2006
恥ずかしいの 6
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手術そのものも恥ずかしかったけれど、時間的にはあっという間だった。一番時間がかかったのは消毒だったが、手馴れた看護婦の手でてきぱきと機械的に進められ、まるで自分が物になったような気分でいるうちにどんどんと進んでいった。局所麻酔だったので針が入ってくるのが怖くてその時だけは心愛も震えた。痛い!飛び上がるほど痛かったけど、恥ずかしいのに比べれば何ほどでもない。麻酔が効いてくるのまで同じ姿勢で待つのも、すっぽりと身体全体にシーツを被せてもらえたので耐えられた。麻痺した身体に医者が何をしたのかもはっきりわからなかった。すぐにガーゼが当てられ絆創膏で止められた。終ったんだ。嬉しい。もう、これで終わり。後は検査の結果を待って退院すれば終わり。安心感から心愛は眠くなってきた。昨日、不安から一晩中眠れなかったのだ。ベッドには歩いて戻った。麻酔のせいで歩き方はぎこちなかったけれどみんなに拍手と良かったねという笑顔で迎えられた心愛は、心底安心してベッドにぱふんと乗るとぐっすりと眠った。
心愛の安心感は、夜中に悪鬼に揺すられて目が覚めたことで終わりになった。
「はいい?何でしょうか。」
眠くてぼんやりした頭で、何が起きているのか分からない。
「心愛さん。導尿やから、起きて。」
「導尿?」
わからなかった言葉がだんだんと形を成して心愛の胸に染み込んできた。
「どうにょうおおおおおおぉ!?」
「しっ!」
悪鬼看護士は慌ててしまい、思わず心愛の口をふさいだが、すでに遅く、部屋中の人間が目を覚ましてしまい。もぞもぞと布団から顔を上げた。心愛はくちをぱくぱくさせながら、悪鬼の腕の中で手をバタバタさせている。頭の中を「導尿」という言葉だけがグルグルぐるぐると回っている。悪鬼看護士は心愛の口をふさいでいた手をゆっくり離して立ち上がった。すでに部屋の全員が興味津々の様子でこっちを伺っている。正直、今回は誰も起こすつもりが無かった悪鬼は、内心ではちょっと残念に思いながらもカーテンを閉めた。心愛はすでにベッドの上で後ずさっている。
「導尿なんて、ひ、必要ありません!あ、あたし。平気ですから。」
悪鬼は、ため息をつくと、おもむろに手を伸ばして心愛の下腹を押さえた。
「あん!」
「苦しくない?」
涙目の心愛は、激しくうなずく。気が付くとしたお腹はパンパンになっていた。
「じ、自分でトイレに行ってきます。歩けるんですから。」
「わかった。じゃ、ここで待ってるから。」
あんなにいじわるだった悪鬼看護士のあっさりとした許しに心愛は目をぱちくりさせたが、気持ちを変えられたら大変と大急ぎでカーデガンを羽織って、スリッパをパタパタ言わせて出て行った。
はあああ。悪鬼は思わず大きなため息をついた。やりすぎたかなぁ。最初の浣腸の時あんまり可愛くって、ついつい、いじめすぎたような気がする。
おまけに、内診でどうやらひどい目にあったようだ。患者をいじめるのは自分一人の特権と思っていた悪鬼は、若い医者の集団ゆえの無節操さに腹立たしく思っていた。可愛い心愛が大好きになってきていたので嫉妬を感じているのに、義憤に駆られているのだと思い込んでいる。自分はそれを上回る事をやっているという「自覚」も、まったくなかった。それどころか、自分は身体を張って心愛のことを可愛がっていると思い込んでいた。心愛が自分がかけてやってる念入りな愛情と医者のからかいを同一視してるかと思うとますます腹立たしい。
随分長い時間が経っても心愛は戻ってこない。しかし、心愛がトイレで出ないおしっこに必死になってるだろうことを知っていた悪鬼は、ベッドの横の椅子に座ったままじっと待っている。やがて、しょんぼりした様子で心愛は戻ってきた。
「出た?」
困ったような、泣きそうな様子で首を振る。
「分かったやろ。導尿しようね。」
「導尿なんて、いや。」
