2018

04.17

おしおき自販機

テーマ
「2018年8月
東京23区のどこか
あなた
偶然の出会い
そして
見つからない
しかし 」


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 あの娘、さっきもすれ違った。
 丸いくるみボタンが三つついた前開きの白いノースリーブのブラウス。くるりと丸い衿がほとんど素顔のような化粧の薄い頬に似合っていた。赤い八枚はぎのフレアスカートが角を曲がる時にふわりと広がる。学生のような白い三つ折りソックスにリーガルのローファー。そして、高い位置でくくられたポニーテールに赤いリボン。汚れない肌色のようなトートバックからは、隠すこともなく、見慣れた道具の取っ手が見えている。鞭やパドルを作らせたら業界では知らぬ者のないブランドの間違いようのない取っ手。分からないものには分からない。けれど、分かるものには分かる仲間の印。
 少女のようだ。本当の少女ではないけれど、一見すると十代のようにみえる。まつげの長い大きな瞳が白目との境をくっきりさせてキラキラ光っていた。だが、くるりと方向転換する時にまとわりつくスカートが浮かび上がらせるヒップのラインは、彼女はもう少女ではないと告げていた。
 一番高い位置に昇った太陽が、彼女の足元の影を小さくして真っ白な陽射しの中なにもかもをくっきりと照らし出している。住宅街のわずかな傾斜の坂道が、夏の暑さにすっかりまいっている中年の私の足を重くしていて、軽やかに坂を降っていく彼女に追いつくすべもなかった。

 ため息をついて、先週のオフ会で集まった、さえない仲間内でこっそりと回されていた四角いメモを開いた。もう一度道順を確認する。メモは、薄い色の鉛筆で書かれ、その線は細く頼りなく、何度たどり直しても、目的の風俗店を見つけることは出来なかった。
 そんなもの本当にあるわけ無いだろう。大方の友人は懐疑的で、それでも、そのメモは廃棄されず、何度も何度も色んな場所で回されて来たらしい。
 薄暗い照明の場末の飲み屋で、本当の欲求を押し隠しながら、もてない人生を歩いてきたネットの友人たちは、そのメモを投げ出すと諦めたように安い焼酎をあおった。
「誰もその場所に行ってみたこと無いのかい?」
 私のおずおずとした質問に、いい加減酒の回った友人たちは、手を振り笑った。
「そもそもこの駅っていうのはどこの駅なんだい?東京二十三区の中だって言うんだけど、それが分からなきゃ探しようがないだろう。雲を掴むような話で、ネバーランドを探しているようなもんさ」
 私は、そっと周囲の友人の顔を盗み見た。私はその駅の名前を知っていた。いや、そのメモの駅がそこだと確信があったわけではなかった。ずっと昔に、この世界の重鎮とまで言われた先達の男性と話した時に、あの辺りにそういう場所があるという噂を聞かされた記憶があったのだ。それとこれを足し合わせて、私は、今、その店を探すためにこの道を歩いていた。
 やっぱり夢物語なのだろうか。周囲は高い塀をはりめぐらせた住宅地でとても風俗店が存在するとは思えなかった。同じ角をもう一度曲がった時、登っていったはずのさっきの女性がくだってくるのが見えた。
 声をかけるのは今しかない。
「あのう……」
 すっかり汗の滲んだ半袖の麻のシャツに灰色のスラックス。くたびれた墨染の中折帽子。こんなに綺麗な女性にあてもなく声をかけるなんて、不審者と間違えられたらどうしよう。私の胸は緊張と動悸に震えた。しかも、探している店から言えば私は通報されてもしかたのない不審者ではないか。
 しかし彼女は、声をかけられても、不安な様子も困った様子も見せなかった。じっと私の顔を見てから、にっと笑った。
「おじさん、さっきもすれ違ったよね。えーと、お兄さんの方がいいのかな」
 それから、ちょっと困ったようにくすりと笑った。
「もしかして、おじさんも同じものを探しているの?」
 そして、私の手にしたメモを指さした。
「自販機だよね。お尻叩きのおしおきの自販機」

 もう一度、ふたりで坂を登ると学校の裏手に出た。大きな楠の木が緑の枝を茂らせている丘の上にペンキが剥げた木のベンチがふたつ並んでいる。私と彼女は別々のベンチの端っこに座った。連れではありませんよ……と、いう彼女の意思表示なのだろう。私は、すでに湿っているハンカチを取り出すと首筋の汗を拭いた。それから、登ってくる途中にあった自販機で買ったコーラのペットボトルを開けた。まだ冷たい。シュワッと涼しそうな音が耳に響く。彼女は大きなカフェオレのタブをカチンと折るとゆっくりと缶の蓋を開けた。そして、白い喉を見せて、ごくごくと飲み干した。
「私ね。その炭酸の蓋を開ける音って好きよ」
 彼女は、ポニーテールからこぼれ落ちた後れ毛をうっとおしげにかきあげながら言った。
「何度も探したの。学校の裏にあるはずなのよ。でも、見つからないの」
「あなたはそこに行ったことあるの?」
 半分だけ飲んだカフェオレの缶を横に置くと、彼女はベンチの縁に手を置いて足をぶらぶらさせ始めた。
「ううん。噂を聞いただけ。友達にね」
 そして、ちょっと恥ずかしそうに笑った。恥ずかしいのは私も同じだった。いい歳をした大人の私が、お尻を叩かれるための自販機を探しているなんて。誰にでも打ち明けられることではなかった。
「よかったら、その話、教えてくれないかな。私はよく知らないのだよ。電話ボックスみたいなものだって聞いたのだけど……」
「うん、そう。そうなの。ちょっと大きな電話ボックス。中に入ると、オートロックで鍵がかかるようになっていてね、外からは覗けないのよ。お金を入れて、決まった場所にお腹を乗せて手足を置くと、するするってベルトのようなものが出てきて逃げられなくなるの」
「叩かれる道具ってどんな道具なの?」
「それね、選べないんだって。後ろでブーンって機械がうなって、鞭とかパドルとかランダムに出てくるの。ほら、むかしパブとかでレコードを聞くためのジューク・ボックスってあったでしょう?あんな感じ」
 私は自分がその箱に入っているところを想像して、どきどきと心拍数が早くなり頬が熱くなってきた。
 服は脱ぐのだろうか。多分指定はない。自販機なのだから買えるのは「お尻叩き」だけなのだ。もしも、最初に入ったらやっぱりズボンは脱ぐだろうな。そうじゃなきゃ、本当の痛みは味わえないだろう。服の上からじゃ。下着はどうしよう。素肌を叩かれるのと布一枚あるのとではぜんぜん違う。怖いから一回目は下着を脱がないほうがいいかもしれない。
 実のところ私は、本当に叩かれたことなど数えるほどしか無い。現実にはそういう場所はめったにないのだ。だから、S Mクラブに行ってみた。お尻を叩いてほしいというと、乗馬鞭で散々叩かれた。考えていたよりもずっと痛くて、私はやめてくれと叫ぶしかなかった。ののしられ、踏みつけにされながら泣いた。
 掲示板に素人の女性で叩いてくれる人を求めて掲示板に書き込みをしたこともある。叩く男と叩かれたい女の方が圧倒的に多くて、何の取り柄もない私のような男には、決まったパートナーなんて望むべくもなかった。
「痛いのかな」
 彼女はちらっと私を見た。
「痛くなきゃ、おしおきの意味ないでしょ」
 そのとおりだった。ネットのスパンキングサイトで、女性の膝の上に無理やり押さえつけられ、痛い痛いと叫びながら許されないで叩かれる様を、何度繰り返し見ただろう。酷くお仕置きされたい。真っ赤に腫れて座れなくなるくらいにと。でも、現実は乞い願っているほどには甘美ではなかった。私は、我慢ができずに、逃げ出し、もう二度とS Mクラブに行く勇気もなかった。
「機械だから、謝っても無駄。懇願しても無駄。決まった回数、決まった強さで叩かれるの。手首と足首は台に固定されちゃっているし、狭い箱の中きっと逃げ場も無いわ。お腹を乗せる台の上でただ身をくねらせて泣くしか無いの」
 一気に言うと、彼女はまっかになった顔をうつむかせて地面を蹴った。私たちはしばし自分たちの考えるそのシーンにひたっていた。ふりあげられる籐鞭が、ひゅうううんと空を切る音が耳元で鳴る。拘束されていても、身をすくめやってくる鞭を振り返らずにはいられない。叩かれるその場所を見ることなどできはしないのに。
「君のように綺麗なお嬢さんなら、自販機なんかじゃなくて、ちゃんとしたお相手がみつかるだろうに」
「もちろんそうよ。売り手市場だもの。探せばいくらでもお尻を叩いてくれる人見つかるわ」
 口紅を塗ってないのに紅い唇を尖らせて彼女は、首を振った。
「でも、その人達って、ほんとはおしおきがしたいわけじゃないのよ。ただ、私のお尻を見て、触って、叩いて、その後はセックス。突っ込まなくても、結局はセックスなの」
 男である私は、そこを指摘されると弱いのだ。なにしろ動画を見て妄想を膨らませれば、結局は自慰をしてしまう。おしおきという行為から、性の部分を削ぎ落とすことなど簡単にできるはずもなかった。それは、女性の受け手である彼女だって同じことだろう。それでも、おしおきなのだから、相手にセックスを求めないくらいは物事をわきまえているべきだと主張されてもしかたなかった。
「だったら、機械の方が良い?」
「うん、そうよ。貞操も危なくないし、男の人とめんどうな駆け引きもしないでいいでしょ?」
 女は飲み終わった缶コーヒーを足元に落としてぎゅううっと踏みつけた。そして、その缶をベンチの下に蹴り入れる。ぼくは、あっけにとられて彼女のその行為を見ているしかなかった。
「おしおきしたい?」
 そうだよ。それは、悪い子のすることだよ。
「おしおきしたい?」
 彼女の真っ黒な瞳が迫ってきて、ぼくは、頭がくらくらとしてきた。遠くで下手っぴいのトロンボーンのロングトーンの音がしていた。学校の校庭では、汗をかきながらボールを追っかけている生徒たちの掛け声が響いている。私は、普段は、喉の奥に詰まっていて口に出せないでいるものを必死に押し出した。
「おしおきされたい」

 彼女は、バックを持ち上げると、校庭を走るほんとうの子どもたちの方をじっと見つめた。
「密封した箱の中でね、自分の欲求と向き合うの。叩かれるのは私が、叩いてほしいから。悪い子だったからとか、いい子だったからとかどうでもいいの。機械は、私がどんな反応をしようと何も考えない。私が泣いても、叫んでも、もがいても、反省していい子にしなさいとか、がまんしなきゃだめとか、次に悪いことしたらもっと酷く叩くからねとか、いろいろ考えないの」
 彼女の声はだんだん小さくなって最後はささやくほどになっていた。
「私のこといい子だから好きとか悪い子だから嫌いとかも考えないの」
 一息つくと彼女は、口の端だけで笑い、それから、帰るねと言うと踵を返した。赤いスカートが広げた傘のようにふわありと広がり、それから、ポニーテールがぽんと弾んだ。駅に向かう坂を弾むような足取りでくだっていく女性を僕は黙って見送った。
 夕方の風が楠の木を揺らし始めている。いったいどれほどの間、私たちはここでぼんやりとお尻叩きのおしおきの自販機の事を考えていたのだろうか。真っ青だった空は色が薄まり水色の広がりに白い雲を浮かべていた。
 私は、立ち上がってかがむと、ベンチの下の土に汚れた缶を拾った。ちょっと道を戻れば、さっきこれを買った自販機があって、そこにこれを捨てるための回収ボックスもあるのだった。誰も見ていないけれど、私は、そこにこれを捨て、自分のペットボトルも捨てて、いい子のふりをするのだ。
 機械は缶を捨てていった彼女も、拾って回収ボックスに入れた私も、同じように扱うだろう。それでも、これをそのまま捨ててはいけないのが私なのだった。帰りに駅前の焼鳥屋で串を買って帰ろう。次にここに来る時は、きっと、風はもっと涼しくなっているだろう。そう考えながら、私は、ポケットに入れてあったメモを大事に財布の中にしまいこんだ。

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    2015

05.12

お仕置き(凛編)・5

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第五章 家庭教師

  ピンク色の霞がかかったような、桜の木のトンネルを抜けて歩きながら、凛は、ぼんやりと考え事をしていた。優しい風が凛の髪の毛を揺らし、吹雪のように舞い散る桜の花びらを捲き上げる。私は、どうして、家に帰るのを躊躇っているのだろう。今日は、家庭教師の斉藤が来る日だというのに。
 景色の美しさに逃避して、あまりのんびりとしてはいられない。教師よりも遅れて家に着くなんて、とんでもないことだった。そんなことになったら、多分、斉藤は、凛のお尻を叩くだろう。それも容赦なく。
  斉藤誠は、京都大学の数学科に在籍している三年生だった。背は175センチ位。テニスサークルに入っているというだけあって、スポーツをしている人間らし く、しっかりと筋肉の付いた、それでいてスーツが似合う、ほっそりとした体型をしている。瀬理崎の家に来る時は、必ず、仕立てのいいスーツを着ていた。
 学生なのにどうして?と、凛が尋ねると、「カジュアルな服装だと、友達感覚になる生徒が多いからね。」と、苦笑しながら、彼は言った。「彼が教えているのは自分だけではないのだ。」と思うと、凛の胸がちくんと、痛んだ。
 顔立ちは整っていて、人あたりも優しい。低めの甘いテノールで、丁寧な口調で話しかけてくる斉藤は、ある意味堅苦しく、凛にとっては、近寄りがたいタイプだった。
 けれど、仕事が忙しい父と、どこか気まずい母親との生活で、息が詰まっていた凛にとっては、自分の事を気にかけてくれる、自分だけの男性が現れた事は、正直嬉しかった。
  斉藤が初めて家に来て、凛の部屋で二人切りになった時。斉藤は座るとすぐに、なにかをかばんの中から取り出して、凛に手渡した。なんだろう。それは、小ぶりの靴の底のような形をしていて、表面には赤い薔薇の華やかな型押しがしてあった。花びらの一枚一枚に丁寧に色が塗ってあって、部屋の壁飾りのよ う・・・。
「さっき、凛のお母さんが玄関で出迎えてくれた時に、渡されたんだ。」
 凛が、不思議そうに見上げると、そこには、長いまつげが頬に影を落としている斉藤のちょっと面白そうにしている顔があった。
「凛は、これが何だか知らないんだね。」
「え?」
 知ってないといけないことなんだろうか。ちょっととまどって、再びその薔薇の花を見つめる。思わず知らず顔が赤くなっているのが分かった。
「これはね、パドルって言って、凛が悪い事した時に、お尻を叩くための道具だよ。」
 やっぱり。と、思った時には、凛の心は大混乱だった。今日、初めて会ったばかりの男。まだ、ほとんど言葉も交わしていないのに、この家庭教師が、凛のお尻を叩く権利を持っているという事を最初に告げられたのだ。それは、凛を急激に、いたたまれなくしていた。それだけではない、若い男にスカートをめくられることを想像した凛は、かーっと 身体が熱くなった。恥ずかしさと、切なさと、一抹の喜びの感情を、凛はどうしたらいいのから分からなかった。そして、その気持とは、裏腹に、自分勝手に、 そんなふうに決めてしまった美智子に対する、反感と恨めしさも、同時に湧き上がり、胸をどす黒く染めていく。
 くすっ。と、斉藤が笑ったのが分かった。何を考えているのか、全部見ぬかれているような気がして、一層縮こまる凛を微笑んで見つめているのも
「おいで。」
 斉藤は、手を差し伸べてくる。凛は、え?と、彼を見た。それが何を意味しているのか、何度も何度もお仕置きを受けている凛に、分からないはずがなかった。
「でも、でも、私、なんにも悪い事してないのに・・・。」
 だんだんと尻窄みに小さくなっていく凛の声をまったく相手にしないで、斉藤は、もう一度手を差し出した。今度は声が少し低い。
「おいで。」
 いやいやと首を振りながら、その声に引かれるように、そろりと凛は腰を浮かした。身体は何かの力に引かれるようと相手の身体に近づいて行く。
  父の膝とは違う。筋肉はあるのに直に骨にゴツゴツと当たる感じ。多分、真新しいだろうスーツのまだこなれてない生地がチクチクとして、男の人の膝なん だ・・・と、強く意識してしまう。そして背中に置かれている手のぬくもりが、の木綿のブラウス越しに、春先の花冷えに冷たくなっていた身体をあたためてく れる。父以外の人と、こうして身体を密着させるのは、凛にとって初めての経験だった。それが、よりによって、お仕置きの体勢だなんて。
 体勢?違う、この人は、私のお尻を叩くつもりなんだ。どうして?だって、私、なにか悪い事した?理由もないのに叩かれるのなんて嫌だ。

 え?

 それってどういう事?「理由があれば、家庭教師である男に、お尻を叩かれてもいい。」私は、そう考えているの?
 凛のとりとめのない思考が、彼女の頭の中をグルグルと回る。思わず、ふうっ・・・と、ついた吐息は熱く、凛の感じていることを如実に表していた。心よりも先に反応している身体に、凛は、うろたえた。
「不満そうだね。」
  頭の上から降ってくる。そして、同時に、密接した身体を通して、伝わってくる男の声の振動に、凛の物思いは破られた。他人がすぐそばにいて、その人とやりとりをしていたのだということをすっかり失念していた自分に驚いて、思わず腕を突っ張って起き上がろうとした。しかし、背中を抑えている斉藤の手は、凛に それをさせなかった。
「不満だなんて、そんな・・・。」
 凛は、反射的にそう答えた。相手に逆らうということを、凛は、あまり学習していなかった。それほど、凛の周囲の人間は、彼女をお蚕ぐるみで、暖かく育んできたのだともいえる。だから、深く考えもせずに、口に出してから、しまったと思う。
 不満がないというのはどういうことだろう。「斉藤に罰としてお尻を叩かれることを受け入れた。」それを、表明したととられてもしかたない。凛は斉藤の生徒。お尻を叩かれてしつけられる生徒だってことだ。そして、今のように、凛が理解できない理由で、無理やり彼女を膝の上に載せることも。
  どうして?どうしよう。なんて言えばここから抜け出せる。お仕置きされるのは嫌だっていう?言ったとして、それが受け入れてもらえる?美智子さんは、絶対に怒る。父にこの間の事を言うわ。ああ、それとも、もう、言ってしまったのだろうか。これは、その結果なの?このことは、父も知っているの?最近お仕置き してくれないのは、そのせいなの?私は、もう、美智子さんに引き渡されてしまった。そして、斉藤に引き渡されてしまったの?
 斉藤のお腹がくっくっと震えた。
 笑っている。私がこんなに、悩んでるいのに、この人は笑っている。私がこんなに辛い思いをしてるのに。こんなのいや。いや。私のことをもっと思いやって欲しい。優しくして欲しい。私の・・・。私の家庭教師なのだから。自分の辿り着いた本心に愕然とした瞬間。パーンと、スカートの上から、皮のパドルを叩きつけられた。ただ、一発だったのだけれど、充分痛くて、ただ、一発だったからこそ、痛みと感じなかった。凛の膨れ上がってきたもやもやとした気持ちは一瞬で吹き払われた。
 斉藤は、凛の両腕を掴むと、彼女の身体を抱き起こし、微笑んで彼女の目を覗きこんだ。
「お母さんから、お願いされたからね。もし、凛が、言う事を聞かなかったり、約束を破ったり、悪い事をしたら、僕にお尻を叩かれるんだよ。分かったかい?」
 そして、僕が叩きたい時にもね。
 斉藤は、そんな言葉は告げなかったのだけれど、凛の胸の中に、その言葉はしっかりと刻み込まれていた。
 あの時の凛は、まだ何も知らなかった。いや、あんなにパソコンでいろんなサイトを見ていたのだもの。知らなかったはずはない。パドルで叩かれる少女や女を みつめ、そうして叩かれる自分の姿を想像したりしていたのだ。それなのに、分からなかった。いざ、自分の身に起きてみると、どんな気持ちがするのか。
 凛の差し出したその手の先に、花びらがふわりと乗る。桜の花が咲いている時期は短い。あっという間に花は終わってしまう。若芽が膨らみ、葉を茂らせる。来週ここを通っても、もう、この桜を見ることはない。凛は、自分に聞かせるだけのために、ため息を一つ付き、そして、花のトンネルの向こう側に待っている自家用車へ、視線を巡らせた。
  桜の並木道を通ってから帰りたい。そういう、凛の希望を聞いて、柿崎は、車を並木道の終わる交差点へ移動させ、凛がやってくるのを待っているのだった。最後のゆるやかな坂道を登り始めると、柿崎が、運転席から降りてくるのが見えた。ただ、座って待っているだけでなく、速度の一定しない、凛の歩みをちゃんと見ていた証拠だった。
 凛が、車の前に立った時、柿崎はちょうどよく、後部座席のドアを開けて、彼女が乗り込めるようにして出迎えてくれた。
「桜も、もう、終わりかもしれない。」
 おや?と、言うように柿崎の視線があがって、凛を見つめた。凛が、なにかを話しかけるということは、珍しいことだったから。使用人の姿は、雇い主にはそこにないように、認識されないのが普通だった。
「また、来年も、綺麗に咲きますよ。」
 柿崎の言葉を肯定したのか、それともなんとも思わなかったのか。凛は、ひとつ頷くと、もう、後ろを振り返ったりせず車に乗り込んだ。凛を乗せた車のドアが静かに閉じられ、凛は、外の世界から隔てられた。

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続く
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    2015

