2006
恥ずかしいの 1
みゆきがいるのは、6人用の大部屋。真ん中のベッド。左右はみゆきよりももっと大人のお姉さん。反対側の入り口側のベッドは子供がいるお母さん。向かい側の真ん中は、みゆきより年下の女の子みほちゃん。そして一番窓側はみゆきの仲良しのさやかお姉さんのベッドだった。
今日の回診の時に先生はみゆきのお腹を抑えて、首をかしげた。
「うーん、ちょっと張ってるかな。この間便通があったのはいつ?」
「先生、実は入院してからみゆきさんは一度もしてないんです。」
「そう、じゃ、今日は浣腸をしてもらってね。」
みゆきはびっくりして、先生の顔と看護婦さんの顔を交互に見た。浣腸?そんなにあっさりと簡単に言わないで欲しい。みゆきは浣腸なんかしたことがない。便秘になったのも今度が初めてだ。ちょっとお腹が苦しいと思っていたけど、そのうちに出るだろうと、簡単に考えていた。先生はみゆきのびっくり顔をあっさりと無視して次のベッドに廻って行った。みゆきには、反論する余地も、何もなく・・・。
「ふふふふ。みゆきちゃん浣腸は初めて?」
先生が、部屋から出て行くと斜め向かいのベッドのさやかお姉さんが、聞いてくる。あん。やだ。そんなに大きな声で言わないで。みゆきは真っ赤になっていた。みんながこっちを見ている。みゆきは慌てて布団の中に潜った。心臓がドキドキして、不安だった。どうしよう。どうしよう。なんとかしないですませられないかしら。
その時、さっきの看護婦さんが戻ってきた。銀色のトレイの上に大きな注射器の乗った嚢盆とおまるが乗っている。それを見てみゆきは、初めて事の重大さに気がついた。看護婦さんはサアッと周囲のカーテンを閉めて、サイドテーブルの引き出し式の台を出すとそこへ嚢盆を置いた。
「こ、ここでするんですか?」
みゆきの声は思わず震えていた。看護婦さんはにっこりと笑った。
「四つんばいになってお尻を私のほうへ向けて・・・。」
みゆきは血の気が引くのを感じた。嘘。嘘でしょ。全員女性とはいえ、部屋の中にはみゆき以外に5人の患者がいるのだ。看護婦の声ははっきりとしていて大きく、きっと筒抜けだ。体全体が恥ずかしさでかあっと熱くなり、次には顔がほてってくるのが分かった。
「さあ、早く。」
看護婦は有無を言わさずにみゆきを引き起こした。みゆきはどこか逃げ出すところは無いかと左右を見廻したが、ぐるりはうす緑のカーテンがあるばかり。カーテンの向こう側ではひそとも音がしない。みんな、カーテンの中で何が行われているのか知っていて聞き耳を立てているのが明らかだった。
嫌。こんなところで浣腸されるの嫌。心の中で必死に叫んでいたけど、看護婦さんのてきぱきと手際よくみゆきの姿勢をお尻をベッドの横へ向けて四つんばいにしてしまった。
本当は、患者に羞恥心を与えないように横向き寝たままするのが普通なのだか、みゆきは浣腸については全く知識が無かった。自分のとらされている姿勢についても疑問の持ちようが無く、ただただ恥ずかしいばかりだった。看護婦さんは、両手でべろっと彼女のパジャマとショーツを引き剥くとあっという間に足から抜いてしまった。つまり、みゆきは下半身はすっぽんぽんにされてしまったのだ。
みゆきちゃんの入院している部屋に一緒に入院したい人は手を挙げて!早い者勝ちなのだ。(*'‐'*) ウフフフ♪
続く
