾りモノとして、衰退させていきたかったのです。王のただ一人の愛娘であった姫君の力は今までにないほど強く、王はこのまま姫君を星の娘とするのを憂いておりました。そこで、王は娘の力を指輪で封じ、彼女を南の国との末永く続く和の礎のためにと称して、外つ国に嫁がせることにしたのです。

 しかし、彼女はその結婚を喜びませんでした。彼女には、ただ一度と思い定めた、恋をしていたのです。その相手は幼い頃から門として定められていた男でした。その男は、物心がつく頃から王子の遊び相手として王宮に上がり、姫も交えて3人共に遊び戯れた、第一の大臣の息子でありました。

 どういう運命のいたずらが働いたのか、ちょうどその頃、第一の大臣は大病を患い、亡くなってしまいました。大臣の息子は父の跡を継ぎ家を支えていかなくてはならなくなりました。若い彼には、老獪な王に逆らう術はありませんでした。国のために姫を説得するように命じられた彼は、王の言葉に従い、泣く泣く姫君に外つ国へ嫁いでいくように言うしかなかったのです。

「あなたのしあわせのために、この国の未来のために。」

 姫君は男の裏切りをののしり、呪いました。愛する娘の冷たい言葉に打たれて、男は苦しみましたが、もう術はなく彼女が力を指輪に封じられて嫁いでいくのを見送るしかありませんでした。

 狼の王のただ一人の跡取りであり、姫君の兄でもあった王子は、父王に向かって願いました。
「妹の力こそは、国を救うかも知れぬ奇跡でありますのに、なぜに手放されようとなさるのか。」
 王は、首を振るだけでありました。触れるだけで、人の心を読む事の出来る姫君の力は、王にとっては、決して都合が良いものだけではありませんでした。姫はまだ若く、嘘を許せないご様子でした。そして、たくまぬ娘の言葉にこの国の人々は、右往左往するのでありました。何しろ誰も姫には嘘をつくことが出来ません。
 この上に娘が成人して、男を門として、未来を知るようになれば、王家の娘でもある姫の力は王国において絶大なものになってしまい、王の目指す政治は立ち行かなくなってしまうと考えておられました。

 姫を失う事は、男にとっては、地獄の苦しみでありました。門として片時も離れず、姫に心を沿うようにして大人になった彼は、半身を引きちぎられるような苦痛を堪え忍ばなければなりませんでした。
 また、使節として姫の婚礼の供をした立場から、愛する娘が他の男の腕に抱かれる様を目の当たりにせねばなりませんでした。
 そのうえに、姫から決して許さぬとののしられた時、その言霊の力に男の心は切り裂かれ、血があふれました。その傷はいつまでも癒えず男を苦しみに苛み続けました。




 嫁いでいった姫君は、たいそう美しくたおやかな娘でありました。 この姫を得た若い虎の王は、非常にまっすぐで猛々しい王でありましたが、姫君を誰よりも大切に慈しみ、大事に守られましたので、頑なにしておりました姫君もやがて、心を開いて夫に添うてゆくようになりました。

 そうして、三年が経ち、王妃となられた姫君がますます美しく女らしくなられると、誰が見ても二人は似合いの夫婦になり、次は跡継ぎの誕生を待つばかりと囁かれておりました。しかし、運命はそのような良き明日を二人のために用意してはくれませんでした。

 悲劇が起こり、若き虎は、姫君の目の前で、王宮に忍び込んだ謀反の心を持った怪しき者の凶刃に、尊き命を散らしてしまわれたのです。姫君は嘆き悲しみましたが、失われた命は戻って参りません。跡継ぎがなかったために、南の国は、王の弟が跡を継ぐことになり、まだ若かった姫君は国に帰されることになってしまったのでした。




 さて、そのころ北の国では狼と呼ばれた偉大な王を去年亡くし、その息子の王子が鷹と呼ばれて新しき王になっておりました。そして男は、その王のかけがえのない片腕として国の政務を司る第一の大臣となって国政に力を振るっておりました。しかし、表に見られる賢き強さとは裏腹に、その心は傷つき血を流したままでありました。夜毎に虎に抱かれる姫君の姿を想い、切り裂かれるような妬みに耐えていたのでありました。

 その耳に、若き虎の悲報はどれ程の甘露として聞こえた事か。姫君の帰還を知り、男はその愛しい姿をまた見れるその日を待ち焦がれておりました。鷹の王も、気持ちは同じでありました。三年前、父親の命とはいえ、大事な友がどれ程の煮え湯を飲まされ、その後も苦しみ続けておりましたかよく知っておられました王は、友である第一の大臣のためにも、妹の帰りを待ち望んでいたのです。