05.09

お仕置き(凛編)・4

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第四章『初めての義母からのお仕置き・上』


 他の誰かと父を共有する。私の人生で、初めての出来事だった。母がいた時は、こんな気持になったことはない。父は父であり、母は母であり、ふたりとも私のものだった。私を愛してくれ、私の事を心底考えてくれている。何の心配もなく、私の世界は完全だった。
 母が亡くなってから、その世界の欠けた部分を埋めてくれたのが父だった。忙しい仕事の合間をぬい、できるだけ一緒にいてくれた。話を聞き、食事を共にし、一緒に出かけることもあった。もちろん、他の家庭に比べれば、父は忙しい人だったと思う。出張も多く、私の面倒をみてくれる仕事も兼ねている家政婦さんと ふたりで、留守番する事も多かった。
 でも、父の生活は、仕事と私という娘の2つの事柄で占められていた。・・・そうではなかったのかもしれないが、私はそう信じていた。家にいない時は、お仕事をしていて、それが終われば、私の所に戻ってくる。
 今は、そうではなかった。父が帰ってくるのは、再婚した美智子さんのところなのだ。
 家の中の趣がどんどん変わってしまったことも、そう感じてしまう原因の一つだった。父は美智子さんに、家の内装を自由に変えることを許した。父と母と私。 思い出がいっぱい詰まっていたその家だったのに。カーテンやじゅうたんだけでなく、古い時代のアンティークな家具も、どんどん変えられてしまい。新しくモダンな装いになっていった。
 自分の家なのに、いつの間にか、自分の家と感じられない。自分の父なのに、美智子さんの新婚の夫と考えなければならない。そう、常に考えていないと、どう振る舞っていいのか分からなくなってしまうのが本音だった。父が家に帰った時に、今までだったら、真っ先に玄関に 走って行って飛びついていたのに、そこに立っている父の新しい奥さんの前では、ただにこやかに、「おかえりなさい」と、言うのが精一杯。父の腕を取り、話しながら階段を登ってい行く二人の後ろから、微笑んで後をついていくのが精一杯だった。
 忙しい仕事をやりくりして、父が家に戻ってきているのは分かっている。家族の一員として、できる事をしなくちゃ。そう、考えれば考えるほどに、素直に振る舞えない自分がいた。やりくりして父が捻出した時間は、一生の仕事を辞めてまで、家で待っている、新妻のために使われるのが、当然のように思える。もう、私も高校生なのだから、訳の分からない子供のようなわがままを言っては、ならないのだ。
 そうして、父を独占できる時間は失われてしまった。再婚したことで、私が寂しく思わないでいられるように、二人して気を使ってくれているのだろうが、それは、いつも二人での行動に、私を迎え入れてくれるという形だった。
  私は、まだ、美智子さんを母として受け入れられないのかもしれない。昨年の暮に籍を入れた事を聞かせられた時に、父からも促されたし、彼女にも「これからは、母と呼んで欲しい」と言われたから、形だけは「お母様」と、呼び習わしているのだけれど、気持ちはついていっていない。父を盗られたと感じる気持ちも 消すことができなかった。
 以前は、ティールームでくつろいだり、父といろんなゲームをして過ごしたりしていた時間を、私は自室に篭りがちになっ た。ちょっとした目配せや、夫婦だけの親しみのこもった接触を見る度に、胸の奥が絞り込まれるような痛みを感じてしまう。それから逃れるためには、二人と一緒に居るのを避けるしか無かったのだ。
 部屋で、することもなく、勉強にも集中できない私。私は、何も考えない時間を作り出すがために パソコンに逃避した。今日のニュースを読み、そこから2チャンのまとめサイトへ行く・・・。誰かが誰かの言う事をおもしろおかしくこき下ろし、それが延々と続く。秀逸なツッコミが並ぶ時もあるが、ほとんどが同じ主旨の羅列。そして案外と保守的な意見だった。
 あちこちとネットサーフィンをしてか ら、行くところがなくなって、しかたなしのように、私はそのサイトに辿り着く。それは、女性の書いたブログで、スパンキングの情報を、海外から幅広く拾っ ている。リンクとレビューが、豊富に書かれていて、それを利用すると、苦労することなくスパンキングの動画を見たり、物語を読むことができる。
 そう、スパンキング。今では、私は、その行為が性癖の一つであることも、それをディシプリンスパンキングと呼ぶことも、セックスの前戯として使う人達とは一線を画しているということも、なんとなく理解するようになっていた。
父と私の間に性的な物があったとは思っていないけど、安心や信頼や愛情はあった。お尻を出される時の甘酸っぱいような恥ずかしさと、こんなにも父親に近い場所に居るという満足感。そして痛いけれど、父親の愛情が心に染みてくるような。お小言さえも、愛情の証のように思っていた。
 ネットの中で見る画像は、圧倒的に教師と生徒が多いような気がする。制服を着ている、少女のように見える女性たち。今は年齢制限がきびしくなっているので、彼女ら は、21歳を超えているはずだった。そして、多分、ネットでこの画像を見つめているのは、私のように、叩かれる側の人間ではなく。お仕置きをする側の男性たちなのだろう。
 スカートをめくられ、下着を降ろされて、むき出しのお尻を叩かれる。校長室で・・・時には、教室のみんなが観ている前で。考えただけで恥ずかしくて気が狂いそうになる。私にはとても耐えられそうにない。きっと、スパンキングが好きなわけじゃない。私が好きなのはお父様。大切な お父様だからこそ、素直にお仕置きを受けることが出来たのだ。
 ぼんやりと考え事をしていたせいか、私はドアが開いて、美智子さんが声をかけてくるまで、ノックの音に気が付かなかった。慌ててパソコンをシャットダウンしようとする私を、部屋に入ってきた美智子さんは、不審げに見つめると、つかつかと部屋に入ってきた。
「凛?あなた、夕食後のお茶もしないで、さっさと部屋に引き上げてしまったけど、なにか用事があったの?お父様がお留守だからって、気ままにしたいようにすると、お父様に心配かける事になってよ。」
  そう言いながら、俯いて彼女の小言をやり過ごそうとしていた私の前のキーボードを素早く操作した。あっと、気がついて静止する間もなく、いくつかのキーの操作で現れたのは、さっきまで見ていたスパンキングのサイト・・・赤くなり、泣き叫ぶまで、お尻を叩かれている少女の姿だった。
 それから、ひとつ、2つの操作をすると、私が今まで閲覧していた沢山のサイトが画面に並んだ。「知られてしまった。」「どうしよう・・・見つかってしまった。」私は、その場で地面に穴を掘って、埋まってしまいたいいたたまれなさにどうしていいのか分からなかった。
「ふうん・・・そうなの・・・・。」
  彼女がちろり・・・と、舌を出して、赤く塗った口紅をぺろりと舐めた。食事の後に塗り直したのだろう。くっきりと描かれた赤い唇は、私と彼女の立場の差を 歴然と表していた。化粧をする大人と、素肌のままの子供。黙って上から見つめられて、私は火のついたように赤くなって、固まっているしかなかった。
「凛さん、私、あなたのことは、お父様からくれぐれもよろしくと頼まれているの。」
「お父様から伺ったわ。あなた、悪いことをした時は、未だにお尻を叩かれているそうね。もう、高校生にもなっているのに、父親にお尻を叩かれるのって恥ずかしくないのかしら。」
  美智子さんは、キラリと目を光らせると、私を斜めに見た。面白そうに、嬉しそうに、まるで、新しいおもちゃを見つけた時の子供のように。私は、悪い予感に 身震いした。彼女が考えていることが手に取るように分かる。椅子に座ったまま、キャスターで後ずさりをしながら、なんとか言い訳をしようとしたが、口を開けても言葉を述べることができなかった。言い訳のしようがない・画面に映しだされた動かぬ証拠。
「それでも、足りなくてサイトでお尻叩きの画像を観ているなんて、あなた、そんなのお尻を叩かれたいの?」
「そんなことありません!」
   隠していたものを全部、白日の元に晒されてしまったことにうろたえながらも、私は父との秘密を必死に守りぬこうと決心していたのに・・・。それなのに、父は、もう、美智子さんにお仕置きの事を打ち明けていた。私に、相談もしないで、私の気持ちも考えないで・・・。私は、悲しくて、その場にわっと泣き伏したかった。でも、それでも、彼女の前で泣くのは嫌だった。私にもプライドがある。そのプライドが、彼女に弱みを見せて泣くくらいなら、じっと我慢して叱られたほうがましだと言っていた。
「じゃあ、お尻を叩くのは何のためなのかしら?」
「わ、悪いことをした時の罰です・・・。」
「そうね。そのとおりよ。こういう画像をパソコンで見たり、それを見ながら自慰をしたりするのは、悪いことよ。あなたは本当に悪い子ね。お父様から厳しくしつけてくれるように言われているの。これからは、あなたの振る舞いは、私の責任でもあるのですもの。良くて?」
  私は、あまりの事に呆然とした。父は、私を、この人にあげてしまったの?自由にしていいって言って?もちろん、後で冷静になった時に落ち着いて考えれば、父がそういうつもりではなかったことは推測できた。でも、結果は、どちらにしても同じ事。私の教育は、美智子さんにまかせられてしまったのである。
 それは、つまり彼女には、私のお尻を叩く権利があるということだった。
 ベッドの端に座った彼女は、自分の手の中に落ち込んできた獲物に狂喜していることを隠そうともしていなかった。
「さあ、いらっしゃい。お膝に乗るの。このサイトが18歳未満は閲覧禁止で、あなたには、それを見る資格が無いことは分かっているでしょう?破廉恥なポルノサイトを見たために、あなたは、そのサイトに出てくる方法でお仕置きされるのよ。でも、自分の手で叩くと私のほうが痛くなってしまうわね。なにかいい道具はないかしら。」 
 きょろきょろと視線を巡らすと、彼女は鏡台の上に置いてあった。細工が美しい銀のブラシをみつけた。それは、本当のお 母様が私の髪をくしけずる時に使うために10歳の時の誕生日プレゼントに贈ってくれたものだった。私は、彼女がそれに目をつけたのを悟り、飛びつくように ブラシを鏡台の上から取り上げるとさっとスカートの後ろに隠した。
「りーん。」
 ドスを利かせた、低くて怖い声を出すこの女性は・・・父の前で見せている、薔薇のような華やかな美しさと気品と優しさとは、全く違う顔を持っている。私は、恐怖に震え、ただただ、立ち尽くすしか出来なかった。
 「凛、それを持ってこっちにいらっしゃい。」
  美智子さんの取り澄ました声に、私は、必死に左右に首をふった。そうした私の我を忘れてしまった反応が、彼女を喜ばせていることに気が付かなかった。彼女は、立ち上がり、パソコンの前に行くとキーに触れた。ホームページの最初の扉のところへ画像が戻る。そして、彼女はその画面に書かれて居る文字を、一言一 言区切って、口に出した。
「You must be at least 18 to enter! 凛、あなたも、ちゃんと声に出して、読んでご覧なさい。」
  私は、何度かつばを飲み込んだ。彼女は、どうあっても、このことをなあなあですますつもりはないのだ。私は、「どうか普通の声がでますように」と、心で祈りながら、それを復唱した。You must be at least 18 to enter!たとえ、英語がよく分からなくても、なにを言っているのか歴然としている。海外のネットのスパンキングサイトのトップページには、必ず書かれ ている。「Adults-only」「18歳未満禁止」「18歳もしくは21歳以上の成人の同意のもとに」
 有罪判決文と同じだった。






5へ続く
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    2015

05.09

お仕置き(凛編)・5

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第四章『初めての義母からのお仕置き・下』


「そう、凛は、ちゃんと分かっていてそれを見ていたのね。18歳未満禁止のサイトは、あなたの年齢で偽って見ていいものじゃないわね?」
  私は、俯いて、ふるふると頭をふった。堪えている涙が滲んでくる。18歳未満禁止なんて、ただの形式だけ、パソコンを使ってる人ならみんな知っている。あ なたは18歳ですか?ええ、そうです。もちろん。そしてクリック、ほら魔法のように現れる、本当だったら見てはいけない画像や動画。一歩家のドアの外に出れば、絶対に手に入らない物。
 でも、そんなことが問題なんじゃない。18歳未満禁止のサイトを見たとしても、普通のアダルトサイトだったら、まだ、マシだった。そんなことよりも、もっともっと、知られたくなかったこと。それを彼女に知られてしまった。私が、お尻叩きを、叱られた罰と単純 に思っていないことを・・・。
 ここで、反抗して、あれやこれや思ってもいないこと、してもいないことを、ほじくり返されてはたまらない。例えば、さっき彼女が口にした「自慰」 私は、その時まで一度もそういう行為をした事がなかった。確かにこのサイトを見て、胸がキュンとなり、下半身が熱くなるような心地になることはあっても、寂しい時悲しい時、このサイトをみながらお父様にお尻を叩かれた事を思い出すことはあっても、そういうこととは違う。絶対に違う。
「ご、ごめんなさい・・・。」
 私の謝罪を聞いて、美智子さんは、ちょっと小首をかしげたが、やがて、また、ゆっくりとベッドの所に座った。
「じゃあ、どうするか分かってるわね?お仕置きするから、膝に乗って。」
 私は、手に持っていたブラシを、気づかれないように、ドレッサーの上にさり気なく戻そうとした。
「それは、持ってくるように言ったはずよ。」
 びくっと背が震える。このヘアブラシで叩かれる事は避けたかった。本当の母の象徴でもあるようなヘアブラシを彼女に渡してしまうのは嫌だった。けれど、もう、避けられそうにない・・・。
「お、お義母さま、ブラシで叩くのは堪忍してください。だって、我慢できないくらいに痛いのですもの。お願い。」
 まつげの隙間から、涙がいっぱい溜まった目を上目遣いにして懇願した。
「凛、あなた、分かっててわざとやってるわね。そんなふうな目つきをすると、私が、可愛そうだと思って、手加減するとか考えてるわけ?」
 私は、図星を当てられて、はっと後ろに下がってしまった。自分から、ずるいことをしてるということを認めてしまった。
「また、お仕置きする理由が増えてしまったわ。ほんとに困った子ね。」
  もうだめ。私は、観念して、しおしおと彼女のそばに近づいた。ブラシをそっと差し出して、彼女に渡す。それから、彼女の膝の上にうつ伏せになった。美智子 さんは私の体を左手で押さえつけようとしながらもぞもぞと位置を探っていた。そして、私の体を前のめりになるように調整した。
「ふうん。凛、あなた、もう少し深く身体をのせて。頭が下がるように。じゃないと、お尻の下側を叩けないわ。そうそう、それでいいわ。私、子供のお尻を叩くのなんて初めてよ。宗重さんと結婚するって、こんなことまでしないといけないなんて思ってもみなかったわ。」
  そう言いながら、遠慮なくスカートをまくり上げた。スカートの上から叩くとかは、考えてもいないらしかった。私は、身体を硬くして、スカートをまくりあげられるという羞恥にじっと耐えた。彼女は、そうして固まっているわたしの身体をしげしげと眺めた。そしてクスクスと笑った。
「かわいいショーツを履いてるのね。まさに、ショーツって感じ。パンティとは言えないわ。まだまだ、子供ね。」
 私は、反射的に起き上がりスカートを引き下ろした。なんてこと言うんだろう。わざわざ、そんなことを指摘するなんて、私が傷つくのを喜んでいるとしか思えない。首まで真っ赤になって、スカートを抑えている私を、なめずりまわすように見てから、彼女はにっこり笑った。
「どうして起き上がるの?」
  ああ・・・。
  目を瞑る。今だけ、そう、今だけよ。ちょっとだけ我慢しよう。恥ずかしくても。逃げちゃだめ。早く終わらせて、そう、こんなこと、耐えられない。私は、お ずおずとまた彼女の膝の上にうつぶせになる。彼女は、もう一度私を抱え直し、そして、またスカートをめくり上げた。それから、ショーツの上からしばらくお 尻を撫でてから、そのショーツを剥き降ろした。
「あ、いやっ。」
 しっかり唇を噛み締めていたのに、思わず声が漏れてし まう。パソコンの画面に並んでいた少女のような女達と同じように、父ではない人の前にお尻を晒している。恥ずかしくてじっとなどしてられなかった。また、動いてしまった。けれど、今度はしっかりと押さえつけられていて、起き上がれなかった。
「何度も世話をやかせるんじゃないの。」
 低い声で耳元に囁かれる。私は、自分が今までに一度も経験したことのない事態に直面していることに気がついた。恐ろしさに、首筋が逆立つような気がした。彼女の手にした銀のヘアブラシが私のお尻を円を描くように周回する。母のヘアブラシの薔薇の模様。それを感じ取れるわけじゃないけれど、私の心が勝手に考えてしまう。本当の母が私にくれた、大切なそれが、私の罪によって穢されるような気がした。「お母様・・・ごめんなさい・・・。」心の中でそっと呟いた。身構える間もなく、ブラシが叩きつけられた。
「きゃああああ!!」
 痛い。今までに経験したことのない痛み。想像していたよりもずっと痛い。私は、彼女の腕から身を振り解こうともがく。強く身体を押さえつけられながら、次の、二発めが来た。
「ひいっ!」
 声をたてまいと考える時間さえない。私は、彼女の思っていたよりもずっと強い力で、腰の所を抱えられていて、彼女の膝の上から降りることが出来なかった。 続けざまの衝撃。痛みの連続。思わず叫び、腕を突っ張る。けれどまるで展翅板の上にピンで止められた蝶のように。私の体は、彼女の腕に押さえつけられ、嵐 のような暴力にもみくちゃにされていた。
 私は叫び。そして、泣いた。彼女が私を膝から降ろした時は、自分の身体を支えられずに、床に泣きながら崩れ落ちた。混乱していた私はよく分からなかったけれど、美智子さん自身も息を切らして。喘ぎながら、身繕いをすると、きっ!っと私を睨めつけた様子だった。
「これからは、容赦しませんからね。いいこと?」
 ドアが開き、閉まる音がする。終わったのだ。とにかく。今は。私は、ヒリヒリと痛むお尻に手を回したぬるりとなにか濡れた感触がして、はっと私が顔を上げると、ベッドの上に置き捨てられたヘアブラシには、血がついていた。
 今まで、ずっと我慢していた気持ちが胸の中で膨れ上がり、喉元を越えてせり上がってくる。唇を噛み締めて。それを言葉にすることを必死に堪えた。理不尽な事の積み重ね。自分の中にどうしようもなく消せずにある、父の女である女性への嫌悪感が。






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    2015

05.08

お仕置き(凛編)・3

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第三章『凛のメール・3』

 慣れというのは恐ろしい物で、しかも、誰からも指摘されないでいるうちに、自分が、書いている物が、「普通」から逸脱し始めている事に私は全く気が付いていなかった。それは、私の日常が少しずつ少しずつ、「普通」からずれてきている事でも会ったのだ。

 『本格的な冬が訪れる前のうららかな冬のひだまりが嬉しい一日でした。柊二さん、お返事有り難うございます。
  私の誕生日に、ディナーをご一緒してから、父と美智子さんの間柄は、急速に深まったようで、すぐに結婚式の準備が始まりました。家の中は、プライベートな部分の家具を入れ替えたり、寝室のカーテンやベッドカバーを統一して変えることで、華やいだ感じにしたり、インテリアコーディネーターの鈴木さんが、度々家に来て、美智子さんと一緒に相談し、父のための空間を彼女の好みに作り変えることがどんどん進んでいます。
 これからは、彼女の家になるのだ し、母の好きだった優しい黄色い花のカーテンの事ばかりを懐かしんでいてはいけないのだけど、寂しい気持ちは消すことが出来ません。なんだか、私にとっては、父のそばにあったはずの自分の居場所が無くなったような、父の部屋に入るのを拒絶されたような気持ちなの。
  父が私のお尻を叩いていたのはしつけのためだって分かっているけど、私にとっては、それは、心の底から父に甘える事の出来る、嬉しい時間だったのです。でも、そうやってお尻を叩かれている所を美智子さんに見られちゃうなんて絶対に嫌だし・・・そのために、彼女が家のどこかにいて、いつ入ってくるかわからない状況の中、父の側に寄る事なんてできない。
 最近、父は、仕事がとても忙しいらしく、たまに早く帰ってくることがあっても、美智子さんが一緒だったり、美智子さんと一緒に出かけてしまったりして、お話する機会もないのですもの。私が不安に思ったりしても、柊二さんだって仕方ないって思ってくださるでしょう?
 そんなことを考えていると、眠れなくて、それで、気を紛らわすために、ネットをして検索をしたり、youtubeの動画を観たり、いろんなサイトを回ったりしています。
  以前にも少しお話したことがあったと思うけど、海外のおしおきのサイトを見つけてから、私は、すっかり悪い子になって、そんなサイトを、あちこちを見て回るようになっています。どうして悪い子かというと、そういうサイトは全部21歳以上じゃないと見ちゃだめなの。これが父にバレたら、きっとすっごく怒られちゃうと思う。柊二さん は、こんな私を軽蔑しますか?
 私自身は、痛いことなんてちっとも好きじゃないのだけど、こんなサイトに載っている女の子たちは、これが好きなんでしょうか。それとも、嫌だけど、サイトを作るために仕方なく鞭を受けているのでしょうか。血が滲むほど酷く叩かれるのが好きだなんて、ちょっと想像できません。父に、掌で叩かれるだけでも凄く痛いし、叩かれている時は、それが終わるのならなんでも父の気にいるように、言ったり、したりしてしまうくらいよ。
 それでも、もう、三月もおしおきされてないと、なんとなく、それが恋しく思えてしまって、ついついこういうサイトの写真を眺めたり、私のあまり上手ではない英語の分かる範囲の物語を辿ってしまったりしています。
 叩かれるのが好きじゃないように、叩くのが好きな人がいることも信じられません。相手が痛がるのを見て喜ぶなんて、酷いサディストだと思わなくて?だけど、正直に言うと、そんな画像を観ていると、足の間が「きゅん」って切なくなってしまう事があります。
  これが何なのかさっぱり分からないのだけれど、でも、今度お父様が帰ってきたら、悪いことをしたことを白状して、お尻を叩いてもらわないといけないかも。 ううん。お尻を叩かれたいのではなくて、父の膝の上で抱きしめられて、「何も心配いらない」って、言ってもらいたいの。そうでないと、私、不安で泣いてしまいそうです。
 けれど、おしおきが無くなったことで、いいことも一つありました。それは、学校の保健の先生の事よ。この間、父からおしおきを受けている事がバレてしまったでしょう?その後、先生から一週間おきに保健室に来るように言われていたの。あの後、父とゆっくり話す時間がないせいで、私のお尻はいつも白いまま。だから、先生は、もう安心したみたい。あの痛いお薬を塗らなくてもいいし・・・。お仕置きよりも痛いお薬って、ありえないと思う。ほんとにあれを塗られた日は死んでしまいそうなくらいに熱い痛みで大変だったわ。
 でも、先生に背を向けてスカートをめくってお尻を見せるのは何度やっても恥ずかしくて泣きたくなっちゃう・・・。先生がショーツの脇の所を引っ張ってずり下げてしげしげとお尻を見つめている間、私は、息を詰めて、俯いたまま恥ずかしさをじっと堪えているのだけど、それがあまりに長い時間なので、汗が噴き出してくるくらいよ。
 それに先生は時々、何気なくだけど私のお尻を撫でたり、つねったりするの。女の先生だから、これは、セクハラってわけじゃないわよね。先生は、そうしながら、お尻が大丈夫な状態なのか確かめてくださっているだけだと言うのだけど。こんなふうなので、以前のように頻繁におしおきされていたら、隠し切れないで、絶対に不審に思われてたと思うの。
 これって喜んでいいのか、悲しんでいいのか、ちょっと複雑な気持ちだけれど。では、すぐにお返事くださいね。待っています。』