「うん。でも、おしっこ出してやらないと、膀胱が破裂しちゃうよ・・・。」
心愛は、手放しでぽろぽろと泣いた。安心しきっていたところを不意打ちにされて、しかも、本当にどうしようもないことが分かったから、妙に素直に泣けてきて止まらなかった。悪鬼看護士は、そっと手を伸ばして心愛を自分の胸に抱きしめた。背中をさすってやって、身体を揺すってやって、髪をすいてやって・・・・ついにがまんできず髪に唇を押し付けた。心愛は一瞬ビクッと身体を固くしたが、段々と心が解けるように身体もやわらかくなってきた。
「ね。いいやろ。痛みと麻酔で麻痺してるんや。だからうまく出ないんや。」
心愛は、こっくりうなずいた。
また、エネマシーツの登場である。心愛は、今日は前合わせの病衣を着ているので、T字体を緩めるだけだ。いつもの姿勢でベッドに横に寝て閉じた足を開いていく。ゆっくりと足を開きながら、心愛は今までとはまったく違う羞恥に襲われていた。どこか甘い、嬉しい恥ずかしさ。そして自分がそんな気持ちでいることに、さらに恥ずかしさを感じる。
悪鬼看護士は自分の手や指を念入りに消毒する。それから開かれた心愛の足の間へベッドサイドの明かりを向ける。
「は、恥ずかしい。」
思わず両手で顔を覆う心愛。
「ごめん。よく見えないと危ぶないんや・・・・。」
膝を両手で押してしっかりと開かせる。消毒綿で性器の周りから念入りに拭く。何度も消毒綿を変えて最後はクリトリスの周囲も念入りに拭いた。尿道口が見えるようにしっかりと陰唇を拡げる。心愛が息を呑むのがわかった。
あ、あ、見られてる。そんなとこ見られちゃってる。身体全体から力が抜け落ちていくような恥ずかしさ。やがて、尿道口にカテーテルが差し入れられた。
「いた。」
小さい傷しかないとはいえ、その辺りは全体的にはれぼったくなっていて、カテーテルが入ってくると痛みがあった。
「ちゃんと、たっぷりグリセリンつけてあるから、そんなに痛くないと思うんやけど・・・。」
んんんんん。いやいやと心愛が手で覆ったままの首を左右に振る。少しづつカテーテルを送り込む。4センチぐらい入ったところで何かに突き当たる。少し力を込めるとぶつっと膀胱へ抜けた手ごたえがあって間の反対側に付いたバルーンが膨らみ始めた。
「ああ。」
早く。早く終って。早く。感覚が無くて限界まで溜まっていた尿はなかなか終わりにならない。心愛は羞恥にくねくねと身体を揺すった。こんなの・・・いや、.恥ずかしすぎる。でも、それと一緒になんだか胸に甘酸っぱいような喜びが込み上げてくる。いや。こんな。こんな。私、どうしちゃったの?
やがて悪鬼がクリップでカテーテルを挟むと
「終わったから、抜くよ。」
と、囁いた。心愛は声も無くただうなずく。ずずずずっつっと管が抜けていく不気味な感覚。あっ。あっ。と、甘く喘ぐ心愛。管が完全に抜けると、悪鬼は改めて新しい消毒綿で尿道口の周囲を念入りに消毒した。心愛は思わず腰をもたげて、その手に自分を押し付けてしまった。あ、やだ!あたし・・・・恥ずかしい。なんてことしちゃったの。と、思わず悪鬼を見た瞬間。
・・・・心愛は硬直した。
自分の開いた股の間にかがみこんでいる悪鬼の頭の後ろにカーテンを開いてにっこりと覗き込んでいる同室の入院患者の五つの頭を見つけて。
「いやああああああああ!!!!」
心愛は思わず病院中に響き渡る大声で叫んでしまっていた。
「でも、悪鬼さん。退院したらデートする約束したんでしょ?」
心愛が退院した後のベッドをいそいそと片付けているのを見て、さやかはやっかみ半分で訊いてみた。悪鬼看護士は真っ白い歯をにかっとみせてブイサインした。
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「心愛(ここあ)の日記」
高級M女クラブ隷花~M女の集い~
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SM川柳