 やがて、港に船が現れました。すべての人が姫君の美しきこと、そして星の娘としての力の強きことを覚えておりましたので、喜びに満ちてその帰りを仰ぎ見たのでありました。
 人々の歓呼の中、姫君は王に挨拶をなされました。そして、立ち並ぶ迎えの人々にも。
 けれど姫君は男の姿を見ようとはなされませんでした。まるで、その人の姿がそこに無いかのように、まったくその瞳に映ってはおらぬかのように振舞われたのです。

 男は、その事実に打ちのめされました。
「どのような事があろうとも、決して決してお前を許しはしない。」
 姫君があの時、彼に放たれた言葉のとおりに、お気持ちを変えてはおられないことが男にも分かったのでした。嫁ぐようにと勧めた言葉は、王の命によるものであり、彼にとっては血を吐くような思いで紡がれたものでありました。心を読む力を持つ姫君に、決して触れられないように用心してなされたたくらみではありましたが、姫君とて決して男の気持ちに気付かぬ訳ではなかったのです。
 しかし、力を封じられた屈辱、国を負われた悲しみを他の誰にぶつければよかったのでしょう。また、力を封じられていたために救えなかったい愛しい夫への想いが、幾重にも姫君の心を傷つけて、かつては我が命とも思った男を、呪わずにはいられなかったのでありました。





 その日から、男にとって、今まで以上の苦しみの日々が始まりました。決して自分を見ず、決して笑いかけてはくれぬ愛しい姫が他の男には微笑み、言葉をかけ、場合によってはその御手に口付けを許す様をつぶさに見なくてはならなくなったのです。
 男は、ただただ黙って耐え忍ぶほかはありませんでした。姫を思いのままに抱く夫の腕の中にいると分かっていた三年間の苦しみを思えば、たとえ憎まれてはいても、その姿を見ることが適った今の苦しみの方がどれ程に良いか。男は自分にそう言い聞かせ、姫のつれない仕打ちにも、歯を食いしばって耐えておりました。
 しかし、長年の癒えていなかった傷はますます深まり、彼の身の内を削るような努力にもかかわらず、彼の姿は痛々しく、やつれていくのでありました。

 鷹の王は、この事に悩み惑われておりました。妹が嫁いでいった折、同じように手をこまねいて見送ったことは、この王にとっても立場は同じ。説得を引き受けざるを得なかった男の苦しみを、ずっと見ておりましたから、何とかして二人の和解をと望んでおりました。そのため、機会があるごとに妹姫に慈悲を請うては、はねつけられることもあらせられました。しかしお優しい王のこと、姫君の白玉のような涙を見ると、強くなじることのできぬ兄上でいらしたのでした。

 男は政務のひとつとして姫君に、お会いになる折もあり、書面を作ったり、その書面に署名をいただいたりする役目を果たされる時もございました。最初の対面のときと違い、兄君の口添えもあって、姫君は、礼こそ失するようなお振る舞いに及ぶことはありませんでしたが、決してその瞳に男の姿が見えている事を認めるようなそぶりも見せられませんでした。手と手が重なり合うその瞬間さえも、その手は冷たく、冷え冷えと男を拒絶する意志に満ちていたのでありました。

 男は、それでも、国の支えとして国政へ力を尽くしておりましたが、ある日、城の中庭で若い貴族の求婚を受けながら婀娜に美しく笑う姫君を遠目に見た瞬間、その心の芯はぷっつりと切れてしまわれたのでした。どんなに願っても、どんなに恋焦がれても、自分にその視線が注がれることは無く、微笑が向けられることは無いのだという事実は、門として生い育った彼にとって、どれほどの苦しみだったことでありましょうか。

 館に戻り、衣を脱ぎ、一人暖炉の前で酒をかたむける男は、疲れ果て傷つき気力を失い尽くしておりました。その目に机の上に飾られた一振りの短剣が美しく飛び込んできたのです。
「痛みは一瞬でしかない。その一瞬でこの苦しみから逃れられることが出来る。」
 長い長い苦しみの時が、男を支配して、正しく物を考えられるような状態では無くなっていたのです。男が自らの命を縮めようと短剣に手を伸ばしたその瞬間・・・・。