 送信ボタンを押す前に、私は、文面を三度も読み返してから、すごくためらってしまった。ネットを隔てた遠くの場所にいる人に向かって書いているとはいえ、あまりにも、赤裸々過ぎる気がしたのだ。けれど、自分の恥ずかしい場所を自ら晒す事で、今の私はようやく息をしているような気がする。こうやって打ち明ける相手がいなかったら、自分はどうなっていたんだろう。



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    2015

05.06

お仕置き(凛編)・2

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第二章『凛のメール・2』

『冷たい空気が頬に痛い冬、晴れ渡って雲一つ無い空が好きです。お仕置きで腫れ上がったお尻もその冷たさで冷やしてくれたらいいのに。
 先日、柊二さんにも話していた、ホテルでの16歳の誕生日のディナー。とっても楽しみにしていたのですが、当日になって父に、もう一人女性を一緒に招待していることを教えられました。いつものように、二人だけのお祝いと思っていた私は、本当にショックです。
 母が死んでから五年。父もまだ若いのだし、付き合っている女性がいても不思議ではなかったのだけど、そんなことは全く考えもしてませんでした。 
 その女性は、美智子さんと言って、父よりも15歳も若くて、商社で秘書をしているという話でした。ほっそりとした身体にシンプルな黒いワンピースとハイヒール。赤い口紅を引いて、胸元には、光るダイヤモンドのペンダント。都会的な美人っていうのにふさわしい咲き誇る薔薇のような人でした。どちらかと言えば華奢で、ふわふわとしたお嬢さん臭さが抜けなかった母とは、ぜんぜん違うタイプです。
 でも、わざわざ紹介するくらいなのだから、もしかしたら、父はその人と結婚する事を考えているのかもしれません。忙しくて、始終家を留守にしている父なのだけど、どこかしら、自分だけのもののように思っていた私は、父にも私の知らないプライベートな時間があるのだということが、受け入れられませんでした。
 そうだとしても、愛する父親が幸せになるのは、祝福しないといけないですよね・・・。これから、時々、家にも遊びに来ると言っていたので、努力して仲良くなって行くつもりです私は人見知りをする質なので、うまくいくかどうか不安なのですが。
 それから・・・』
  そこまで書いて、私は言葉に詰まってしまった。いい子ぶっている自分の言葉に、自己嫌悪を感じた私はそのメールを保存せずにそのまま消してしまった。立ち上がって、ベッドの上に身体を投げ出す。お尻がひりひりと痛んで、長い時間座ることができないのだ。それは、お仕置きを受けた時の打撲の痛みとは違って、焼けつくような熱さと痛みが混然としたひりつきで、一瞬も私にその事を忘れさせてくれない。
  あのディナーの夜、父を奪われたような哀しさとショックは、深く、深く私の心を引き裂いた。こわばった頬でうまく微笑むことも出来ず、涙で潤む目を見られまいと、食事の間ほとんど喋らずずっと俯いていた。そして感情を隠そうとするあまりに、食事が終わった後も、そっけない挨拶しかできずに、女性を送っていくという父に背を向けてそそくさとタクシーで帰ってしまったのだ。
 そんな子供っぽい態度は当然父に許されるはずもなく、その夜遅く帰ってきた父 は、もう部屋にさがっていた私の部屋にわざわざやってきた。そして、私を膝に抱え上げるとパジャマのズボンを引き下げて、厳しい声で説教を始めたのだ。自分の態度が、お祝いを言うために来てくれた彼女に対して、言い訳の出来ない失礼な振る舞いだったことは、社交の常識を持ちだされなくても分かってはいたのだけれど。それでも・・・。それでも、傷つけられた娘の気持ちをもっと案じてくれてもいいのではないかと今でも思ってしまう。
 父が、私が考えている事。感じている事を察してくれなかった事も、衝撃だった。私は素直に謝れず、父からたっぷりとお仕置きをされてしまったのである。思い出しただけで、また、瞼に涙が溢れてくる。
 心から反省して謝った時、お仕置きはちっとも辛くなく、終わった後は、 心置きなく父親の膝に甘えられたのに、その夜は違った。無理矢理押し出した謝罪の言葉は、私の胸を重く塞ぎ、打たれた身体よりも辱められたプライドがずっと強く傷んだ。私よりもあの人の肩をもつの?私よりもあの人のほうが大事なの?私は、何度も心の中で繰り返し、会ったばかりの他人のために、お尻をむき出しにされる屈辱に震えた。

 それだけではなかった。翌日、学校で学期始めの身体検査があって、泣きながら眠れない夜を過ごした私は、自分の悲しみにかまけていて、ついうっかりと、お仕置きされた赤い掌の後を保健の先生に見咎められてしまったのだ。そのために、自分から、保健の先生にお尻をまくって見せなくてはならなかった。
 子供の頃ならいざしらず、明らかにお尻を叩かれた掌の痕をつけたお尻を、他人の目に晒さなくてはいけない恥ずかしさは、物凄く強くて、私は、度重なる屈辱に、足が震えた。父にお尻を叩かれるなんて、なんでもないふりをする事だけが、私に残された選択肢だった。

  そして、先生が塗ってくれた薬。早く治ると言われたのだけど、冷たい手で先生がお尻に薬を塗り広げ始めた時は、あまりの熱い痛みに私は叫び声を押さえるのがやっとのありさまだった。かっと全身に汗が噴き出してくる。拳を握りしめて身体を硬直させる。痛い。私が顔を歪め、先生の手の下から逃れようとお尻をくねらせると、先生は腰の所を強い力で押さえつけ、タップリとまんべんなくそのお尻の丸みにそってその薬を塗り広げた。
「来週の土曜日も検査しますから、早めに登校するように」
 追い打ちをかけるような先生の言葉に私は、頷くしか術がなかった。その時、確かに私は見てしまった。先生の頬にちらっと見えた、意地悪をした後の喜びの表情を・・・。キラキラと光る瞳は興味津々の気持ちを隠してはいなかった。
  その後の授業は、地獄のようだった。放課後に来るように言われていたのに、後ろめたさに授業が終わるまで待つことが出来なかった私は、そのつけを焼けるようなお尻の痛みで払わなければいけなかったのだ。椅子の上に座ると沁み入るような痛みが焼けるように強くなり、私は、膝に力を込めてお尻を椅子に押し付けないように腰を浮かせてその午後を過ごした。けれど、それもやっぱり限界がある。酷使した太腿や膝やふくらはぎは段々と持ちこたえられなくなり、震えだす。思わずお尻を落としてしまい、そして、また跳ね上がるといった、教師の目から見ればいささか不自然な動きを繰り返してしまう。
 こんなに大きくなって、父親のお膝の上でお仕置きを受けているなんて、他の人に知られたくない。でも、こんなことをしていたら、すぐにバレてしまいそうである。
  八方塞がりの状態が、終礼で終わりを告げた時、私は安堵のあまりに、泣きそうになった。挨拶も、そこそこに、迎えの車に乗って、後部座席では横向きにうつ伏せになり、家に帰り、服を脱ぐのももどかしく、浴室に湯をはった。とにかく塗られた薬を洗い流してしまおうと思ったのだ。
 お風呂は程よい湯加 減に暖められていた。そして、一杯目のかかり湯を肩先から被った私は、悲鳴をあげて立ち上がった。ただでさえ我慢ができなかった、私のお尻は、焼けるようだった。お湯が激しく沁みるのだ。でも、よく石鹸を付けて洗えば、何度もかかり湯をして流せば・・・。だが、その薬はそんな甘いものではなかったのである。あたたまり、赤く腫れ上がったお尻は、血行がよくなったせいで泣きたいほどの痛さがじんじんと続いている。

 痛い・・・。痛い。痛い。

 私は枕をきつく抱きしめながら、一度も会ったことのない男性の事を考えてしまっていた。それから、保健の先生に押さえつけられていた時の事を。嫌だったはずなのに、どこか後ろめたく感じながらその事を思い出している自分がいた。


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    2015

05.04

お仕置き(凛編)・1

 挫折してしまったリレー小説。今度は一人でもう一度挑戦してみようと思っています。実は、あの頃と比べて、自分の書く文章は少しは成長したと思いたいし、文体も変わっているのですけれど、文章そのものには、余り手を加えないで、推理小説の部分や、学校でのあれこれは、削除傾向で進んでいこうと思います。まだ、伏線を全部拾うとか、器用な事が出来ませんからね。(^▽^:
中盤からは未知の部分になるので、どれくらいで完結するのかはまだ未定ですが、のんびりお付き合いくださいませ。




第一章『凛のメール・1』

 『父親にお尻を叩かれることが好きだって子供がたくさんいるわけがない。私はそう思ってしまうのです。
 柊二さん、お元気ですか?昨日の夜から、ずっと冷たい雨が降っています。急に寒くなりましたね。今日はこんな天気なので、執事の柿崎に学校まで車で送ってもらってしまいました。それは柿崎の仕事ではないのに、迷惑をかけてしまいました。
 柊二さんの住んでる所はどんな土地なのでしょうか。ネットの掲示板で知り合った人は、近くても遠くても、みんな同じ距離の場所にいるような気がします。それは、自分とネットとの、心の距離なのかもしれません。友達と呼べる人が周りいない私にとっては、あなたへ送るメール以上に本心を語れる場所はありません。
 思い切って打ち明けるのですが、実は、今日は、決められたお仕置きの日なのです。お父様は普段は、とても、優しい父親なのです。でも、私が、悪いことをしたり、勉強の課題を怠けたり、朝、寝坊したりするのを数えてらっしゃって、金曜日の夜に、まとめてお仕置きをするんです。それはたいていお尻を叩かれることで、こんなに大きくなって小さな子のようなお仕置きを受けているのは、すごく、恥ずかしいです。
 本当はこのお仕置きは、亡くなったお母様の発案だったんですって。だから最初はお母様が叩いてらっしゃったのだけど、私があんまり、痛い痛いと泣くものだから、お母様は可哀想で叩けなくなってしまわれたの。それで、お父様がお母さまの代わりをすることになりました。
  最近は、お父様に怒られるような事はなにもありません。でも、お仕置きが無くなってしまうのも寂しいのです。お仕置きの前は、胸を締め付けられるように切ないのに、父の前に膝をつき、低く、静かに、語りかける父に諭されながら、膝の上に引き寄せられるその瞬間は、私にとって父をこの上なく身近に感じる、幸せな時間なの。終わると、ぎゅううっ・・・って抱きしめてもらい、それから、お父様のお膝に寄りかかって一週間にあった出来事とかを、聞いてもらって過ごします。よりかかったままに、眠ってしまうこともあるくらい。
  はっきりと尋ねたわけではないのですが、クラスメイトの中にそんなふうにお尻を叩くお家はないみたいな気がします。やっぱり、家は、古くからのしきたりとかがある家だからなのかなぁ。お母様も、お父様も、同じようにお仕置きされて育っていらしたんですって。だから、鞭を惜しむのは、いけないことだと思ってらっしゃるのです。

 隠しているだけで、本当はみんなそうやってお尻を叩かれているのかもしれない。そう疑って、ネットで調べてみた事があります。そしたら、びっくり。世の中には、お仕置きが大好きで、お膝に乗って叩かれたり、なにか細い棒のようなもので叩かれたり、ヘアブラシやいろいろな台所道具で叩かれるのが好きな人たちがいたのです。もちろん叩く人もそれが好きなのだと思います。私と同じように、叱られて、お尻を叩かれたいと思っている人たちがいっぱいいるなんて驚きでした。でも、これって、変態なんだよね・・・。 私は、お父様の大きな腕の中にすっぽりと収まって、 あったかさを感じるのが好きなだけで、変態とは違うと思うの。
 画像検索をしてみたら、服を脱いだりしている写真や、棒のような鞭で叩かれた 痛々しい写真がいっぱい並んでいたわ。私は、一度もそんなことされたこと無いし、されたいとも思わない。お父様に掌で優しく諭されるように叩かれるのが好きなの。お父様が、私が一週間どうやって過ごしたのかって事を気にかけてくれているのが分かって安心するのです。
 最近、お父様は、お仕事がとても忙しく て、毎日、私が一人で屋敷にいるのをとても心配してくれています。そして、時々、新しいお母さんが必要なんじゃないかとか言うのよ。凛は、お父様がいてくれさえすれば、それでいいのに。それにね。私、お父様はもしかして女の方にあまり興味が無いんじゃないかと思うことがあるの。あ、でも、時々ふっとそう感じるだけで、お父様がそうだと分かってるわけじゃないけど。きっと、お母様の事をいつまでも愛してらっしゃるのかもしれません。
 お仕置きをちゃんと我慢して済ませて、今日は、いっぱいお父様に甘えるつもりです。変なことばかり書いてごめんなさい。では、また。お返事をまっています。』



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    2015

02.09

スパンキング・クラブ 2

 焦っていた。佐久間みゆきは、めちゃくちゃ焦っていた。目が覚めたらとっくの昔に約束の時間を過ぎているというこの事態に気がついた時、みゆきは自分の体温が、一気に10度以上降下したような気がした。ただの錯覚だが、現実は厳しい。今日の約束の相手は、スパンキング倶楽部というサークルの先輩の手嶌御津彦である。
 スパンキング倶楽部というサークルは「悪いことをしたらお仕置きをしましょう」と、いう趣旨の元に結成されているサークルだ。手島は、カーで、お仕置きをする側の人間だった。そしてみゆきはキーなので、当然お仕置きをされる側なのである。約束の時間を遅刻するのは定番のお仕置きネタで、お仕置きされたさにわざと遅刻してくるキーもいるくらいである。しかし、手嶌のお仕置きの厳しさは半端ない。いや、まだ叩かれたことがないので、断言できないが、半端ないという評判である。みゆきが一番お仕置きを受けたくない相手のナンバーワンと言ってもいい。
 みゆきは大急ぎで、まず、彼に遅刻のメールを送った。それから5分で着替えて3分で歯を磨き、2分で顔を洗うと、玄関を飛び出した。メイクなんてしている場合でもなく、髪も解かす気持ちの余裕も全くない。

 手嶌の方はというと、することもないので、ぼんやりとホームのベンチに座っているしかなかった。そうなった理由は、待ち合わせしていたみゆきが、件名「遅刻」本文「寝坊」と、いうそっけないメールを送ってきたためである。しかも折り返し電話してみたが、走っている最中なのだろう。携帯に出なかったのだ。
 今、手嶌が心配しているのは、みゆきが焦るあまり、階段で足をもつれさせて、転げ落ちてくることだった。キーの遅刻ごときで気分を害したりしていては、カーは務まらないのだが、お仕置きをしないわけにも行かないだろうな・・・と、そこも考えておかねばならない。手嶌は、自販機で買ってきたコーヒーを飲み始めた。もちろん、みゆきの分の純粋ぶどうジュースも予め買ってある。ぶどうジュースを選んだのは、ただの適当な勘であるが。

 家を出てからの駅までの距離を考えて予想していたよりも、15分遅れてみゆきは階段を走り降りてきた。幸いにもつまずきそうになったのは残り2段の場所だったので、予め階段の下でスタンバイしていた手嶌は、みゆきを受け止めることが出来た。
「ご、ご、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。寝坊しちゃって。すいません。」
「分かってるから、そんな大きな声出さない。みんな見てるよ。」
 手嶌は、みゆきをベンチに座らせると、ぶどうジュースを渡した。みゆきは、ずっと走ってきたのだろう。すっかり息があがって、はかばかしくものも言えないようすだったが、ぶどうジュースの蓋を捻ると、ごくごくと喉を鳴らして、一気にジュースを飲みほした。おもいっきり息を吐き出す。
「いまさ。ここに座ってたら、向こう側のホームに座ってた人が、財布を忘れて電車に乗っちゃったんだよね。」
「え?」
 さっそくの説教を覚悟していたみゆきは、手嶌の振った話題につながりをみつけられずにぽかんとした。
「そしたらさ、次の客がやってきて、その財布を見つけた。どうしたと思う?」
「えーと、駅員に届けた?」
「ううん、気づかないふりをして、自分の持ってたタオルをその上に乗せた。」
「ふむふむ」
「そして、周囲を見回した。周りにいた何人かの人は、地下鉄と繋がった電車の方に乗って行った。それで安心したんだろうね。男は、タオルごと財布をバッグに入れて、その次の電車に乗った。」
「えー、それってネコババしたってことですよね。」
「うん、捕まったら遺失物横領罪だろうね。」
「えっと、犯罪になっちゃうんですか。」
「なるね。捕まった場合、僕が見ていた事を証言すると多分、起訴されちゃうだろうね。そうしたら、99%有罪になって前科がついちゃう。」
「ひえええ・・・。」
「こないだ、コンビニで携帯電話料金やたばこ代など約1万3千円の会計で、1万5千円を店員に渡したら、コンビニに店員が6万円を預かったと思い込んで、男性に4万6千円のお釣りを渡した。黙って受け取った男性は、詐欺罪で逮捕されちゃったよね。」
「あ、あれ、変だと思ったんですよね。お釣りに1万円札を出すってどういう間違いですか。」
「あれとかも、同じだと思うんだけど、彼らは最初から悪いことをしようと思ってたわけじゃないと思うんだよ。でも、向こうの方から金がやってきた。」
「そういえば、2700万円通帳に入ってて、ラッキーってつかっちゃったおんなのひとが逮捕されちゃった話もありました。」
「うん、あれ、さすがに金額が多くて、入金した相手と取引があったし、返して欲しいって請求を無視って逮捕されたんだよね。でも、間違えて違う口座入金しちゃっても、少額だと結構泣き寝入りになることあるんだよね。銀行が、組み換えって手続きをするんだけど相手から返事がこないと手のつけようが無いみたいな事言い出して。でも、ほんとは、不当利得返還請求権を行使して、ちゃんと返してもらえるんだけどね。でもさ、彼らは最初から犯罪を犯そうと思ってたわけじゃない。ちょっとした誘惑が目の前に差し出されて、出来心がわいちゃって、差し出されたものを掴んじゃったんだよね。もし、そこに財布が落ちていなかったら、彼も、財布を横領しようと企んだりしないと思うし、お釣りだって、100円200円の事だったら、ラッキーって思っちゃって、黙って受け取っちゃったりしちゃうって、あるんじゃないのかな。」
「うーん・・・確かに。」
「犯罪って自分とは全く関係が無いって思っていても、ほんとに、ちょっとしたタイミングで右を選ぶか左を選ぶかで、人の運命変わっちゃうんだなあ・・・。」
「ふむふむふむ。」
「まあ、佐久間さんが遅れてきてるのを待ってる間、そんな事をつらつらと考えながら、ここに座ってたってわけ。」
「ふむふむふむふむ。」
「ちゃんと時間通りに行かないとって、目覚ましをセットするかしないかで運命も変わっちゃうんだよね。まあ、いいんだけど。遅刻はパドル30発+送れた時間10分毎に10発追加だから。」
「え?」
 みゆきは急いで自分の腕時計を見ようとしたが、焦って家を出たので腕時計なんかしているはずもない。
「あ、あのう・・・今、何時でしょうか・・・。」
「45分の遅刻だから45発追加の75発。」
「あのですね。遅刻しようと思ってたわけじゃなくて、目覚ましもかけてたのにいつの間にか止めちゃってて、だから、右を選んだはずが左になっちゃっただけで、自分で意図して選択を変えた訳じゃないんなんですけど。だから、えーと、あの、つまり、減らしてもらえません?」
「それは、だめ。それに、君がここについてからすでにもう、2本電車が行っちゃってるんだけど、これで、僕らの運命も随分変わったはずだと思うんだよね。右と左の選択で変わったのは、主に君の運命の方なんだけど。」
 そのとき、3本目の乗るべき電車がゆっくりとホームに滑りこんできた。
 みゆきは、手嶌に促されて、とぼとぼと電車に乗り込む。
「運命っていうのはね、目的の現場で櫻守さんが僕達の来るのを待ってると思うんだよね。まあ、一応メールはしたら、待っててくれるって言ってたし、でも、彼女きっと一時間以上待ってることになると思うな。」
 櫻守というのは、スパンキングクラブのメンバーの一人で、主に、みゆき担当のカーなのだ。
「ひええええ・・・、もしかして、もしかして、それって別払いですか?」
「うーん、それを決めるのは僕じゃないからなぁ。」
「しくしく。」
「あ、一応、希望聞いとくけど、僕の分は、木のパドルと革のパドルどっちにする?」
「・・・木にします。」
「なんで、キーって、痛い方を選ぶのかな。」
「だってだって、革じゃ、まるでSMみたいじゃないですか。」
「そんなこだわりを持ってるのは日本人キーだけだと思うけどねぇ。」

 なぜなんだろう。キーの女の子は決していい加減な性格なわけでも、迷惑かけようと思ってるわけでもない。けど、なぜか、始終、遅刻してくる。だから手嶌も、何度も何度も何度も、こんなシーンを繰り返してるような気がする。それは、いつも同じようなルーティンを描いてるワークの一つのようだった。結局のところは、みゆきもやっぱりキーなのだ。キーだったら、どんなに頑張っても、やっぱり、遅刻してくるのが運命なのにちがいない。手嶌は、佐久間みゆきの今晩のお尻にちょっと同情した。



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    2013

03.23

お尻叩きの国の一人の娘の物語・1


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「アルフ兄さん、私、領主様の街のお屋敷に年季奉公へ行くことに決まったのです。お別れに、向こうへ行っても、私らしく頑張れるように、活をいれて欲しいの」

 私の住む村には、昔から年長者が年少者の指導と教育に責任があるという考え方が根付いている。夫は妻に、親は子供に、兄姉は弟妹に、店主は使用人に、族長は一族のものに、村長は村民に、領主は領民に、教え聡し罰を与えることが使命なのであった。自分が愛する者たちを大人として、一人の人間として育てる。そのためには、自己も正しくあらねばならず、若輩者に尊敬される振る舞いをしなくてはいけない。

 そうやって、村の規律は守られ、穏やかで争いのない平和を守っていくのだ。少なくとも私はそう信じて育った。我が家の兄弟姉妹は総勢七人。貧しい小作農の家族が総出で家をもり立てるために働き詰めに働いても、苦しい台所事情に変わりはない。長女の私は16になった春に、当然のように年季奉公へ出されることになった。領主様のお屋敷に上がれるといえば、周囲の娘たちにとっては羨望の的の働き口だ。

 領主様は、たいへん徳の高いお方で、国王陛下の覚えもめでたい。ましてや、街のお屋敷へ小間使いとして迎えられるということは、勤め上げれば、領主様がきちんとした嫁ぎ先を面倒みてくれるという未来が約束されている。ほとんどの娘が村を一歩も出ないで、一生を終わる時代に、信じられない幸運というものであったろう。

 でも、私の気持ちはちっとも晴れなかった。

 両親が早く亡くなったため、隣の家に一人で住んでいるアルフレッド兄さんは、忙しい私の両親の代わりに、私達になにかと目をかけてくれた。幼い頃から、足元を転げまわり。まとわりつき、お守りをしてもらいながら育ったのだ。家族の一員と言ってもいい人だった。でも、明日、旅立ってしまっては、もう、兄さんに会うことも叶わなくなる。年季奉公が明けるまで家に帰ることは許されないだろうし。7年という長い年季は、16歳の私にとっては、途方も無い時間に思えた。帰ってきた時は、私は23歳。そして、28のアルフレッド兄さんは35だ。

 泣いちゃいけない。私は、瞬きして涙をはらい、兄さんに笑顔を見せた。家族にとっては、私の奉公で得られるお金は、本当に必要なお金。それがあれば、雨漏りしている屋根も葺けるし、弟を学校に行かせられるかもしれない。弟は、兄弟の中では、一番頭がいい。小作人になるのは、あまりにももったいないと、口癖のように父は言う。



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「そうか」
 アルフ兄さんは、ちょっと虚をつかれたような表情を覗かせたが、さっと視線を反らせた。濡れたような黒いくっきりした瞳には、兄さんが何を考えているのか映し出されてはいなかった。

「おいで」

 兄さんの手の示す場所へ進む。この家の主人が座る大きな肘掛け椅子の側へ、アルフ兄さんは私を導いた。何度、私は、こうしてアルフ兄さんの膝の上でお仕置きを受けたことだろう。この膝の上に乗るのが好きだった。お尻を出されて、その肌を直にくるりと撫でられるのも。痛くて泣きながら、その懐へしがみついて頭を撫でてもらうのも。

 アルフ兄さんはいつものように椅子に腰掛け、いつものように私を抱き寄せて膝に乗せた。兄さんの脚の上にうつ伏せになった私は、もう、顔を見られていない安心感にギュッと瞼を瞑った。涙がその瞼を押し上げて溢れる。暖かい兄さんの膝にしがみつく。手順通りに、スカートとペチコートを捲り上げ、ズロースの紐を解いて少し引き下げる。
 兄の目の下には、いまむき出しのお尻が晒されていた。この日のために、こっそりと台所からくすねたバターを薄く塗って、つやつやと磨き上げてきた、私の、白いお尻が。悪いことはした時は、100発。約束を破った時は、50発。そして励ましの活を入れてもらう時は、ゆっくりと一発一発を長いストロークで20発。他人であるはずのアルフ兄さんのそばで過ごした16年間の思い出が私の閉じた瞼に走馬灯のようにとおりすぎていく。

パーン!

 兄さんの大きな手が澄んだ音を響かせて、私のお尻の上で鳴った。叩かれた表面にジンジンと痺れるような痛みを残しながら。私の身体の中心にぽっと炎が灯る。ゆらゆらと揺れる小さな炎。でも、それは確実に私のお腹の中を暖めて、足の間を熱く火照らせる、不思議な炎だった。私は、その痛みと、泣きたくなるようなもどかしさをもたらす兄の手の感触を心の中で反芻した。ひとつ。ふたつ。みっつ。よっつ。いつつ。

 ひと打ち毎に、痛みは増し、身体も熱くなる。数をかぞえるのが惜しい。終わりになってしまうのが惜しい。私は、声もなく、泣きながら膝にしがみつき続けた。

 じゅうく。もう、終わり。兄さんと私の間はもう終わり。明日からは遠く街へ旅立って、もう、野良仕事から帰ってきたアルフ兄さんの足を洗ってあげることも、おすそわけの食事を暖めてあげることもできないのだ。

「マリエ。小さなマリエ」

 話しかけてくる兄の声に、私は嗚咽を噛み殺す。

「愛しいマリエ、許しておくれ。」

 兄が何を言い出したのか分からず、私は思わず、身体を起こそうとした。でも、兄は大きな手で私の背中を押さえつけ、起き直ることを許さなかった。

「お前が一人前になるのを待っていたよ。一人の女になる時を。それは、もう、目の前だったのに、残念な事になってしまった。俺ももう28だ。いい加減女房も貰わないといけない。子供も作らないといけない。元気なうちに子供を育て上げないと、いつまでも延ばし延ばしにしていたら、子供が大人になる前に、野良仕事が辛いものになってしまう。それに、俺も男だ。一人暮らしを続けていくのも限界だ。多分、お前が、7年後に年季が明ける時は、俺は妻を貰っているだろう。子供も産まれているだろう。」

 私は、思わず目を見開いた。子供の頃から胸に抱いていた。兄さんの妻になること。子供を産むこと。家族のそばで、新しい家族を作り、段々太って農家の女将さんになること。この村で暮らし、この村で死んでいくこと。私は思わず頭を振りたくった。いや、いや、いや。このお仕置きが終わり、この膝から降りたら。アルフ兄さんの妻になるのは、私が知っている村の娘たちの誰かになってしまう。あの娘かもしれない。それともあの娘かも。
 兄さんに、そのつもりがある事が分かっていたら、奉公の話が出た時に断ることも出来たのに。兄さんの女将さんになりたいと父に訴えて・・・。



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 ひゅっと、音を立てて私は、考えが巡る長い長い間詰めていた息を吸い込んだ。

 できない・・・。

 奉公を断ることなんて、できない。私を売って得るお金は、どうしたって、今、家族に必要なもの。私の運命。私の変えようが無い未来なのだ。私は、アルフ兄さんの膝に思い切りしがみついて泣いた。アルフ兄さんだって、分かっている。行くな、と、言えないことを分かっている。私の中の時間が止まった。兄さん。兄さん。兄さん。愛してる。離さないで。私を離さないで。そばにおいて。言葉はぐるぐると頭の中を周り、そして、心の深い深い所へしまい込まれた。
 私の身体の動きから、アルフ兄さんは、すべてを読み取っていたと思う。しっかりと左手で腰を抱きかかえ、赤く火照るお尻にその暖かい大きな手を乗せたまま、じっと待っていてくれた。兄さんの手のひらからゆっくりとそのぬくもりが、心が、そして慈しみが流れ込んでくる。16年。どんなに兄さんが好きだったか。

ふと、二人のため息が重なった次の瞬間。

 掌のぬくもりは、私の肌を離れ、高い音を家の中に、そして、私の知っていた小さな世界いっぱいに響かせた。

パーーーーーーン!!

「二十」

 それは動かしようがない二人のお別れの鐘だった。





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    2013

01.07

望まぬお仕置き・3


 不思議な綾を織り成しているかのようなキーの想いに比べれば、カーの欲求は単純のように思える事があります。嫌がる相手を痛めつける・・・・。サディズムの発露です。しかし、それほど単純でしょうか。
 よく考えてみてください。あなたが「お仕置き」したい相手は、あなたが好きな相手ですか?それとも、好き嫌いは関係ない?反対にあなたを好きな相手のほうがいいですか?あなたを嫌っていても平気?
 いつも恋する相手との睦言の延長にあるラブスパンキングと違い。「お仕置き」の場合は、あれこれと想像する余地がありそうです。

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 お仕置きを受ける相手は、男性かもしれませんし、女性かもしれません。あなたよりも年上の可能性もあり、ずっと年下の子供のような相手かもしれません。(実際には成人した相手としか出来ませんが、想像上では、学生だと仮定しても許されるでしょう。)
 あなたの好みのキーを想像できたでしょうか。では、その相手を懲罰室に呼び出すことにしましょう。


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 「お仕置き」することは、もう、決まっているのですから、相手の言い訳を聞いてあげるのも退けるのもあなたの自由です。獲物が一生懸命に逃れようと画策する様を楽しんでみますか?言い訳の内容に納得したような振りをして、うなずいてあげましょう。彼女の希望を味わい、それからそれをキッパリと退けるのです。
 さて、条件を決めるのはカーの楽しみのひとつです。どんな形でお仕置きしたいでしょうか。
「膝の上に乗せたい」?
 そう言うと思っていましたよ。だって、そうすれば生贄のもがくのを直に身体で感じる事が出来ますものね。


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 あなたがもし男性なら、膝の上に乗せる事は、もうひとつの楽しみも味わうことになるでしょう。無意識のうちにもがく身体が、あなたの性器を刺激することになるからです。性的刺激とは無縁なキーという設定だとしても、カーからそれを取り除くのは至難の業のような気がします。
 暴力と死はセックスと密接に結びついているからです。たとえば、戦場で命を賭けた戦闘の後に、多くの兵士達が性欲を発散させたいという欲求を感じます。それは、自分が生き残ったと云う事の確認のための欲求であり、自然な本能の結果です。


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 それほどの極限の状態ではなくとも、お尻を叩く事は、カーにとっては、性的欲求と切り離すのは難しいと思います。アクティブに動く事が、どうしてもそこへ影響を与えてしまうように思うからです。 
 さあ、嫌がる生贄をあなたの膝の上に乗せてください。スカートをめくり(ズボンを降ろし)お尻を撫でながら、なぜ叩かれなければならないのか言い聞かせましょう。もっともらしいお説教がなければ「お仕置き」はただの暴力と化してしまいかねません。


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 あなたに必要なのは、欲求を制御する事です。欲望のままに暴力を振るう事は許されていません。ルールに基づいて行動してこそ、カーとしての面目も保たれるのです。
 慣れないうちは回数を決めて叩くことにしましょうか。膝の上に乗っている相手にその回数を宣言します。それから、平手でお尻を叩き始めましょう。


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 もしも、相手が非常にバタバタと暴れて押さえつけなければいけないとしたら、激しく速く叩く事もあるでしょう。強い言葉で叱責しながら、次々にスパンキングを繰り出して、相手の反抗心を押さえつけます。
 反対にじっと大人しく我慢している相手であれば、勿体をつけて相手の反応を楽しむことも可能です。お尻を撫でたり、抓ったりしてみましょう。脅すようにお尻に手を当てたまま、相手にいろいろと質問して、不安をあおるのも楽しいかもしれません。


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 さて、叩き始めます。掌の使い方に注意しましょう。自分の手を痛めつける結果にならないように、試行錯誤してみてください。一打ち毎に相手の反応を確かめて、打擲が利いているか、ちょうどよい強さか、考えましょう。
 相手の呻き声や小さな悲鳴も楽しみのひとつです。相手に数を数えさせるのもいいかもしれませんね。


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 手順どおりに勧めたら、下着を脱がす順番がやってきました。これは楽しみのひとつなのではないでしょうか。(それとも、あなたは服を脱がすのは好きじゃありませんか?そういう方もいらっしゃるでしょうけど、とりあえず好きだと云う事にして話を進めさせていただきます。)下着を脱がされる事は恥ずかしく辛いことなので、相手は恥じらい嫌がります。スパンキングに慣れたキーでも、やっぱり反応はあるはずなので、十分にあおって楽しみましょう。
 下着を降ろすと赤く染まった、夢にまで見たお尻の登場です。眼で見て手で触って、存分に味わいましょう。ひりひりとお尻は赤く熱く熱を持ってきていますか?


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 布越しに叩くよりも直に叩く方が、楽しみが格段に深まるのが分かる事と思います。すべすべした肌触りや弾力を楽しむだけではありません。あなたが相手に行った行為の結果を確かめながら叩く事が出来るからです。
 自分の掌が酷く痛むようなら、道具を使うことも可能です。パドルを試すのもいいかもしれませんね。掌で叩くのとは音が全然違いますから。叩かれる相手の反応も違います。それは、確実に違う種類の痛みなので、その違いをよく相手にも味わってもらうのがいいでしょう。


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 熱く火照って熱を持ってくると、最初ほどには痛みを感じなくなってきます。これは、掌のスパンキングの特徴かもしえません。しかし、望まないお仕置きなのですから、段々強くして相手の苦しみを引き出さねばなりません。
 道具を使っているときは話は別です。痛みは深く内部まで響きますので、一打ごとに耐え難さが増します。軽く叩いていてさえもさっきよりも強く痛みを感じるようになります。


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 どちらにしても、お仕置きの強さはどんどんとテンションが上がってきているはずです。ここで相手が泣き喚くように誘導するのも一つの楽しみです。痛みと叫びと狂乱が、相手に与える影響は驚くべきものがあります。ですから、思いっきり泣き喚くほどに叩いてあげるのもいいでしょう。
 嫌がって暴れるようなら押さえつけて叩き続けます。お尻は怪我をしにくい場所ですが、最初からあまり酷く叩くと、その後の生活に差しさわりが出ますので、考慮しなくてはなりません。


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 難しいのはここです。「お仕置き」がただのプレイにならないように、相手が寄りよく反省するようにもって行こうと努力する事を放棄してはなりません。結果として、混乱した相手の頭を素通りすることになろうとも、あなたが興奮のあまりに目的を忘れてはなりません。
 自分の楽しみも存分に味わいながらも、相手にこの苦行の中から淫らな楽しみを拾った事をうしろめたく思わないように「お仕置き」の体裁をきちんと整えてあげるのです。


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 たとえ、すべてが終わったときに、振り払った涙の陰で交わす視線が共犯者のものであったとしても。「お仕置き」は、激しい痛みと望まぬ物である事が、お互いにとって必要である事は忘れてはいけません。



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    2013

01.05

望まぬお仕置き・2


 さて、昨日の続きです。あなたは痛みに燃え上がる裸のお尻を晒して、机の上に手を付いています。すでに、あなたの頭の中にはしてはいけない事をしてしまった反省などかけらもありません。存在するのは「痛み」あなたが初めて味あうことになった、他人から与えられる耐え難い「痛み」です。
 もしも出来るものならば、起き上がり、先生の手をはね除けて教室の外へ逃げ出したい。もう、耐えられない。これ以上は我慢できない。心の中でいくら繰り返してみても、状況は変わりません。


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 ひりひりと痛むお尻の上に、再びケインが押し当てられます。それは、さっきの激痛がもう一度繰り返される事を意味しています。いいえ。さっきよりももっと悪い。だって、布一枚とはいえ、あなたの肌を覆っていた下着は取り払われて素肌を叩かれようとしているのですから。
 すくみ上がり、泣きそうになりながら、身体に力を入れて次の一打を待ちましょう。さあ、どんな気持ちでしょうか。今まさに、選べるとしたら、どうしますか?「お仕置き」中止して逃げ出せるとしたら、あなたはどうするでしょうか。


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 長い間の憧れは、痛みによって消し去られたでしょうか。もう、叩かれたくないと思いますか。それが、普通なのでは無いでしょうか。そう、鞭の痛みを受ける時、もっともっとと願えるのは、ずっとずっと先のことです。今は、ただただ、この苦行から逃れられるのなら、どんな約束でもしてしまう事でしょう。
「許してください。もう、二度としません。ぜったいにしませんから。」
 教師に泣いて訴えましょう。謝罪し、約束を繰り返し。涙を振り零して身もだえして見せましょう。


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 これが「お仕置き」の醍醐味というものです。いくら泣いて謝っても、絶対に許されず、何度も何度も叩かれる。そのたびにあなたは悲鳴をあげ、もがき、振り下ろされるケインからどうにかして身体を守ろうとするかもしれません。
 でも、それが許されないのが「お仕置き」です。教師は冷たく、あなたの懇願を跳ね除けます。あなたが、もう一度、自分の姿勢を正して、打たれやすい姿勢をとるのを待っています。あなたは、自らの忍耐と克己心を持って、ケインの下に身体を差し出さねばなりません。


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 何回叩かれれば許されるかきかされましたか?その数の間はじっと、耐えて姿勢を保つしかないのです。痛む場所を手で擦ったり、覆ったりしてはいけません。あなたの細い指がケインに当たると、思わぬ怪我をしてしまいますよ。
 打たれる瞬間に身体が跳ね上がり、足が跳ね上がるのは大目に見てあげましょう。なんと言っても、初めての経験ですから。そういう反射的な身体的反応は、なかなか抑えられないものですからね。もちろん泣いてもいいんです。


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「ごめんなさい。許して下さい。もうしません。ああ、もう、耐えられない。我慢できない。許して。許して。」
 あなたの懇願が、お仕置きを彩るのにふさわしいものであれば、多分教師は黙殺してくれるでしょう。あまりにうるさく、ぎゃあぎゃあと叫べば、回数を増やす結果になってしまうかもしれませんけどね。
 そういう、反応は、教師によって好みの分かれるところなのです。じっと動かず我慢する様子が好きな先生もいますからね。懲罰者の好みを知っている事は大事な事かもしれません。


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 さあ、クライマックスです。ひときわ強く、ひときわ厳しい一打があなたを叫ばせることでしょう。教師は静かに終わりを告げると、下着を着けるように言ってくれるかもしれません。あるいは部屋の隅に行って、赤くみみず腫れを刻んだお尻を晒したまま、反省するように言われるかもしれません。
 よく我慢しましたね。ズキズキと苛むその余韻を十分に味わってください。懲罰の最中にあなたが上げた悲鳴、流した涙。教師とはいえ男に晒した恥ずかしい痴態を頭の中で反芻しましょう。
 もう二度とごめんだ。そう思うかもしれませんね。多分。その痛みを「もう一度と」願うのは、そのお尻の痣が薄くなってくる頃の事でしょう。そう、絶対に、もう嫌だと思いながらも、甘く濡れているあなたの身体の事は、みんなには内緒にしておいて上げますから。


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    2013

01.04

望まぬお仕置き・1


 多くのスパンキングサイトでのストーリーは「お仕置き」が中心です。ラブスパンキングとは違い、セックスとは関係が無い物語です。もちろん、そのメディアを楽しむ私達は、それによって性的興奮を感じる場合もあるでしょう。しかし、画像の中で泣いている、お仕置きを受けている女性は、決してそういう形では描かれていません。


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 さて、それでは、ちょっと想像してみてください。あなたは学生。セックスがなんなのか、まだよく知らない年頃です。いけないことをしたために学校の先生に懲罰室に呼び出されてしまいました。
 待っているのはお尻叩きのお仕置きです。規則を破ったその時には、それが先生にばれるとは思っていませんでした。ましてや、お尻を叩かれる事になろうとは・・・・。何とかして逃げ出す方法は無いものでしょうか。


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 懲罰室へ向かいながらあなたは考えます。ありとあらゆる言い訳を。先生に自分がしてしまった事をやむをえない事情だったと理解してもらえれば、お尻を叩かれないですむのではないでしょうか。
 先週、お仕置きを受けたクラスメートの話に寄れば、先生の懲罰は飛び上がるほどに痛いと云う事です。痛い思いをするのはとっても嫌なだけでなく、もう、お尻を叩かれるほどに子供ではないと思えてきます。


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 懲罰室のドアをノックします。「入りなさい。」と、言う先生の低い声。途端に、今から自分の身に起ころうとしている事が、ものすごく現実味を帯びて迫ってきます。
 急に恐怖が湧き上がり膝が震えます。喉が渇いて舌が上顎にくっつきそうです。ドアを開けると怖い顔をした先生がゆっくりと振り向きました。


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「なんで呼ばれたか分かっているね。」
「はい。サー。でも・・・。」
 あなたは思いつく限りの言い訳をたどたどしく訴えます。言い募っているうちに、それが本当のように思えてきて、罰を受けるのは不当だという気持ちがしてきます。お尻を叩かれる事の惨めさが喉を締め付けます。目が潤んできて声が震えます。
 でも、先生は決して動かされません。懲罰室にやってきた少女達の多くが、みな同じ様に言い訳をする事を知っているのです。
「言いたいことはそれだけかね。」
 先生は冷たく机の上に両手を付く様に、身振りで示します。