 その手は、姫君のしっかりした手に押さえられておりました。男は虚けたように姫君を見つめられました。そして、帰国して初めて、姫君もまたしっかりと男の姿を見つめられたのです。
「どうしてここに?」
 やっと我に帰った男は姫君に尋ねられました。しかし、尋ねるまでもなかったのでした。
 王宮の自室にやすまれているはずの姫君が、今この時、この瞬間に、この場所に現れた問いの答えは、ただひとつだけだったからです。
 姫君は指輪をしておられなかったのです。
 男は驚きました。その指輪は、神官達が固く姫君の力を封ずるために、大掛かりな儀式を行い、力を尽くしてその指に纏わせた物だったからです。その指輪が外されたということは、姫君は神殿の力をすべて合わせたよりも強い力を持ってらしたことになります。
「いったいいつ・・・封じを解かれたのです。」
「夫の王が亡くなられた時。私は運命に従順であるのをやめたのです。」
 それは、男にとっては、恐ろしい事実でありました。封じの解けた姫君は、触れることで人の心を読むことの出来る力を持っておりました。姫君が帰ってきてから、それは数えるほどの回数ではありましたが、男と姫君の手は重なり合うことがあったのです。
 男は血相を変えて、姫君の手を振り払いました。なぜなら、男の心は姫君を慕うあまりに、妬みと苦しみに満ちていたからです。そのすべてを知られてしまうということは、男にとってはまた別の意味で耐えられぬことでありました。平気な振りをすることだけをよすがに、ここまで耐えてきたのです。

「私の恨みを置き捨てて、一人、自由になるつもりですか。」

 男は姫君の言葉に愕然としました。生きて冷たい仕打ちに耐えてこそ、姫君にとって男の存在があるのだと言われれば,それに背を向けて、去っていくことは許されぬことでありました。男はただただ、その苦しみをその身に甘受して見せる他、道を断たれてしまったのでありました。姫君は、ただ冷たい視線だけを男に残し、バルコニーの影から消え失せました。

 男は死を選ぶ事が出来なくなってしまいました。ますます、その身を削り、足を引きずるようにして伺候するしか他はありませんでした。男の視線は人目をかえりみず、姫君の姿を追い求めるようになりました。その瞳は誰が見ても飢えたような心の苦しみを映し、暗く、それでいて、かけがえの無いものに恋焦がれる、痛々しい切なさをたたえておりました。





 そんなある日のことです。神殿から使いが送られて来ました。やがては一年に一度の王国の未来を占う日が近づいておりました。神殿のうちで現在の星の娘を勤めているのは神殿の巫女でありました。巫女は、神官の一人を門として、勤めを果たしてきていたのですが、ある恐ろしい夢を見たことで、今年の儀式は事の外、力が必要だと神官達に訴えたのでした。

「姫君こそは、この国一のお方。あの方の封じを解き、未来を占っていただくことこそがこの国を栄えさせることの出来る随一の方法でありましょう。」
 神官たちは口々に王へ訴えます。姫君の封じを解き、神官の一人を門として今年の儀式を執り行うように説得いただけないかと・・・。
 その言葉を聞いて、男は顔色を変えました。力を封じられる前に姫君の門と定められていたのは男自身だったからです。しかし、星の娘の門となる事は、この世のものとも思われぬほどの苦痛を耐え忍ばなくてはなりません。耐え切れず、命のつきる門の役目の者も一人、二人ではありませんでした。国の要となるべき一の大臣が勤められる役目ではありません。
 しかし、男にとっては、その役目を人の手に渡すなど、とてもとても、うべなえるものではありませんでした。娘の門となる事は、ただ現世の契りを交わすよりも、ずっと深い結びつきが無ければ出来ないことだったからです。愛しい人が、他の男の胸の中をくぐることになる事こそは、男にとってはどうしても見過ごせる事ではなかったのです。

「たとえ国を傾けても。」

 思わず飛び出した言葉は、国にとっては叛逆と捉えられても仕方の無いものでありました。血相を変えて詰め寄る神官たちを王は遮り、
「姫が引き受けない限りは、門を選ぶことも出来ぬ。」
と、いったんみなを下がらせました。
 ともに苦楽を共にし、その苦しみを癒すことも出来ず、ただただ見守ってきた王は、男の心情は痛いほどに良く分かっておりましたから、男を一言も責めたりはなされませんでした。しかし、儀式によって男を失うことは、王にとっても大きな痛手でありました。父王が無くなってから、国政を滞りなく行ってこれたのも、この男の力が大きかったのでした。

 王は、帳をくぐって、一人、姫君を訪ねていきました。

 姫君は、話を聞くと、静かな瞳で兄王を見つめ、時間をくれるように頼まれました。儀式の日まではもうあまり時がありませんでした。王は苦渋の決断をなされ、三日待つことを約束されました。