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 もう、逃げられないのだと云う事が、ひしひしと感じられた時の、あなたの気持ちを想像してください。大きくなってから、こんな形でお仕置きを受けるのは初めてだと考えてみてください。あなたのお尻を叩くのは、尊敬する教師だと云う事を噛み締めてみてください。(もしくは、たいして好きでもない嫌な教師だと(笑))
 でも、逆らう事は許されていません。そういうシステムなのです。あなたは、机に両手を付くしか選択肢がありません。






 どんな気持ちがするでしょうか。お仕置きを受けるためにそうして待っている時間は・・・。先生はあなたがしたルール破りについて話しています。なぜ、それが許されないのか。どういう罰に値するのか。このお仕置きがどれほどあなたのためになるか。
 ・・・・要するに益体も無い、お説教です。先生の低い言葉はあなたの頭の上を通り過ぎて行きます。あなたの頭の中は、今からお尻を叩かれるという逃れられない事実でいっぱいです。


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 そこで、教師はあなたのスカートを捲り上げます。もう、大人になりかかっている貴方にとって、スカートをまくられると云う事は恥ずかしいだけでなく侮辱です。誰にも見せたくない下着を、教師に見られなければならないのですから。教師は、説教を続けながらあなたのお尻にケインを押し当てます。
 その籐の鞭が、どれほどの威力をもたらすのか、あなたにはおぼろげな知識しかありません。だとしても恐ろしいのは同じです。泣いていたクラスメートの、腫れ上がった傷だらけのお尻が目に浮かびます。


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 一打目が、振り下ろされます。あまりの痛みにあなたは飛び上がるでしょう。悲鳴を上げるかもしれません。何しろとんでもなく痛いのはうけあいです。身体の中心へ向けて疼痛が差し込むように響きます。ゆっくりと、その鋭い痛みが遠ざかると、ジンジンと痺れるような痛みに変化していきます。あなたは、あまりの痛みにびっくりして、思わず逃げ出そうと起き上がります。


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 もちろん、そんな事は許されていません。教師の鋭い制止と叱責が飛び、あなたは元の姿勢に戻らないといけないのです。それは、もう一度打たれることを意味しています。いいえ、一度だけではありません。何度も。何度も。何度も。同じ痛みが繰り返されるのです。
 純粋な痛み。燃え上がるように突き刺す激痛です。あなたは叫び、脚を跳ね上げるでしょう。じっとしているのは、難しい事でしょう。教師が、次に来る一打を思い知らせようと、酷く力を入れて打つ前に、あなたのお尻を軽くパンパンとケインで叩いて見せる時、あなたはあまりの恐怖に震え上がるでしょう。


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 しかも、それだけではありません。あなたがもっとよく反省できるように、教師はあなたの下着を脱がせようとします。それが、何を意味するか考えてください。あなたのお尻はむき出しになり、素肌に直にケインが振り下ろされる事になります。
 さっきよりももっともっと痛いはずです。すでに赤くなり傷ついている肌に、もっと酷く食い込むことでしょう。しかも、下着を脱がされると云う事は身体を教師に見られてしまうのです。


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 そんな姿勢をとれば、あなたが隠しておきたいと考える、娘になってから誰にも見せた事の無いプライベートな場所が、教師の目に触れてしまうかもしれません。ぴったりと脚を閉じていても、やっぱり見えてしまうでしょう。それ以上に痛みにもがいたり、脚をばたつかせてしまえば、もっと恥ずかしい惨状を晒してしまうかもしれません。


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 どんなに痛くとも、恥ずかしくとも、逃げ出す事が許されない。それが「お仕置き」という物だと云う事を、よくよく考えてみてください。あなたはそれでも「お仕置き」されてみたいと思いますか?
 ケインの下で泣いて見たいと思いますか?それはいったいどういう不思議なのでしょうか。そんな物に憧れる、そんな物を望んでしまう。私達の心の中は・・・・。



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    2008

09.12

お仕置き・62

琴音・1(第一部・夫)を先に読む
琴音・8(第二部・義母)を先に読む
琴音・16(第三部・義父)を先に読む
琴音・20(第四部・お披露目)を先に読む

★琴音・28★ 


 ひゅうううぅうぅん・・・・。

 遠ざかり、ひるがえり、風を切る。

 衝撃は、彼女の身体を引き裂き。反射的に、吊られた足首を中心に身体が反り返った。
「きゃあああああああああぁぁぁ・・・・っ!」

 じゃらん・・・!と、鎖が鳴り、揺れるスチールバー動かなくなるまで、智也は待った。次の一打を入れるのはその後だ。妻が、痛みと絶望を味わい尽くし、気を抜くその瞬間を狙って次の一打を入れる。
 彼女は僕を怨んでるだろう。こんな目に合わせる、夫に裏切られたと思っているだろう。「仕置き」という、言葉の意味。行為の意味を見失っているだろう。
 智也は歯を食いしばった。妻の悲鳴、痛み、苦しみはすべて自分がもたらしているのだった。
 






 なぜ、こんな事を?なぜ、こんなしきたりを?おそらくは、何度も何度も。打ちすえられる女たちの胸の中をよぎるその思いが、今、執行者として、妻を打つ自分に向けられてくる。
 誰も分からない。誰も知らない。なぜ、こんなに魅せられてしまうのか。続けられてきた。家をひとつに、一族を一つに纏め上げて来た。そのしきたり。
 禍々しく、・・・それでいて、男たちを女たちを、捉えて離さなかった毒をはらんだ蠱惑。それがもたらす残酷な喜び。それが、今、智也の胸のうちに溢れだしていた。






「ひいいいい・・・いいいぃいぃ・・・・。」
 痛みにあげる悲鳴も、もう掠れがちだった。琴音の瞳は虚ろになり、ただ無意識に硬直し、跳ねあがり、弛緩する。智也は手加減することなく。ケインを振りかざし、振り下ろした。
 皮膚が裂け、血が滲み出す。痛みが、身体中に満ち、膨れ上がり、そして、弾ける。

 十打目。

 智也は渾身の力を込めて、彼女の身体を引き裂いた。ばらばらになり、壊れ、崩れていく想いが、空中に弾けた。部屋に詰めていた人々は、しん・・・・っとして、伝い落ちる赤い血をみつめている。
 その静まり返った座に、鎖が揺れる音だけが、聞こえていた。






 すべてが終わった時、琴音は呆然と宙を見つめているばかりだった。時々痛みに身体が痙攣する。枷を外し、台から降ろされた琴音は、立っている事も覚束ない様子で、自分の身体を支える事も出来ずよろめいた。裾をかき合わせてやり、妻を抱きあげて、智也は軽く黙礼すると部屋を下がった。後は、両親が、ひとりひとりに酒のふるまい。座はお開きになるはずだった。
 琴音がどう考えようと、彼女の身体を分け合った皆は、もう、彼女を当主になる男のつれあいとして認め、決して無礼をふるまう事はな無い。彼女を打ち据えられるのは夫である智也だけになり、父も母も、もう、彼女を仕置きする事は無くなる。
 






 人の視線の無い部屋に戻ると、琴音は関を切ったように泣いた。泣いて、泣いて、泣いて、何もかも吐きだしてしまうかのように激しく泣きむせんだ。そして、泣きながら、しゃくりあげながら、抱き寄せる夫の腕の中で丸くなって眠った。幼子のように、何も考えず、なにも思い悩まず、絞りつくした体力の抜けた身体が要求するままに。




 さて、この後、二人がどうなったのか、皆さん、知りたいですか?
 答えはすべてあなたの深淵の中にあります。琴音が見つけたもの。智也が見つけたもの。私が見つけたもの。そして・・・あなたが見つけたもの。
 勇気があるなら覗きこんでください。けれど、覚悟が無いのなら覗かない方がよろしでしょう。それは、一度越えると、戻って来れない道の始まりかもしれませんから・・・・。


【終わり】


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    2008

09.11

お仕置き・61

琴音・1(第一部・夫)を先に読む
琴音・8(第二部・義母)を先に読む
琴音・16(第三部・義父)を先に読む
琴音・20(第四部・お披露目)を先に読む

★琴音・28★ 


 智也は、琴音の反応を予想していたのか、まったく、慌てずに、その身体を受け止めた。そして、もう一度、台の上に引きずり上げると彼女の両手首を掴み、頭上に捻り上げた。台の下に隠れるように下がっていた、革紐が彼女の手首にくるりと回され、手早く引き絞られた。腕は肘から頭の後ろへ向けて曲げられ、もう、自由にならなかった。智也は手首の皮紐がそれ以上締まらないようにするために、とりつけられている金具を調節すると、彼女の驚きと絶望に見開かれた瞳をじっと覗きこんだ。
 お互いに一言も交わす事無く、ただ、見つめあう。瞳の奥にすべての答えがあるかのように。救いがあるかのように。
 だが、智也は、二人の間のつながりを振り切るようにふいっと、視線を逸らすと、彼女の脚を吊り上げるための作業へ戻って行った。






 「いやああああああああっ!」
 反対側の足首を掴まれた、琴音の止まっていたいた時間が動き出した。がっしりと掴まれて、ふりほどく事の出来ない男の力に、渾身で逆らいながら、彼女はもがいた。脚を開かれたくない。頭にあるのはそれだけ。身の安全を考えない動きに、再び彼女の身体は台から滑り落ちる。
 だが、手首と右足首に科せられた縛めと、左足首に食い込む彼女の夫の手は、彼女を自由にしてくれなかった。夫の手のひらの代わりに、固い皮の枷が捲きつき、締められる。ガチャッっと、金属の鳴る音がして彼女の四肢は、自由を失った。
「いや!いやっ!やめてえええ・・・!」






 スチールバーを天井につないであった鎖が、ウィンチで、巻き上げられ始めた。無情な機械音とともにバーは吊上げられて行く。開かれた脚は引き伸ばされ、何もかもが無残に、引きはだけられて行く。
「いやあああああっ!やめてっ!やめてえええええっ!」
 腰を跳ねさせさせ、膝を曲げる。だが、台の上から、尻が持ち上がるまで、ウィンチは止まらず、彼女の身体は肩を台に乗せているものの、すでに吊上げられている状態だった。もがいても、腰をひねっても、脚を閉じる事も、隠す事も出来ない。
 力を込め、身をもががせ続ける琴音の喘ぎを、切れ切れの泣き声が、揺れる鎖の音とともに辺りに響き続けた。

「あっ。あっ。あっ。あっ。・・・・ああああ・・・・。」
 諦めるしかない。その事を琴音が悟り、身体の力を抜くまで。






 琴音は、今、自分が置かれている状態が信じられなかった。無我夢中で、暴れていた時間が過ぎると、諦めとともに、空中に放り出されたような浮遊感を伴う現実感の無さが、彼女を捉えた。あり得ない現実。あり得ない事実。こんな事が我が身に起きるはずが無い。

 新たな涙が溢れ、瞳に盛り上がり流れ落ちる。
 その感触とともに、戻ってくる時間、周囲の音。そして、羞恥心。わずかに上半身を覆う乱れた着物と、むき出しになって腹まであらわになった下半身と。かああっと身体が熱くなり。たくさんの人たちの視線が肌に突き刺さり、すべてをさらけ出している事が、耐えがたく胸を苛む。
 もう一度足を閉じようとした、琴音は、身体を捻り、スチールバーに繋がれた金具を鳴らした。その音は、ただ、琴音に絶望をもたらしただけだった。そして、ひゅうううん・・・っと、空を切るケインの音が彼女を我に返らせた。

続く
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    2008

08.24

お仕置き・60

琴音・1(第一部・夫)を先に読む
琴音・8(第二部・義母)を先に読む
琴音・16(第三部・義父)を先に読む
琴音・20(第四部・お披露目)を先に読む

★琴音・27★ 


 智也の手が着物の裾に掛かり、冷たい綸子の布が肌の上をするすると滑っていく。火照って赤くなった尻が夫の前に現れる。見ているのは夫だけだ。だから、大丈夫。だから、耐えられる。

 なにが、大丈夫だったんだろう?何を耐えればいいんだろう?

 熱く、気のせいか、自分でも一回り膨れ上がったと思われる肌に、冷たいパドルの表面が押しあてられる。ぴたぴたと予告するかのように。前を向いているのに、視線を動かした訳でもないのに、真後ろにいる、夫が自分の尻にパドルを押しあててる様が視界の端に見えたような気がした。
 ゆっくりと振りかぶり、振り下ろす様が。そのパドルの動きが。肌に近づいてくるその軌跡が・・・・。


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 バッチィイイイイイィン!!

 痛みが、炸裂した瞬間に、琴音はいつものようにひゅうっと、息を吸い込んだ。身体が前のめりになり、ギュッと瞑った瞼の裏に、赤い火花が飛ぶ。吸い込むために開けた口から吐きだされる息とともに、悲鳴が、零れおちて行く。止めようがなく、抑えようもない。
 痛みが、身体全体に拡がって行く間、琴音は手をついた台の縁を握りしめる事しか出来なかった。
「ひとおおっつ」
 数える智也の声だけが、今の琴音にとってただ一つの拠りどころだった。

 ぶれる視界に、自分を見つめている人たちの歓喜を隠しきれない表情が飛ぶように流れるのが映った。どれほどの言い訳をしようとも、愛や、しきたりの言葉で覆い隠そうとしても、見世物になっている事実は、消しようがない。欲望を隠そうともしない男たちが、そして憐れむように眉を顰める女たちが、わき上がるサディズムの感情に酔いしれ始めているのが、琴音の、剥きだしになった感覚に喰い込むように感じられる。


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 バッシィイイィイイイィン!!

 速く、ときにはじらすように遅く。琴音が、その痛みを充分に味わえるように。また、体勢を立て直す余裕を与えず、思いっきり泣けるように。智也の打擲は、琴音の抵抗を削ぎ落とすように、容赦なく続いた。
 琴音の見開かれた瞳から、大粒の涙が溢れ、零れ落ちる。痛みは一打毎に強く、熱く燃え上がるように感じられるのに、恥辱に満ちた世界は段々と琴音の周りから遠ざかって行くようだった。
 何もかもが混沌と混じり合い、それでいてクリアに手で掴みとれるような気がしてくる。一打毎に、高ぶっていく、皆の高揚していく残酷さ。その前に差し出されている若妻の痛みに泣き悶えるその姿を、一滴残らずしゃぶりつくそうとする人々の欲望が。


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 ああああああぁぁぁ!!!

 涙にすっかり濡れて、苦痛に歪み赤くなった打ち振る顔も、段々とはだけてくる胸元も、台の縁を握りしめる白くなった指も。勝手に跳ねる脚も。捻じれる身体も。

 楽しんでいる。
 私の苦痛を、苦難を、恥辱を、避けられない定めを・・・。
 彼らは楽しんでいるのだ。夫も、そして義父も義母も・・・。

 琴音の心は、ばらばらになり、痛みの中で、揉みくちゃになった。守っていた自尊心を繋いでいた鎖の輪が、一つ一つ緩み始めていた。

「にゅじゅうううううごっ!」
 最後の声を聞いた時、琴音の足はもう彼女の身体を支えてはくれなかった。彼女はずるずると、台の端から滑り落ちた。



続く・・・


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    2008

04.08

お仕置き・59

琴音・1(第一部・夫)を先に読む
琴音・8(第二部・義母)を先に読む
琴音・16(第三部・義父)を先に読む
琴音・20(第四部・お披露目)を先に読む

★琴音・26★ 


 いかにも凶暴な、その分厚い姿が、どれほどの痛みを自分の身にあたようとしているのか想像すると、恐ろしくてならない。25打と言えば、さほどの数ではないような気がしても、すでに、いつになく厳しく強く打たれて腫れあがった彼女の身体が、どれだけ耐えられるのかと思うと、おぼつかない心持ちもするのだった。
 だんだんに、慣れて、だんだんに、耐えられるようになっていた琴音だったが、今日の展開はあまりにも考えていたのと違い、次にはいったい何が起こるのか、分からないだけに、琴音は恐ろしくてならなかった。


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 後ろに下がっていた智也がおもむろに進み出ると、じっと琴音をみつめた後、パドルを取り上げた。
 琴音は急に周囲がすべて遠ざかって行くのを感じた。座に居並ぶ人たちも。天井も。壁も。床も。どんどんと遠ざかり、その存在を感じ取れなくなって行く。ぽっかりと開いた空間にあるのは四角く黒く磨き抜かれた台とその前にいる智也と自分だけ。
 そしてその智也が手に持っている革の道具だけ。黒く。つやつやと光る、四角くきっちりととがった角が、禍々しい道具。
 皮が掌の上に打ちつけられる。その音が琴音の何も無い世界に響く。
 その音だけが。ぴたぴたと、肉を打つ、その響きだけが。


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「琴音。台に、肘をついて、足を伸ばしたまま。」
 琴音は智也から、その黒い文机のような台の表面へ視線を移そうとした。これから、自分が屈み込む場所を。だが、琴音は視線を、革のパドルから外す事が出来ず、ただ息を吸い込み吐き出すことしかできなかった。
「こちら側にする?それとも向こう側?」
 頭の中を質問がぐるぐると廻る。こちら側?向こう側?肘をつく場所を言ってるの?ようやく、琴音の視線がぎこちなく机の方へ移る。だが、顔はまだパドルを見つめた位置から動かせなかった。
 こちら側に肘をつけば、座に向けるのは泣き顔だった。向こう側に肘をつけば、客に晒すのはつきだされた尻だ。


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 どんなに意識してぴったりと足を閉じても、お尻を突き出せばすべてが丸見えになってしまう。だったら、恥ずかしくても、辛くても、顔を見られる方がまし・・・。もう、さっき、顔は一度観られてしまったのだもの。
 痛みに移りゆき、歪む顔を見られるとしても。涙に濡れる叫ぶ顔を見られるとしても。恥ずかしいあそこを見られるよりはずっとまし・・・。
 そう、決心しても、琴音の乾いた舌はぴったりと上顎に貼り付いて、言葉を押し出す事が出来ない。何度も唾を飲み込み。何度もためらって、琴音は震える腕を上げて、黒い台のこちら側を指差した。
「こっち側で・・・。」
 智也は、うなずいて、身体を開き、琴音を移動させるべく誘った。

つづく



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    2008

04.07

お仕置き・58

琴音・1(第一部・夫)を先に読む
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★琴音・25★ 


 白くぬめぬめと光る背中を丸め、小さく、出来るだけ小さく、丸くうずくまった琴音は、恥ずかしさの余り顔を上げられなかった。手を緩めれば、彼女の丸い乳房はぽろんと零れ落ち、衆目の元に晒しあげられてしまう。
 このまま地面が二つに裂けて、自分を呑み込んで行ってくれないか。目をつぶり、ますます身体を縮こめる琴音だったが、願いは叶えらずはずも無かった。
 助けて、助けて、助けて・・・。嫌、嫌、嫌・・・。
 何も考えられない。動く事も出来ない。どうしたらいいの。どうしたら・・・。
 その琴音の裾よけの紐に義母の手がかかったのに気がつくと、琴音は、身体を隠す事を忘れ、びくんっととび上がった。あっという間に紐が引かれ、布は身体の周りから引き抜かれる。一瞬青ざめた琴音は、自分が全裸で皆の前にいるのだという事実に、あっけにとられて、呆然としてしまった。


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「きゃああああああ!!!」
 甲高い悲鳴と、驚きと、羞恥が、琴音を打ちのめした。座席に連なっていた男たちが膝を乗り出すように動き、反対に、女性たちがさりげなく顔を背ける。
 全身を赤く染めた琴音は、驚いて起こした身体をまた縮こめた。一瞬だが、ゆるめた腕からまろび出た彼女のふっくらした乳房はまた見えなくなってしまった。
 明子が、新しい赤い腰巻を持って、彼女の前ににじり寄る。
「琴音さん、立って、そのままでは続けられませんよ。」
 いやいやいや、琴音は首を振り続けた。だが、どうしたって、このまま裸でいるうずくまり続ける事等、出来はしない。

 諦念がひたひたと琴音の胸の内によせてくる。途中でやめるなんて、もっての他・・・。そう思い当たると、琴音に残されたのは立ち上がる事だけだった。






 泣き顔を上げると、明子が出来るだけ彼女の身体を隠すように、座の視線を遮る位置に座ってくれているのが分かった。震えながら、力が入らず頼りない身体を起こして、膝をつく、手は胸を覆ったままだ。膝を揃えたまま、立てた爪先に力を入れて、膝を床から浮かせた。足裏を床につけよろめきながら立ち上がる。
 片手で胸を、片手で足の付け根を、恥ずかしさから出来るだけ身を覆うとする若妻の姿は、身体を見せる事を何とも思わない昨今の女性の裸しか見た事が無い男たちにとって、垂涎の見世物だっただろう。
 そうして、慎ましく、隠そうとすればするほど男たちが喜ぶなどと、気が付きもしない琴音だった。はらりと広げられた、さっきまでとは違う赤い腰巻が、彼女の腰に廻された。
 手をどかさないと、着付ける事は出来ない。琴音は赤い顔をそむけ、外した手を、一瞬宙に泳がせた。どうすればいいのか分からない混乱とパニックに襲われて、琴音はその場に墜落して行きそうな気持ちだった。

 一瞬だったが、琴音のなにも追わない柔らかな繊毛が覗いた。明子の身体にほとんど隠されていたけれど、見えたような気がしてよく見えなかった事が一層男たちを興奮させてしまう結果は、多分、最初から計算されたものであったのだろう。






 両手で、胸元を覆い、顔を隠すようにうつむいて、赤い腰巻一枚で頼りなく身体を捻じらせている琴音は、美しかった。
 これから彼女の上に重ねられる仕打ちを思うと、尚更に、けなげに耐えようと震えている琴音は美しかった。

つづく
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    2008

04.02

お仕置き・57

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★琴音・24★ 


 琴音に告げていない事がひとつあった。今日の日に招かれている親族以外の男たち。その男たちの先の枝葉の先にも、河野の家にあるような隠されたいろいろな習慣がいくつも網の目のように広がり、それは、他の地方の旧家とも重なり、日本全国に妖しく潜み続けている事である。
 智也も、それらの宴席に侍る機会を何度か得ていた。中には、河野家のように、形ばかりの「性の儀式」とは、無縁の様相を示している家ばかりではなかった。いや、むしろ、あざといまでに無残な加虐の行為が連なった模様を成す織物だったと言えよう。
 だが、絶対に表に見せてはならない秘密を共有しているという事が、それらの家の結びつきをより強固なものにしていた。そして、そのつながりが多くの家の経済的な結びつきを側面から援護していたのである。


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 河野の家をその模様へ組み込んだのは、智也の祖父だった。その必要があり、家のために自分の妻を、娘を、差し出したのだ。だが、それだけでは済まなかった。家族を犠牲にしたと言えば、むごいありようだったかもしれないが、連なりに入りこむ事は、加虐の連鎖に自らが繋がれる事でもあったのだ。
 一度味わった、背徳の美酒が、男たちを引きつけがんじがらめ取り込み、女たちを蕩けさせていった。その事について、父や母がどう考えているのかは、分からないけれど。自分がそうである事は、智也自身にはよく分かっていた。分かっていて愛する者を引きこんだ。


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 まだ、もっともっと若く、何も知らなかった頃に、他の家の宴席に招かれて行った日。河野の家になかった、性としての儀式を目の当たりにした時、自分がそれを嗜好する人間なのだと思い知らされたあの日。
 もしかしたら、家を捨て、名を捨てて、違う人生を歩めるのではと、模索した日々。忌わしく振り棄てようとしながらも、結局は、忘れられず、繰り返さずにはいられなかった加虐の行い。
 後悔しても、もう遅い。琴音に、違う道を行けと言う事が出来なかった。遠ざかり、幸せになれと言えなかった。琴音を自分の腕の中に抱き締めたかった。痛めつけると分かっていて、まやかしの誘いを仕掛けずにはいられなかった。
琴音を愛していた。


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 すっかり汗に濡れ、ぴったりと張り付いた絹の着物の裾を乱れさせたまま、呆けたように、智也の方へ視線をめぐらしていた琴音が悲鳴をあげた。後ろから近づいてきた智也の母が、呵責せずに、彼女の、身体を覆っていた着物をしっかりと結んでいた伊達巻きの結び目を素早く解きほどいたのだ。
 しゅるしゅるしゅるっと絹が鳴る音が響き、帯は素早く抜き取られて行った。はらりと、着物の合わせ目が緩み、琴音は生き返ったように、とび上がってぞの前合わせを抑えた。

つづく
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    2008

04.01

お仕置き・56

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★琴音・23★ 


「きゃああああああああああああああ!」
 たった一枚、肌を覆っていたのはその一枚だけだったのに。それを取り除かれた事が、琴音の心に動揺を呼んでいた。自分の受けている行為を支えていた言い訳があっという間に崩れ去り、作り上げていた集中が途切れてしまった。
 その事が、一枚の布と言うだけには留まらない強い痛みとなって、彼女に襲いかかってくる。叫んでしまった事が、それに輪をかけて、意地も張りもあっという間にガラガラと崩れて行った。

ぱああああああああああああああんん!!
「ひいいいいいいいいいいいっっつう!」


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 もちろん、最初の50打を琴音が耐えきったのは、布一枚に守られていて痛みが無かったせいではない。だから、すでに彼女のお尻は充分に痛めつけられていた。手慣れた智也の打擲は、回を数える毎に、膨れ上がり腫れあがった彼女の身体に響く。
 こらえようとしても、身体は跳ねあがり捻じれ、逃れようと勝手に動く。やめて、もう、許して。我慢できない。耐えられない。琴音の頭の中は、悲鳴と哀願でいっぱいだった。
 智也は顎を持ち上げていた手を彼女の背中に廻して抑えつけなければいけなかった。ついには、右足を彼女の足に絡めて、身動きが取れないようにする。


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 半身になっていた身体の方向を変えて、今度はわずかながら正面にお尻がよく見えるような姿勢になった。一打毎にたわみ、波打つ打撃に晒されている彼女の真っ赤なお尻。
 一心に打つことに専念していた智也だったが、彼女の悲鳴が泣き声になり、掠れて来ると、さすがに、居並ぶ客の方を伺わずにはいられなかった。そこには彼女の母親も来ているのだ。智也のはばかるような視線を受け止めた琴音の母は、そっと顔をそむけると、ついっと立ちあがって夫とともに部屋を出て行った。
 花嫁の両親は、最後まで見届けない事も、すべて最初からの取り決めであった。あらかじめそう決まっていたとはいえ、智也はほっとした。
「ありがとうございます。」そして、心の中で義母に詫びた。この先の場面は、さすがに彼女の両親には見せたくないのが智也の本心だった。


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「あああああぁぁぁぁあぁん・・・。」
 琴音の悲鳴が舌足らずの子供のように、甘いものに変わっていく、あきらかに身体の反応が、変化し始めている。痛みは飽和状態になり、麻痺し始めているに違いなかった。彼女の身体も心も違うものに支配され始めていた。
 恥ずかしさや、苦痛以外の物が、彼女の中から溢れだしてくる。だが、それもあとわずかの事。掌で打つのとケインを使うのでは全く違う。突っ張る彼女が、夢を見ていられるのもあとわずかの事。
 座を覆っている、かたずをのんでいる男たち女たちも、いまや酩酊しているかのように、琴音の反応を見守っていた。

「100打、相務めましてございます。」

 智也の宣言と共に、力を失った琴音の身体はずるずると膝の上を滑り落ち、ペタンと床に座り込んでいた。


つづく
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    2008

03.28

お仕置き・55

琴音・1(第一部・夫)を先に読む
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★琴音・22★ 


 八畳の和室が三つ連なる南側の部屋の仕切りの襖は取り払われて一続きの広間になっている。そこに、会席膳を左右に20席並べた席が設けられていた。すでに、一通り酒が廻り、酒席は期待と興奮を微妙に覗かせながらも、和やかな雰囲気になっていた。
 その席へ、智也に伴われて、琴音は部屋の下座から滑り入った。居住まいを直して、両手を付いて、頭を下げたものの、もう、顔を上げる事が出来ず、肩で息をするばかりだった。
 かっと、身体が熱くなる。頬に血が昇り、恥ずかしさにそのまま消え入りたい想いであった。智也の手が背に掛かり、顔を上げて立ち上がる事を促していた。
 必死の思いで起き上がると、男たちの顔、顔、顔・・・。そして、突き刺さってくるような女たちの視線に、琴音は、涙が盛り上がってくるのを意識した。

 その瞬間、母親の姿が目に飛び込んでくる。大事に育ててくれた、その母に恥をかかせてはならない。おそらくは、娘が打ちたたかれるのを見るのは、母にとってもきっと辛い事なのだから。
 身体を見られる事を恥ずかしく思う事は、この儀式を、性の儀式に貶める事。母に見せられないもののように、けがらわしく思う事。そんな考えでは、とても、母の前に進み出ることなどできはしない。これは、しきたり。河野家の大事なお披露目のしきたりなのだ。


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 力の入らない脚を叱咤しながら、智也に手を取られて、席の中央を抜けて正面まで行った。一番の上座に和風にしつらえた金襴でくるまれた低い椅子が置かれている。背もたれも肘掛もない座面だけが広くしつらえられた椅子。
 その横へ智也は、一旦、膝をついて座った。琴音もその横に慎ましく、控える。
「皆様、本日は、お忙しい中、私の妻となりました琴音の披露目の席にお集りいただきましてありがとうございます。河野家のしきたりに添いまして、妻の「仕置き」を皆様に、ご披露したく存じます。まだまだ、不慣れでございますが、夫として宰領訳を精一杯務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。」
 智也の言葉の間、とにかくこの間だけはと、必死に顔を上げていた琴音は、夫の言葉が途切れると、急いで頭を畳に付いた両手の上に深く伏せた。智也が立ち上がり、椅子に座る。琴音は手をついたままにじりより、夫の膝の上に身体を乗せかけた。


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 もう、だめだ。琴音はギュッと目を瞑った。ああ、もうだめ。どうしたってだめ。みんなに見られてしまう。お尻を叩かれる所を見られてしまう。
 智也の手が裾に掛かり、布がめくり上げられる。着物をたくしあげられた後は、薄い絹の布がぺらりと一枚身体を覆っているだけだった。身体の線はすでに露わで、素足の足が畳の上を滑る。
 いやいや、助けて。見ないで。誰も、見ないで。ああああああ・・・いやあああああ。琴音の気持ちを余所に、そろりと尻を撫で上げた智也の掌が琴音の身体に振り下ろされた。
 ばしいいいいいいいいいいいいんん!
 まるで、心を澄ませて柏手を打った時のように、部屋の中に音が響き渡り。琴音はびくんっと身体を逸らせた。


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 ばしいいいん!ばしいいいん!ばしいいいん!
 規則正しく、位置を少しずつずらしながら、智也の手は振り下ろされていく。一打。また、一打と。不思議と琴音は痛みを感じなかった。緊張の余りなのか、アドレナリンが身体中を駆け巡っているせいなのか。一打毎に、頭が澄み渡り、空っぽになって行く。
 打たれている場所に、世界が収束されていくかのように、拡散していた意識が一点に集中してくるのが分かった。
 熱い。打たれた場所が・・・。そして、身体中が。熱い・・・。琴音は身体が汗で濡れて来るのを感じながら、智也の膝にしがみついたいた。最初の50打がそうして、琴音の身体の上に打ち下ろされた。


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 頃はよし、と、みたのか。おもむろに智也が裾よけをそろそろとめくり上げ始めた。熱のこもっていた足元に、冷たい空気が流れ込み、琴音ははっと息を呑んだ。覆われていた、身体が、今、晒されようとしている。
 これは、儀式。お披露目の儀式。しきたりの儀式。琴音は何度も自分に言い聞かせ続けていた言葉を胸の内で繰り返した。だが、そろそろと這い上がってくる布の感触が、自分の置かれている位置と、姿を思い知らせて来る。
 収束しガラスが丸くなるように作り上げられていた琴音の世界が崩壊した。一気に羞恥が襲いかかってくる。あ、あ、あ、見られちゃう。お尻を見られちゃう。赤くなったお尻。掌の痕を浮かび上がらせて腫れあがったお尻を。

 いやああああああああああ・・・・。

つづき


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    2008

03.27

お仕置き・54

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★琴音・21★ 


 だが、琴音が恐れていたのは人前で肌を晒すことだけではなかった。この半年、夫との間に重ねてきた愛撫と性交の合間のスパンキングが、自分の身体を興奮させるようになってきている事に、琴音は薄々気が付いていた。
 痛みは、嫌で、耐えがたいものであるのに、自分から求めた事など一度もないのに、打たれれば打たれるほど、その後の交わりは熱く愛情に満ちたものになる。
 義母や義父に打たれる時には、欠片ほども欲情など思い浮かばないのだが、夫に打たれると思うだけで、じんわりと、身体が期待に震えるのが分かるのだった。そんな自分を他人の前に晒すという事は、云わば、夫とのセックスを他人に見せるような、そんな恥ずかしさも覚えてしまうのだ。


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 くしゃくしゃと顔をゆがめ、震える手を握りしめても、何の役にも立たない。その日はもう、すぐ目の前で、琴音は逃げ出すわけにもいかず、とにかく、みっともない真似を皆の前に晒す事のないように、ひたすら耐えるしかないのだ。

「ただ、回数がとても多いのよ。掌で100回。それから、パドルで50回。そして、最後はケインで25回。でも、心配しなくてもいいわ。すごく痛いけれど、かえって、最後の方は麻痺してしまって案外耐えられるものなのよ。それに、その回数になれば、もう、見栄や外聞なんてどうでもよくなりますからね。かえって思いっきり泣いて叫べばすっきりしますよ。みなさん、花嫁の泣き顔を見るために来てるから、琴音さんが泣き叫んでも、平気ですよ。」
 ほほほ・・・と、明るく笑う義母に、何とも返事のしようもなく、震え続ける琴音の身体を、智也はぎゅっと抱き寄せた。


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 夫に支えられて、何とか自室に戻った琴音はベッドの上にくたくたとくずおれた。足に力が入らず、立っている事が出来なかった。
「怖がらないで、琴音。大丈夫だよ。たった一日だ。その日はすぐ過ぎるから。」
 そんな事。そんな事、まるで、他人事のように!智也さんは、自分が、叩かれる訳じゃないから、そんな事が平気で言えるのよ。裸にされるのは私。痛い目にあうのも、私なのよ!琴音は、あふれてくる思いを智也にぶつけるように、相手の腕をこぶしで打った。だが、その言葉は口から出す事は出来ない。ぎゅっと、歯を喰いしばり、涙をこらえて、押し殺そうとする。
 その時、琴音は、初めて智也の瞳と、向き合った。
 大事な妻を他人に、見せなければならない妬心と溢れる愛情、どこか冷静な河野家の当主としての顔、そして、それらと同居している琴音を怯えさせる加虐の喜びの暗い光。琴音が嫌がれば嫌がるほど、明確に姿を現す雄の嗜虐の欲望が、夫の中にある。


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 ああ、私・・・。
 捕らえられてしまっている。この男のむごい愛情に。私を痛めつけるその手に。その想いに。その欲望に。嫁いで来る時には分からなかった。痛みの意味。分け合うこの恥ずかしくも恐ろしい運命の嗜好を。

 もう・・・逃げられないのだ。

つづく
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    2008

03.26

お仕置き・53

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★琴音・20★ 


 琴音の両親と智也の両親が四人ともそろう上に、結婚式でしか会ったことのない遠い親戚の男たちに、名前を聞かされたばかりの年配の男達。そして、その妻達の居並ぶ中で、お仕置きを受けないといけないなんて、考えただけで恥ずかしさの余り、その場で舌を噛んで死んでしまいような気持ちになる。

「いやいや、そんなの絶対にいや!」
 琴音は、その事を訴えようとぱくぱくと口を開けたが、言葉は恐ろしさと恥ずかしさの余り、音にならず、喉の所が締め付けらるように苦しい。何か纏い付いている者を払いのけるように右手で喉元をまさぐり、息を整えようと必死になるが、くらくらとめまいがするばかりだった。


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 智也の腕が、ソファに沈んで行く琴音の身体を支えるように、回される。琴音が何を考え、どう思っているのか等、もちろん、智也に分からない訳はないのだった。小さい頃から慣れ親しみ、愛情を分かち合って来て、これからの人生を共に、と結婚した二人なのだから。
 だが、それでも、智也は、琴音とは違う価値観を持っている。それは「お仕置き」が、河野の家にとって、何よりも大事な「しきたり」だと教えられて育ち、それを守って行く責任のある、次代の当主として当然の覚悟だった。
 「しきたり」を、受け入れられないのなら、ともに生きる事は出来ない。智也にそう伝えられ、覚悟をして嫁いできた。そして、この半年、必死に打擲を受け入れ、その価値観に同化しようと努力してきた琴音だった。


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 だが、それにしても、あんまりな事態ではないか。大事にしまいこんできた肌を晒し、痛みに耐える泣き顔を、親族ばかりか、赤の他人の男や女にまで晒さなければならないなんて。
 お仕置きのために下着を脱げば、当然一番隠しておきたい場所も、どうしたって見られてしまう。義理の父ただひとりににすべてを見られた時でさえ、あれほどつらく恥ずかしかったのだ。その席に、他の人間が同席する等考えるだけで、どうにかなってしまいそうだった。
 しかも、これから、ずっと親戚付き合いを重ねていく相手なのだ。記憶はどこまでも、琴音に纏わりつき苦しめるだろう。耐えられない。絶対に。琴音は、必死で智也の腕にしがみついた。


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 「琴音さん、恥ずかしがることなんて無いのよ。みなさん、このしきたりの事はよく御存じなのですからね。子供の頃におしめを換えてもらうようなものですよ。」
 ほほ・・・と、上品に笑う義母の微笑みを見ると、琴音はくたくたとその場に倒れてしまうような心持がした。なにを、どう訴えても、決して、決して逃げる事は出来ない。もう、それは、決まった事。動かせない事。ずっとずっと昔から変わらず、連綿と続いてきた「しきたり」で、義母もまた、それを乗り越えて今そこにいるのだという事が、じわじわと琴音を追い詰めていた。

つづく


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    2008

01.31

お仕置き・52

琴音・1(第一部・夫)を先に読む
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★琴音・19★ 


 恐怖と、初めての経験が、彼女を混乱させていた。落ち着いていれば、耐えられたであろうケインの痛みは、泣きじゃくる彼女を完膚なきまでに引き裂いた。だからと言って、もう後戻りは出来ない。自分で決めた。回数が、歴然と自分の前にあるのだ。
 ひっくひっくとしゃくりあげながらも、彼女は自分のお尻を突き出し、両手を最初の位置へ戻した。お尻に再びケインが押し当てられる。突き上げる、痛みへの恐れが彼女の胃を絞りあげた。


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「きゃああああああああああ!!!!!!」
 琴音は痛みに泣いた。そして、叫んだ。何度も崩れ落ち。そして、立ち上がらなければいけなかった。一打事に、増していく、身体に喰い込むような痛みに、勝手に身体は身もだえを繰り返し、足はばたばたと跳ねまわった。痛い。我慢がならない。痛い。耐えられない。
 泣きながら、元の姿勢に戻る。ぐちゃぐちゃになった顔を拭い、もう一度、そして、もう一度。10回。とにかく10回の間は・・・・。


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 10回目が終わった時、琴音はへたへたと座り込み、わんわんと声をあげて泣いた。叔父は、元の椅子に戻って、琴音が泣きやむのをじっと待っていた。しゃくりあげる声が小さくなり、やがて途切れた。10本の蚯蚓腫れを刻んだお尻がひりひりと痛む。

「琴音さん、顔を洗っていらっしゃい。」
「はい・・・。」
 琴音は、ふらふらと立ちあがり、たどたどしい足取りで部屋を出て行った。


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 洗面所で何度も顔を洗い。鼻を噛んで琴音は髪の毛を整えた。腫れた瞼を冷やして落ち着いてくると、いくら痛かったとはいえ、あそこまで泣く事は無かったのではないかと思えてきた。自分の態度が恥ずかしく、スカートのしわを伸ばしながら、そっとお尻を抑えてみる。燃えるように熱く、ひりひりと痛むそこは、今までとは全く違う痛みだった。
・・・・顔を洗っていらっしゃい。
 叔父の声が聞こえたような気がして、戻ってくるように言われた事を理解した琴音は、自分が脱いだショーツも置いて来てしまっている事を思い出して、慌てて叔父の部屋へ戻って行った。


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 叔父は、椅子に座ったまま待っていた。ケインは最初の場所に静かに置かれている。琴音が脱いで畳んだ下着は椅子の端っこに乗せられたままだった。そして、今日の最初に琴音が入ってきた時と同じように、叔父が振り向いた時、琴音は『お仕置き』が、終わっていない事に気がついて愕然とした。
 一人前の女性として振舞うように・・・そう教え諭されたのに、まるで、子供のように泣き喚き、全く耐えようとしなかった自分自身を振り返り、叔父の前に出る一歩一歩の足が震えた。足を前に出す度に、へたへたと、座り込みたいような心もとさが這い上がってくる。叔父に、再び同じ椅子に座るように手で示された瞬間、琴音は、自分が自分に課した『お仕置き』が、用を為していなかった事を認めざるを得ない、悔しさに唇を噛んだ。


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「お、叔父様・・・。」
 しゃべろうとして、また、引っかかってしまう。息を吸い込みお腹に力を入れて、ああ、そう、どうやって声を出すのか、よく考えて・・・。
「叔父様、みっともない真似をしてしまい。申し訳ありませんでした。・・・もう一度・・・・」
 押し出す言葉が、怯えに、消え入るようにだんだんと小さくなる。勇気を振り絞って、ああ、でも、もう一度なんて、耐えられない。耐えられないわ。
「・・・もう一度お願いいたします。今度は、ちゃんと我慢いたしますから。」
 叔父の眉がひょい・・・と、上がった。
 しばらくの空白の時間の後に叔父は、持たれていた椅子の背から身体を起こすと、静かに問いかけてきた。

「何回でしょうか?琴音さん」

 もう一度、は、ただ、繰り返せばいいものではない。必要なのは自分自身に問いかける事。自分自身を正す事。自分が耐えられる限界を見極める事。琴音は、ひりひりと焼けるお尻を思わず抑えた。耐えられる回数は?そして、自分にとって必要な回数は?