 その夜、狂おしい想いに耐え切れなくなった男は、王宮の庭をそぞろ歩いておりました。いいえ、男は知っていたのです。高い塀や石垣や池に遮られ、誰も入り込めぬ奥宮の姫君の部屋の灯りを、見ることの出来る場所が、庭にはただ一箇所あったのです。ただただ、その灯を遠くに見るだけでも・・・・。切ない想いの吐露でありました。その場所に立ち、橙色の灯火を見つめて男は泣きました。

 その時です。その灯りをさえぎるように、姫君の影が窓際に現れました。そして、その一瞬後には男のそばに佇んでおられたのです。身を切られるような想いを込めてひたすら見つめてくる男に姫君は静かにおっしゃられました。
「王宮の奥の御社に供をするように。」
 男は黙って顔を伏せ、付き従いました。

 社の内に入りたまわると、姫君は灯心に灯を移し、四隅に置き祝詞を唱えられました。外から何人も入れぬようになさったのでした。そして、尚も言葉を紡がれました。男はその後ろに跪き、ひたすら自らの心の内を澄まして、じっと待っておりました。姫君が何をなさろうとするか悟ったのでした。姫君は男の胸に門を開こうとなされていたのでした。
 儀式の場合、星の娘も、門を勤める人間も、二週間の潔斎と多くの神官たちの祈りの力添えを持って門を開くのです。誰の力も借りず、お互いの身も清めずに「こと」に及ぶことはいっそうの危険を招く事でもありました。しかし、男は、一切迷いませんでした。永きに渡った苦しみを凌ぐ喜びの時が今こそ、訪れたのですから。
 男は粛々とその身を姫の手の元に差し出し、わが身の衣を引き裂きました。姫君の祝詞が事の外高くなったその瞬間、姫君の手が男の胸の中に吸い込まれました。

 苦痛が男を切り開きました。姫の手は、誰も想像しえぬほどに惨く、そして恐ろしいうねりを伴って男を打ち据えました。それは、姫君の力が今までの星の娘たちの誰よりも大きい証でもありました。男は目を血走らせ、歯を喰いしばってその苦痛を身の内に引き入れました。姫の姿があっという間に男の胸の中に飲み込まれました。

 姫は門をくぐったのです。

 男の体が苦痛にもだえました。冷や汗に濡れ、ゆがんだ面を涙が洗いました。あまりの苦痛に気が遠くなっていきます。
 しかし、男は我と我が身に爪を立てて踏みとどまりました。男が意識を失えば、姫は帰る門を失い、時の渡りから戻れなくなるのです。
 男にとっては、肉体の苦痛など問題になりませんでした。この長い年月に耐え忍んだ苦しみに比べれば、彼女を身の内に引き入れる喜びに比べれば。その瞬間、だれよりも姫君は男とひとつであり、誰にも分かちがたくひとつに解け合っていたからです。

 身をよじらせ、一刻、一刻を血を吐くようにして持ちこたえている男に、愛する娘が近づく気配が伝わってきます。彼女がもう一度現世に姿を現すまで、耐え切らねばなりません。男は、覚えずに祭壇にかかる短剣に手を伸ばしました。

 その時、男の耳に亡くなった父の言葉が聞こえてきました。
「身の内を駆け抜ける苦痛は、何物にも代えがたい喜び。生涯にただひとつの愛の証。」
 彼の父も、門として仕えた星の娘を妻に迎えた一人でした。そして、その母の腹から産まれ育った男でありました。男は、意識を保つために我が脚に短剣を突き立てました。
 次の瞬間、ひときわ大きなうねりが襲い掛かり、男の絶叫が響く中に、時を渡って帰り来た姫が降り立ちました。その姿を認めた男は、もう耐え切れず崩れ落ちました。

 姫君は男の傍に膝を付かれ、自ら手を伸ばされて男の脚に突き刺さった短剣を抜き取られました。血があふれ出ましたが、その傷に姫が唇を付けられると、血はたちどころに止まりました。それから姫君は男の顔を捉え仰向けになさいました。
 男の目に、男の血を赤く唇に宿した、愛しい娘の顔が霞んで映りました。娘は静かに顔をうつむけて、男の唇に唇をを合わされたのでした。

「我が愛しい人よ。我が力を受け止める事のできる、ただ一人の門を開き得る人よ。私の呪いは解かれ、憎しみはついえた。そなたの死ぬほどの苦しみの内に。」

 男は微笑みました。体が接している以上、何も言わなくても自分の想いが姫君に伝わっていることは、分かっておりましたから。あの懐かしい日々に彼女の手を離した日から・・・長き苦しみを経て、ようやく男は恥じる事無く娘にその身をゆだねる事が出来たのでした。

そうして、二人は結ばれました。昔々の事であります。



Men in Pain
Category: 物語
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