 すくむ、気持を堪えながら、両手を握りしめて、琴音は必死に考えていた。



琴音・第三部終了



続く・・・




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    2008

01.30

お仕置き・51

琴音・1(第一部・夫)を先に読む
琴音・8(第二部・義母)を先に読む
琴音・16(第三部・義父)を先に読む

★琴音・18★ 


「10回?」
 叔父はにっこりと微笑んだ。
「回数に捉われないで。そして、私の考えている回数を推測してはかろうとしてはいけない。自分自身に問いかけてご覧。五回で、あなたが充分な『お仕置き』だと、納得できるのならそれでいいのです。」
 琴音は、自分が真っ青になって冷や汗をかいている事に気がついた。これは、いい加減なお尻叩きなどではないのだ。河野の家の『お仕置き』が、意味する物が、今、琴音にのしかかってきていた。
 目を瞑る。毎日の自分の行いを思い浮かべる。自分自身の考え違いを確かめる。それにふさわしいお仕置きを。自分自身を正す罰を。


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「10回です。」
 きっぱりと、言えただろうか?口に出したとたんに不安が湧き上がってくる。本当にそれでいい?自分は、それで、正す事が出来る?
「決めた以上は、その間は耐えなければなりませんよ?」
 ああ、私、その回数耐えられるのだろうか?ケインの痛みを考えた途端に、自分がおびえて後じさりしてしまっている事に気が付く。琴音の視線は、再びおろおろとケインの上をさまよった。さっきまで、そんな回数でいいのか。と、自分に問いかけていたのに、また、そんなには耐えられないと怯えてしまっている。
 息を吸い、そして吐く。また、吸う。大丈夫。大丈夫。
「10回でお願いします。」


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「分かりました。では、下着を脱いで。」
 琴音はひくっとしゃくりあげた。今から、叔父にお尻を叩かれる。そう、考えただけで、涙があふれてくるのが分かった。今までの言動の、あまりの、自分の情けなさに、ひっくひっく、すすりあげながら彼女は立ちあがった。そして、スカートの中に手を入れて下着を降ろし始めた。
 覚悟していたことなのに、身体が震え、熱くなる。恥ずかしさに頬が燃える。それでいて、泣くこともやめられない。琴音はすっかり混乱しながらも、叔父に言われるがままに、椅子の座面に両手を付いた。心持ち持ち上げられたお尻のスカートがめくりあげられた。


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 ひんやりと冷たいケインが、琴音のお尻に軽く押し当てられる、ポンポンっと弾むように、緊張にピンと張りつめた彼女の皮膚の上でバウンドする。嫌!琴音は前のめりに身体が逃げそうになる気持ちを必死でこらえた。嫌、嫌、・・・怖い。

 ひゅううううううううん・・・・。

 覚悟していた風切り音の後に、激痛がお尻の上に炸裂した。
「痛・・・・ああああああああああああ!!!」
 琴音は思わず前につんのめり、ついていた手で、椅子の背中にしがみついてしまっていた。



続く・・・
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    2008

01.29

お仕置き・50

琴音・1(第一部・夫)を先に読む
琴音・8(第二部・義母)を先に読む
琴音・16(第三部・義父)を先に読む

★琴音・17★ 


「琴音さん、河野の家では「お仕置き」されるのはどんな時だと思う?」
 叔父の穏やかな声に、一瞬、とび上がった琴音だったが、胸の中で自分自身に落ち着くように、必死で呼びかけていた。
「ま、間違いを犯した時でしょうか?」
「さて、そもそも、間違いと云うのはどういう事をさしているのかな?」
 叔父が何を、言わせたがっているのか分からなくなった琴音は、伏せていた顔をあげて、叔父の瞳を見つめた。いつもと変わらぬ静かな瞳の中に怒りの色は無い。それに、勇気づけられて琴音は、正しい答えを見つけようと必死で考え始めた。


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「人は誰でも間違いを犯すものだ。失敗を恐れていては何も学べない。」
「学んだことを忘れて同じ間違いを繰り返した時?」
 不思議そうな声音で、子供のように問い返す琴音の顔を叔父をじっと見つめた。
「琴音さん、あなたはもう大人でしょう?その話し方はふさわしいと言えるかな?」
「あ・・・・・。」
 琴音は、叔父が思っていたよりも厳格に、自分の態度を見ている事に気が付き、居住まいを正した。父や母が、自分に身につけさせた教育からすれば、そのような態度は、決して褒められたものではなかった。
「も、申し訳ございません。」
 慌てて、ぴょこんと、頭を下げてしまってから、琴音は自分がまたしても失敗してしまったのに気がついた。


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「今、私があなたに要求したものが何か分かっているかな?」
「・・・ちゃんとした、一人前の女性としての態度です。」
「ふむ。では、どこが間違っていたか分かりますか?」
「言葉づかい・・・です。」
「では、言いなおして御覧なさい。」
 琴音は、息を吸って、声音を作った。
「ま、学んだことを忘れて同じ間違いを繰り返した時です。」
「落ち着いて…もっと、ゆっくりと言ってご覧なさい。」
「学んだことを忘れて、同じ間違いを繰り返した時です。」
「よろしい。殊更、慌てて、吃音になるよりも、ゆっくりと話した方が美しく聞こえる事は知っていますね。」
「はい・・・。」


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「では、もう一度謝罪して。」
「申し訳ございません。」
 目を見つめてゆっくりと言葉を述べてから、静かに頭を下げる。小さい頃から何度も何度も教え込まれてきた立ち居振る舞いなのに、すっかり、いい加減になっている事に気がついた。
「あなたは、そんな風にぴょこぴょこした動作をするのが、みっともない事は教わってきたでしょう?」
「はい、教わりました。」
「では、どうして、それが出来なかったのだと思いますか?
「気持が緩んでしまっていたんだと思います。」
「ふむ、ちゃんと『お仕置き』されていたのに?」
 はっと、琴音は息を呑んだ。夫や義母からお尻を叩かれる事は、すでに、琴音の中でもっと違ったものに変化してしまっていたからだ。


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「私・・・考え違いをしていました。」
 琴音の声は、だんだん細くなり消え入るようになってしまう。
「琴音さん、背をしゃんとのばしてはっきりと声を出して。」
 失敗を繰り返してしまった事に、琴音は気がついた。視線が自然とケインの方へ泳ぐ。もはや、あの鞭で叩かれる事は逃れようがない事態だった。
「あなたが、ちゃんと反省出来るように、あなたの裸のお尻をケインで打ちます。」
 叔父の穏やかでありながら、断固とした宣告に、琴音はおろおろと腰を上げ掛けて、かろうじて、思い出して姿勢を元に戻した。
「何回、叩いたらいいと思いますか?」
「え?」
 叔父の質問に、琴音は眼を見開いた。打たれる回数は、お仕置きを行う側が決めるものだと思っていたからだ。琴音は、もう一度、ケインの方を見つめずにはいられなかった。

続く・・・
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    2008

01.28

お仕置き・49

琴音・1(第一部・夫)を先に読む
琴音・8(第二部・義母)を先に読む

★琴音・16★ 






 不思議な事に、乾いて大きな智也の手で規則正しくお尻を叩かれていると、痛みよりも彼に甘えたい気持ちが湧き上がってくる。恥ずかしさは相変わらずだけど、夫の「お仕置き」が、怒った事から来る否定的な気持ちから来ているわけではない事が分かってくると、それに応える事がどこか満足で安心した気持ちにつながっていた。
 智也の膝の上へ引き寄せられる時に、形ばかりの抵抗や、哀願や、神妙なお説教を訊きながらの反省は、許される事を前提にした、儀式だった。通過することで、自分が甘やかされ、すっぽりと包まれて行くのが分かる。つらい気持ちも恥ずかしさも、涙が全部洗い流してくれて、終わった後、智也の胸でゆすってもらいながら泣くのはいい気分だった。


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 なにもなく、ただ、普段のセックスの合間にさえ、智也は琴音のお尻を優しく打つのが常だった。軽く、強く・・・ゆっくりと、追い上げるように。息を切らし、絶え絶えのかすれた悲鳴をもらしながらも、さほど痛くはないそれが、自分の快感に直結した場所へ確実に響く事を、琴音も認めざるを得なかった。口に出して、言う事はなかったけれど・・・。
 琴音の身体は、その刺激に敏感になってきた。「お仕置き」という言葉が魔法のように、琴音を捉える。愛されている事、認められている事、許されている事。

 与えられるものを受け取っているだけの琴音はまだ何も分かっていなかったのだけれど。


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 厳しくお仕置きを受けていたはずなのに、いつの間にか琴音の中で「お仕置き」の質が変化し始めていた。琴音は、嫁いできた嫁と云うよりも、最初からそこにいた娘のように、なんの惑いもなく、何も考えず、ぽったりと、河野の家に落ち着いてしまっていた。
 最初の頃はきちんとこなしていた家事や、夫への挨拶などもだんだんと緩みがちになり、娘時代のようにコロコロと何も考えずに笑って過ごしてしまっていた。そして、それが、留守がちの叔父の目にとまってしまうのは当然の成り行きだった。毎日ではなく、たまにしか会わなかっただけに、琴音がだんだん緩んで行くのが叔父にははっきりと見えていたのだった。


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「琴音さん、夕食の片づけが終わったら、私の部屋へ来てくれないか?」

 そう叔父が、ほほ笑みながら言った時、叔母がさっと青ざめこわばったのに気がついて琴音は首をかしげた。どうふるまったらいいのか、叔母の方をすがるように見、そして、ほほ笑む叔父を見つめる。交互に視線をうつしてみても、固まったままうつむいている叔母も、やさしく微笑んでいる叔父も、何も言おうとはしなかった。
 智也が出張で家にいない夜でもあったために、相談する相手もいない。お皿を皿洗い機にセットしながら、琴音は、不安げにあたりを見回してみる。椅子に座ってグラスを磨いている、叔母の背中は相変わらずこわばったままだった。


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 叔父の部屋へ行けば・・・・


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 お仕置きが待っているのに違いない。恐ろしさと恥ずかしさが足もとから這い上って来る。叔母は何と言っても叔母であったし、同性の安心感もあった。
 それに、どうして、こんなふうに叔母は緊張してるのだろう?分からないけれど・・・もしかしたら、もしかしたら、その事について、叔父は叔母をもお仕置きするのではないのかしら?その想像は、琴音の胸をどきどきさせ、そして、身体を熱くさせた。そうである事に、琴音は驚きながらも、自分が「お仕置き」について、もう河野の家にお嫁に来た時とは、違った感覚を持ち始めている事に気が付いていた。

続く・・・
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    2007

12.16

お仕置き・48

琴音・1(第一部)を先に読む

★琴音・15★ 


「まあ、もっと強く叩いて欲しいの?」
 追い討ちをかけるような明子の言葉に、せっかく覚悟を決めた琴音の気持ちは、揺れ動く。琴音は身を揉んで、頭を打ち振った。
「そう・・そうなんです。お義母さま。強く打ってください。もっと、強く・・・。」
「よく言ったわ、琴音さん。では、もっと、強く打ちましょうね。」
「ああ・・・・。」
 何のために叩かれていたのかという意味はすでに琴音の頭から抜け落ちていた。あるのは、夫の面影だけだった。あの人の妻となるために、そのためだけに琴音はどんなに辛くても、この習慣になじんでいかないといけないのだ。


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バッシイイイイイインン!!!!!
 皮が肉を打ち据える音があたりに響き渡る。
「きゃあああああああああ!」
 今までとは比べ物にならない。琴音にはそう感じられた。跳ね上がった琴音の身体は、激痛を何とかして吸収しようと何度かバウンドを繰り返した。一打目の苦痛が全身に拡がって染み渡り、また、打たれた場所へと漣のように戻ってくる。軽くパドルが皮膚に触れ、二打目が来ようとしている事を琴音に教えた。
 何とかして逃れようと、琴音の身体は勝手に膝から滑り降りようと動いたが、あっという間に義母の足が琴音の膝へ絡み付いて、動けなくなった。


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「琴音さん、動いちゃだめ。」
 そんな事は琴音もよく分っている。だが、本能が支配した動きは、理性でどうにかなるものでもない。
「あ、あ、あ、あ・・・・・っ!お義母さま。許してっ!」
バッシイイイイイインン!!!!!
「いやあああ!いやっ!いやっ!」
「我慢して。あと、八回よ。」
 苦痛だけが琴音を支配し、頭の中は真っ白になる。何も考えられず、叫ぶしかなかった。


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「痛あああい!痛い。痛い。痛いの。お義母さま。」
 琴音は恥も外聞もなく泣いた。おそらくは家中に響き渡っているであろう、叫び声も、泣き声も、はばかる事無く思いっきり泣いた。
 お仕置きに対する疑問も、ためらいも、後悔も、羞恥も、激しい苦痛の前では、無力だった。今、琴音の身体と頭を満たしているのはただ苦痛だけ。その苦痛がもたらす、反応だけだった。
 必死で目の前のものにしがみつき、ただただ、我慢できずにに泣き叫んだ。


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 気が付くと、いつの間にか打擲は終わりになり、ひっくひっくとしゃくりあげる琴音は、義母の膝の上で、すすり泣いていた。義母の手が、慰めるように琴音の背中を撫でていた。
「お、お義母さま。ごめんなさい。もうしません。もうしませんから。」
「いいのよ。琴音さん。よく我慢しましたね。」
 優しく撫でる手が、やがてそっと琴音の腰に回されると起き上がるように、促した。
「智也さん。琴音さんを寝室に連れて行って、手当てして差し上げて。」


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 その言葉にびっくりした琴音は、泣きすぎて腫れ上がった顔を持ち上げた。開け放たれた扉にもたれる様に立っていた智也の穏やかな瞳が琴音を見つめていた。今までの様子を見られていた?どこから見ていたの?混乱した琴音の中に再び羞恥が湧き上がってくる。子供のように泣いて暴れている、我慢の足りない様子を全部見られていたなんて。
 すっかり母に甘える子供のようになっていた琴音は、真っ赤になってその場に小さくうずくまってしまった。
「ええ、お母さん。琴音をお仕置きしてくださって、ありがとうございました。」
 うずくまる琴音の身体に、暖かく強い夫の両腕が回され、身体を引き上げられた。


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 夫婦二人だけの寝室のベッドに横になり、落ち着いた夫の優しい手で冷たいタオルを尻に乗せてもらいながら、琴音はしゃくりあげるのをやめる事が出来ないでいた。
 頭の中はあれやこれやで混乱し、ついさっきまで胸を満たしていた満ち足りたあきらめは、どこを探してもみつからなった。琴音は、あの静かな気持ちを取り戻そうと夫の腕にしがみつく。やがて、頭を優しく撫でてもらいながら、琴音はそのまま眠ってしまった。小さな子供が泣きながら寝てしまうように。お仕置きの魔術がゆっくりと琴音を捉え、すでに引きずり込まれつつある事に気が付かないまま、智也の腕の中でまどろんでいる琴音だった。




琴音・第二部終了



続く・・・

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    2007

12.15

お仕置き・47

琴音・1(第一部)を先に読む

★琴音・14★ 


 最初の十回が終わり、はあはあと荒げた息をついている琴音の赤く腫れたお尻を、明子は満足げに見つめた。そっと掌で擦ってみる。熱く、ふんわりとしたその手触りに陶然となる。
「琴音さん、ご挨拶なさって。」
 涙で何も見えなくなっていた琴音は、ぎゅっと目を瞑って、その雫を振り払う。ああ、なんと言うように言われてたんだったかしら。痛みでいっぱいの頭の中をおぼつかなく手探りして、言うべき言葉を探した。
「あ、ありがとうございます。お義母さま。」
 お礼を言うだけで、言葉が喉をふさぐような気がした。思ってもいない事を口にするのが、こんなに難しい事だったなんて。琴音は、次の言葉を押し出すべく、なんども口をぱくつかせた。
 唾をなんども飲み込む。


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「あ・・・あ・・・琴音が、琴音が・・・反省できるように・・・もっと・・・強くお仕置きをお願いします。」
 ようやく、最後まで言えてほっとしたのもつかの間と言うべきだったろうか、明子のことのほか明るい声に琴音はびっくりして危うく起き上がってしまう所を寸前で耐えた。
「あら、まあ、琴音さん。さっきの打ち方じゃ、弱くて満足できなかったの?それは、ごめんなさいねぇ。次はもっと強く打って差し上げましょうねぇ。」
「あ、違います。そんな・・・。」
 揶揄されているのだと言う事は、琴音にも分った。反論しても仕方ない。だが、抗議の言葉を飲み込むために、琴音は歯を喰いしばって身もだえした。いや、いや。痛いのはいや。かんにんして。もう、おしまいにして。


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バシイインン!!
 琴音の必死の願いも虚しく、次の十回目が始まった。女性の腕で繰り出される打撃なのだから、そんなに酷く強くなっていくはずは無いのだけれど、すでに腫れあがっている琴音のお尻は、新たな打撃に跳ね上がり捩れた。
 息を呑む。その、つめた息が、次の一打の衝撃で吐き出される。
「ひっ」
 声にならない悲鳴が、涙と共に絞り出される。持ちあげた腹を、明子に膝に打ち付ける。くねらせる。耐えるって、どうするんだったかしら。身体が熱くなり、どっと汗が吹き出して来た。琴音はヒイヒイむせび泣きながら次の十回を耐えた。


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 最初の十回も入れて、琴音の尻は、すでに30回の打撃に曝されていた。だが、もう十回は、動かしようが無い、数字として琴音の前に立ちはだかっている。
「さあ、ご挨拶をして。」
 明子の無情な声が催促をする。
「あ、ありがとうございます。お義母さま。」
 その続きを言おうとして、琴音は、凍りついたように言葉が続けられなかった。今の十打でも、耐え難かった琴音にとって、次の十打をもっと強くと願う事は、途方もない恐怖だった。
 自分がまだ、河野家のお仕置きの階段を登り始めたばかりだという事に、気が付いていない琴音にとっては、その一言を言う事が、たとえようもない苦痛だった。



続く・・・

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    2007

12.14

お仕置き・46

琴音・1(第一部)を先に読む

★琴音・13★ 


 琴音は必死に思いをめぐらせる。十や二十と言ったところで、義母が満足するとは思えない。しかし、それ以上の数を打たれた事が無い琴音は、さっきの痛みを思い返しても、そんなに多くはとても耐えられそうにない事に身震いをした。
「に、あ・・・三十・・・・。」
 ぎりぎりの限界。とても耐えられる自信がある訳ではなかったが、それでも、他にどう答えようもなく、琴音はその数を絞り出した。
「あら。」
 明子の声は、明らかに笑いを含んでいる。
「驚いたわ。琴音さん。あなた、とっても我慢強いのね。」
「え・・・。」
 もっと、少ない数でもよかったの?ああ、私、考えを間違えたのかしら?それなら、減らして欲しい。三十なんて耐えられるかどうか・・・。


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「お、お義母さま、わたくし、ほんとは・・・・」
「いいわ。琴音さん。あなたの望みどおりに三十回打ってあげるわ。そんなに打つのはたいへんだけど、大事な嫁のたっての頼みですものね。」
 琴音が次に何を言うか、承知の上で、明子はその言葉をさえぎった。琴音が数少なく言えば、その事でねちねちといたぶり、多ければそれはそれでちくちくと虐めがいがあると言うのが明子の本音だった。
 どちらにしても、明子は充分楽しむつもりで、琴音は掌の上に乗って震えている獲物なのだった。


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「せっかくの琴音さんのご希望だけでど、初めてだから、一気に叩くのは無理かもしれないわ。すごく、痛いのよ、本当に。だから十回ずつ分けて叩きましょうね。」
 明子はわざとらしく、ぴたぴたとパドルでお尻のふくらみをはたいてみせた。
「そうすれば、私も腕が疲れてしまって、琴音さんの期待に応えられずに、だんだんと打撃が弱くなってしまうなんて事態も避けられるし・・・。ちょっと、お休みが入ると、結構、新鮮かもしれないわ。
そうね。十回打つ毎に私がちゃんと休憩できるように、あなたには『ありがとうございます。お義母さま、琴音が反省できるようにもっと強くお仕置きをお願いします。』みたいに、ご挨拶をしていただこうかしら?」


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「お義母さま、お義母さま・・・私、そんな・・・」
 まだ、打たれる前から、琴音の瞳には涙が湧き上がってきた。裸のお尻を晒して、義母の膝の上にいる自分。その事を考えるだけで、なぜか物悲しいような、しくしくと声を上げて泣きたいような気分に襲われる。
「いくわよ。琴音さん。」
バシッ!
 ひっ!その衝撃に、琴音は息を呑む。慣れようがない皮のパドルによってもたらされる痛みに、琴音はすくみあがり、歯を喰いしばった。




続く・・・
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    2007

12.13

お仕置き・45

琴音・1(第一部)を先に読む

★琴音・12★ 


バシン!バシン!バシン!バシン!バシン!
 一打、一打が、容赦なく身体の中に向かって痛みを送り込んでくる。緩急なく振り下ろされるパドルがぶつかってくる痛みが、繰り返し身体の同じ場所にに拡がる。打ち付けられる。その一打の上に、また一打。そして、その上にまた一打。一振り毎に、きつく、痛みが強くなっていく。
 琴音は、身体を捻り、足をばたつかせた。
「痛い。お義母様!痛いです。許して。やめてください。」

「お仕置きなんだから痛いのはあたりまです。そんなに暴れるなんて、なんて、情けない事でしょう。琴音さん、覚悟が足りませんよ。」
 バッシイイイイイン!!


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「琴音さん、暴れないで、じっとしてらっしゃい。そうしないと、お仕置きはいつまでたっても終わりませんよ。」
「だって、お母様、痛いんです。とっても、とっても、耐えられませんわ。」
「そう?だとしても、あなたに選択権はありません。終わるまでじっと我慢する以外にどうしようもないわね。」
「ああ、そんな・・・。」
 初めて味わう痛みに、琴音はすっかり子供に戻ってしまっていた。
さっきまでの恥ずかしさや、夫への甘い想いなどは、どこかへふっとんでしまっている。まさに、お仕置きを受ける、子供のように、いやいやと頭を振り、起き上がろうとした。


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 その背を、明子がぎゅっと押さえつける。
「琴音さん、いい事、河野の家にお嫁に来た以上は、泣き言は通用しませんよ?歯を食いしばって耐える事が出来ないんだったら、誰かを呼んであなたを机に縛り付けることになります。」
「だれかって・・・。誰をですの?お義母様・・・。」
 じわじわとこみ上げてくる恐ろしさに、身体を捻じ曲げて、涙に曇る瞳を明子の方に振り向けると、明子は、それを待っていたかのように、にっこりと笑った。
「そうねぇ・・・。今は家にいる男は、執事の松野か、運転手の・・・。」
「いやああ!」
 琴音の理性に、自分がどんな姿勢でいるのかが甦ってきた。この姿を他の誰かに、それも、使用人に、そして、夫以外の男に晒さねばならないとは、琴音の許容出来る出来事ではなかった。


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「あら、お尻を他の男に見せる事が夫へ不貞だとか、そんな事は心配するには及びませんよ。これが、ただの『お仕置き』にしか過ぎないって事は、河野家の者はみなよく承知していますから。」
「そんな・・・。」
 あまりのことに呆然としていた琴音は、義母が琴音を膝の上から下ろそうとしていることに気がついて、慄然とした。
「お義母さな!でも・・・でも、いやです!お義母さま。我慢します!我慢しますから、そんな事なさらないで。お願い。」
 必死に取りすがってくる、嫁の様子を見ながら、わざとらしく腰を上げて見せた明子は、もう一度ソファに腰を降ろした。
「そう?だったらよろしいのよ。じゃあ、もう一度膝の上にちゃんと乗って。」


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 明子が立ち上がろうとしたせいで、すっかり膝から滑り落ちてしまい、むき出しのお尻をぺたんと床につけてしまっていた琴音は、足を揃えてソファに座りなおした明子の膝の上に、勇気を振り絞って、そろそろと這い上がって行った。
 腹が、義母の膝の上に乗ると、明子はおもむろにもう一度スカートを捲り上げる。10回程打たれて赤くなっている尻が、再び、ひんやりとした空気に触れた瞬間、恥ずかしさが甦ってくる。琴音はそれを目をギュッと瞑ってやりすごした。
 明子は恥ずかしさにぶるぶると震える琴音の背中の上で腕を組み、パドルの裏表をためつすがめつしながら、質問した。
「そうねぇ、琴音さん、あなたは、何回、打ったらお仕置きが終わりって事にしたらいいと思う?」
 そんな事を訊かれても、琴音には答えようもなかった。出来ることなら、このまま逃げ出してしまいたいと思っているのに・・・・。



続く・・・





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    2007

12.09

お仕置き・44

琴音・1(第一部)を先に読む

★琴音・11★ 


 膝の所まで来ると明子は琴音に、促して床についていた膝を伸ばさせてお尻を一層突き上げさせた。『下着を脱がせやすいように』という口実があったものの、その姿勢をとれば、彼女が普段しっかりと下着に包み込み夫以外の誰にも見せた事のない場所がすっかり露わになってしまっていた。
 下着が足首から脱げて行き、琴音はその瞬間を息を詰めて耐えた。もう、下半身を覆うものはなにもない・・・耐え切れない恥かしさが波のように打ち寄せて思わず琴音は明子の膝にしがみついてしまった。


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 いくら、必死に足を閉じ合わせてみても、その姿勢では何もかも丸見えになっているのだという事は、明子にはよく分っていた。だが、うろたえきっている琴音はまだ気がついていないのだろう。脚に必死に力を込めて腿をぴったりと閉じ合わせている。
 その事を指摘するのは、後でも悪くない。まずは、性的な事よりも、しっかりとお仕置きしてあげた方がよさそうだ。明子は、にっこりと笑うと、机の上からパドルを取り上げて、琴音のお尻に押し当てた。皮で出来たパドルを滑らせて琴音のお尻に円を描いていく。


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 『今から、この道具で叩くのよ。』と、云う事実を、たっぷりと感じさせて、軽くぴたぴたと皮膚の上をはたいてみせる。琴音の身体が緊張に固くなり、無意識のうちに胸の下にある明子の太腿に、身体を擦り付けていた。
 男性にとっては、溜まらない仕草だろうが、明子にとっても違う楽しみがある事は確かだった。耐え切れずに琴音が洩らす溜息も、いやいやと振るその頭の仕草も・・・。お仕置きを一層楽しむためのエッセンスでしかない。


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「行きますよ。」
 琴音に叩かれる事を充分覚悟できるだけの時間を与えて、自分もその時間を堪能した後に、息を吸い込んだ明子は、パドルを振りかぶった。
 右側のそのふくらみの上を目掛けて、叩き付けたパドルはしなり、柔らかな肉がその強い打撃に歪んでたわむのが、スローモションのようにはっきりと見えた。そして、琴音の引き裂かれるかのような悲鳴も・・・。
「きゃあああああああああ・・・っ。」
 痛みに、驚きに、琴音のお尻は激しく揺れた。



続く・・・
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    2007

12.08

お仕置き・43

琴音・1(第一部)を先に読む

★琴音・10★ 


「琴音さん」
 明子の平坦な冷静な声に、琴音は身をすくませる。大事に育てられた琴音には、叱られた経験がほとんどない。作られたものと分っていても、尖ったその声は琴音を怯えさせるのに充分だった。
「お仕置きというものは、痛いだけではダメなのよ。恥かしいものでなくてはならないの。痛いのは我慢できても、恥かしければ
『もう、二度とするまい』と、思うでしょ?下着を脱がせるのは、あなたに、それをちゃん分らせるためなの。あなたのためを思ってのことなのよ。」
 叱責の言葉を言いながら、明子の手は琴音の綿の下着の縁を人差し指でそっとなぞり続けた。明らかに、明子はおもしろがっているのだが、叱られている琴音にはそれを察する事など出来なかった。


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「ああ、でも、お義母さま・・・。こんなのって。」
 叔母なのだから、小さい頃からずっと知っている叔母なのだから・・・。琴音は、自分自身に一生懸命に言い聞かせた。だが、その事よりも、夫の母であるという事や、こうして叩かれた事がきっと夫にもばれてしまうだろう・・・という事が、琴音をうろたえさせていた。冷静になろうとしても、まったくそうする事ができない。今、こうやってスカートをめくられているだけで、恥かしくていたたまれないのだから・・・。






「琴音さん、逆らったりした以上は、ただ、下着を脱がせてお尻を叩くって訳には行きませんよ。ご自分で私に、下着を脱がせてお尻をたくさんぶってください、と、お願いしてもらいます。」
「叔母様、そんな事。」
 琴音は背中を押さえられている事を忘れて、再び起き上がろうとして、ぎゅうっと、押さえつけられてしまった。
「ほら、そうやって、姿勢を崩そうとする事そのものが、反抗の証なのよ。お仕置きをしてもらう時は、自分からうつぶせになったら、すべてが終わるまでじっと我慢していなくてはなりませんよ。」


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 琴音は、明子の膝の上で身体を熱くしたまま、思い惑っていた。どうやっても逃れられず、叔母の言うとおりにちゃんとやらないと許されないのだという事を納得するのは難しかった。
 床についた両手を握り締め、ぎゅっと目を瞑ると、琴音は観念して口を開いた。
「お、お義母さま・・・ごめんなさい。お仕置きをちゃんと受けます。し、下着を脱がせて、お尻をぶってください。」
「どれくらい?」
「あ・・・・。」
 新たな羞恥が後から後からこみ上げてきて、琴音はぶるぶると震えるのを止める事が出来なかった。恥ずかしい。こんな言葉を言っている事がたまらなく恥かしかった。


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「た、たくさんです。」
 ごくりと、唾を飲み込む。
「琴音が、もう、間違えないように。お尻をたくさんぶってください。」
 たまらず、吐き出すように早口で言い終えた。だが、必死の琴音を追い上げるように、明子の笑いを含んだ声が追い討ちをかけてくる。
「下着を脱がしてお尻を見て欲しいの?」
「ち、違います!そんな・・・」
「あら、ちゃんと二度としないと、よーく反省できるように、お尻を見てもらいたいんじゃなかったの?」
「あ・・・・・」






「お、お尻を・・・見てください。」
 首筋までまっ赤になった琴音は、叫ぶように最後の言葉を言い終えた。明子は、ちょっと口元を押さえるようにして身体を揺らして笑っていたが、やがて、居ずまいを正すと、りんとした声音ではっきりと宣言した。
「いいわ、琴音さん。息子の嫁となったあなたの恥ずかしいお尻をしっかりと見せてもらいますよ。そして、あなたが充分反省するまでお尻をたたいてあげますね。」
 明子は、そういい終わると、じつにゆっくりとした動作で彼女の下着に手を差し入れるとじわじわとパンティを引き降ろし始めた。


続く・・・
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    2007

10.28

お仕置き・42

琴音・1(第一部)を先に読む


★琴音・9★ 


 明子の手の中で、パドルは飴色に艶々と輝いていた。中央に型押しでバラの模様が描かれていて花びらは淡いピンクに、葉はくすんだ緑に染め抜かれていた。使い込まれてしっとりと濡れたように光るその道具は、かわいらしい様子でありながら、琴音を震え上がらせるのに充分な物だった。
「お、お義母さま。お願いです。許してください。」
 まだ、一度だけ、智也の掌の下で、たった、一度だけ泣いた経験しかない琴音には、分っていても、どうしても素直に従えない事だった。無意識にじりじりと後ろに下がる。


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「琴音さん。あなたが、逆らうようだったら、私は使用人を呼んで、あなたを押さえつけさせないといけないわ。そんな、恥かしい事をあなたに最初から強いたくはないのよ。分るでしょ?分っていてお嫁に来たんですもんねぇ。」
 にっこりと明子は笑うと、すぐ側にある、安楽椅子の中央を指し示した。」
「さあ、そこの中央に手を付いて。二度も言わせるのは、許しませんよ。」
 逃げられない。逃げられないのだった。明子の言うとおり、河野の家の嫁になる事は、こういう習慣に逆らえないって事だという事は、あらかじめ聞かされてきた。何度も考えて、覚悟を決めて嫁入ってきたのだ。だが、心の中で空想し覚悟するのと、実際に叔母の前に手を付いて、お尻を差し出すのでは、雲泥の差があった。


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 身体中から、力が抜けて行く。膝が震え、くたくたと、その場に座り込んでしまいそうだ。そんな自分を必死に叱咤して、琴音は、おぼつかない足取りで前に出た。深く息を吸い込んで、思い切ってソファの真ん中に手を付いた。
「膝を曲げないで、まっすぐ伸ばして。お尻を突き出すのよ。」
 その言葉に、琴音は、ぎゅっとまぶたをきつく閉じた。開けていると泣いてしまいそうな気がしたのだ。がたがたと震える身体に、必死に力を込めて、琴音は脚をピンと突っ張った。お尻が高く突き出され、スカートが揺れる。その、広がった裾に叔母の手が、当然のもののように伸ばされてきたのを感じながら、琴音は心の中で夫の名を繰り返し叫んでいた。
「あ、あ・・・・。智也さん。智也さん。智也さん。」


続く・・・
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    2007

10.24

お仕置き・41

琴音・1(第一部)を先に読む

★琴音・8★ 


 客を迎えた時に、琴音はじっと座っていると、打ち身の痕が傷む尻を持て余していた。もう、何日も経って、さすがに座っているのが辛いというほどでは無くなっているものの、異常に感じる場所への異常な行為の結果を抱え込んで、日常の、公とも言える接客をしている事が、どうにも信じられない白昼夢を見ているようで、琴音は気をつけていないと心があらぬ方向へ漂い出て行くような気がしていた。


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「琴音さん、聞いてらして?」
「はい、お義母様?」
 反射的に返事を返して、琴音は我に返って正面を見た。目の前に、今日初めて紹介された温和な微笑をした紳士が、微笑んでいた。たしか、崎山と紹介された男だ。どこか小さな少女の失敗をほほえましそうに見るように。その優しいまなざしに、琴音はかえって恥ずかしくまっかになってしまう。
 どうやら、話の半分は聞き損ねてしまったらしく、困ったようにわざとらしくため息を付く義母の前に、小さくならざるを得ない。


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 玄関まで見送りに出ると、靴を履いて立ち上がった埼山が、振り向くと琴音ににっこりと笑った。
「琴音さん。河野の家のお嫁さんが、こんなにかわいらしい方で嬉しいですよ。別な機会にお目にかかるのを楽しみにしていますからね。」
 「あ、はい。」
 崎山の言った「河野の嫁」と、いう言葉に琴音は反射的に手をお尻に当ててしまっていた。そして、その行動に思わず赤くなる。この、男が言っていることが、そんな意味では決して無いのが分かっていても、頬が熱く燃えてくる。治まっていた筈の骨盤の奥がしんしんと深く痛んだ。


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 部屋に戻ると、義母はソファの所に座っていた。
「琴音さん。ちょっといらして。」
「はい、お義母さま。」
 下げてあったお茶碗を流しへ運ぼうとしていた琴音は、お盆をテーブルの上に置いて、革張りの贅沢なソファへ近づいて行った。義母の側に立った琴音は、小さな卓上にどっしりとしたクリスタルガラスの灰皿の横へ並んでいる皮のしゃもじのような物に気がついた。
 それが、なんに使う物か、琴音は知らなかった。知らなかったけれど、分かってしまった。驚いて義母の顔を見ると、そこにはいたずらっ子が嬉しそうにきらきらと瞳を光らせているような叔母がいた。


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「琴音さん、河野の家の嫁になったからには、さっきのようなお客様をないがしろにするような失礼な真似は許されませんよ。今日は、しっかりとそれをあなたのお尻に刻み付けさせてもらいますからね。」
 結婚して義母となったとは言っても、子供の頃から慣れ親しんできたやさしい叔母である。彼女が怒っているというよりも、うまく捕らえたこの展開を心底楽しんでいるのが琴音には分かった。分かってはみたものの、だからと言って、それを一緒に楽しむ気分にはなれる筈も無い。
 叔母が手を伸ばして、テーブルの上に置いてあった皮のしゃもじを取り上げて、これ見よがしに反対の掌にパチンパチンと打ち付けて見せるのを、恥かしさと恐れの混じった気持ちで見つめる琴音は、かすかに震えていた。


続く・・・
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    2007

09.18

お仕置き・40

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★琴音・7★ 

 「さぁ、コーナータイムだ。」
智也は、膝の上から琴音を無造作に降ろすと、滑り落ちて来た下半身を隠すためのスカートのジッパーをあけてを引き下ろしてしまった。上半身の服も、あっという間に剥ぎ取られる。身体に力の入らなくなった琴音は智也のするがままに引き回されるしかなかった。全裸のまま、琴音は部屋の隅に追い立てられて、壁の角へ向かって膝を付いて座るように命じられる。
「手は頭の上で組んで。」
 恥かしさと痛みと惨めさにじっと堪えていた琴音だったが、ついに、泣き声を洩らし始めた。だが、智也はそれ以上彼女に触れることなく、後へ下がっていってしまった。

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 壁に向かって頭の後ろで手を組んだ琴音は、膝立ちのまま、時々しゃくりあげながら、必死に壁を見つめ続ける。わずかに残った気力を掻き集めないと、崩れ落ちてしまいそうだった。痛むお尻を晒しながら、同じ姿勢を保ち続けなくてはならず、智也は彼女が泣いているのを知っていて、じっとその様子を見ているだけなのか、声もかけてこなかった。
 コーナータイムが何を意味しているのか分からない琴音は、智也が自分にする残酷な仕打ちに混乱していた。何も考えられず、動く力も無く、ただ、姿勢を崩すまいと壁を見つめ続けているだけ・・・。


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「琴音。」
 ふと、暖かい手が琴音の肩に乗せられた。
「大丈夫かい?」
 背中に着せ掛けられたブラウスの布地がふわりと身体を覆い、それと同時に智也の熱い身体が彼女の身体を支えて立ち上がらせようとした。
 止まっていた時が動き出し、涙が乾いてこわばった頬を大急ぎで拭うと琴音は、何も考えられずに、彼の手を振り払って、逃げ出そうとした。
 今夜の出来事は、知識の無い琴音にとってはショックの連続だったのだ。こんなんだって知らなかった。知らなかった。心の中で一つの言葉を繰り返しながら智也の腕の中から逃れようとする。


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 だが、智也はその身体をしっかりと抱きとめると、ぐいっと囲い込むようにして壁に押し付けた。
「いや!離して。」
 反射的な拒絶の言葉だったけれど、それを口に出した事で、琴音の緊張は解け、智也の腕の中でもがき暴れだした。智也は、彼女の右手首を左手で掴むと、腰の辺りに回した腕に力を込めてを抱きしめる。身体ごと押し付けて。しっかりと逃がさぬように。
 耳の後ろに唇を押し付けた。
「しー。琴音。大丈夫。大丈夫だから。落ち着いて。しー。」
 いつもと変わらない優しいその声音にようやく我に返った琴音は、夫の体にしがみついて泣き伏した。 


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「大丈夫だよ。よく頑張ったね。いい娘だから、落ち着いて。」
 規則的に身体を揺すられて、首筋にキスをされ、耳たぶを優しく噛まれるうちに、泣き声を張り上げていた琴音は、昂ぶりが治まってくるのを感じていた。それと同時に不思議な心地よさが胸に溢れてくる。何か、優しいものに包まれ、すべてを許されたような穏やかな気持ち。
 思いっきり泣いて。思いっきりしがみついて。何もかも自分の中の気持ちを相手にぶつけても構わないと許されたような。安心できる気持ち。
「智也さん。」
 ぎゅっと抱きしめられる。そして、初めて相手の身体中心がひどく昂ぶって熱く堅くなっていて、それが、自分の素肌に押し付けられている事に気が付いた。


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「琴音。琴音。」
 智也が囁く。
「僕のものだ。僕のものだろう?」
 吐息が耳に吹きかけられ、唇がうなじを這い回る。息が出来ないほど智也の腕がきつく身体を締め上げてくる。
「いかないで。逃げないで。僕から離れないで。」
 うわごとのように繰り返される睦言に、我に帰った琴音は、おずおずと相手の背に自分の手を回した。思いっきり腰を引き寄せられ、乱暴にキスを奪われる。
 私はこの人が好き・・・・。この人の傍にずっといるために、私が自分で選んだんだもの。たどたどしくキスを返しながら、琴音は波立つ気持ちを押し殺そうとした。


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 まだ、始まったばかり。琴音はまだ、何も知らない。
 一度目の試練を乗り越えた琴音は、爪先だって最愛の相手にキスを返す。自分が知らない、河野の家の奇習が顎を開けて自分を飲み込もうとしているのも知らずに・・・・。


琴音・第一部終了



続く・・・
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    2007

09.11

お仕置き・39

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★琴音・6★

 むしろ、全部脱がされてしまった方が、ずっとずっと楽だったに違いない。膝の間にピンと伸びきった白い下着。智也が下着を降ろすと同時にわざと腿の間にすばやく自分の膝を割り入れたために、閉じられなくなってしまった足の中途に止まっている下着。今の今まで自分の恥かしい場所にぴったりと張り付いていた布地が琴音の汗を吸い込んで湿ったままに裏返ってその存在を主張している。クロッチの部分が汚れているのではないかと思うと、生きた心地がしない琴音だった。
 だからと言って自分から何かをする訳にもいかず恥かしさに身をすくめるだけ・・・。ひんやりとした空気が熱のこもった素肌に感じられ、何もかもがあからさまに晒されている事を思い知らされる。


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「初めてだから・・・。」
 智也の掌はわざとらしくそのお尻のふくらみから足の間を行ったり来たりする。触れるか触れないかのギリギリのところを優しく撫で回されて、総毛だつような不思議なその感覚に琴音は身をすくませた。
「30回。」
 回数が琴音の頭に沁みこんで、何を言われたのか理解する間、智也は黙って待っていた。
「その代わり、同じ間隔だから、決して楽じゃ無いからね。」
 間隔?まだ、なにも知らない琴音にとっては、智也の指摘したその意味する所をうかがい知る術は無かった。ただ、黙って震え、膝にしがみつくばかり・・・。


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 ばちん!
「きゃあ!」
「一回。」
 掌がお尻に打ちつけられた。琴音は驚いて悲鳴をあげた。智也の掌は思っていたよりも大きく、拡げられた掌の形が琴音の薄くピンク色に染まっていた肌にみるみるうちにその赤い痕を表してくる。お尻全体にじんわりと拡がるその痛みに琴音は、ますます膝にかじりつくしかなかった。
 その痛みの余韻が消えていく前に、次の一打が振り下ろされる。
 バシッ!
「二回。」
 痛ったぁ・・・・。琴音は、涙眼になりながらもその痛みに必死で耐えようとしていた。
 さっきまでの恥かしさはどこかに消え、智也の態度も淫らがましい雰囲気を一掃させていた。回数を数える静かな声が、お仕置きの厳しさを琴音の胸に刻み込むように響き渡る。


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 一定の間隔で揺るぎ無く、琴音のお尻に掌が振り下ろされる。歯を喰いしばり、身体に力をこめ、智也の膝にしがみついていた琴音が、遂に耐え切れなくなって悲鳴をあげた。
 ばしいぃいっ!
「ひいっ!」
「13回。」
 痛みに身体が仰け反る。髪を振り乱し、琴音は顔を打ち振った。始めは拡散して消えていった痛みが、消えずに肉の中から皮膚を押し上げてくるようにじんじんと主張している。そこをまた、重ねて叩かれるのだから、一層、痛みは耐えがたく強くなる。
バシイイイッ!
「いやぁ!」
「17回。」
 琴音が、耐え切れずに脚をばたつかせ始めたのを見て取ると、智也は琴音の腿を開かせるのをやめて、その足でばたつく彼女の両脚を抱え込んだ。しっかりと膝の上に抱えなおす。


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 痛ったあい!痛い。痛い。痛い。痛い。助けて。痛い。こんなに痛いなんて聞いてない。聞いてないよ。涙が溢れ、悲鳴が湿ってくる。それと同時に肉を打つ音も、琴音の身体が苦痛に脂汗を流してらてらと光り始めるとともに湿ってきていた。
 琴音は思わず、腕をつっぱって、智也の腕から逃れようとした。
「琴音。さっきの覚悟は、どうしたの。」
 ああ、だって、こんなに痛いなんて知らなかったんだもの。そうよ。ひどい。こんなに酷く打つなんて酷い。一言も口に出せないままに、琴音は胸の中で繰り返し呟いた。腫れ上がったお尻が一回り膨らんで、掌が喰い込んで来るような気がした。
バシシィイイイインン!!
「ひぃあ・・・・・っつ。あ、嫌。もう、許して。」
「黙って、じっとして無いと、御仕置きがもっと酷くなっちゃうぞ。」


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 ああああ・・・そんなの嘘でしょ。絶対に嫌。嫌です。もう、許して、許して。
バシイッツイイン!!!
「ひいああああああ・・・・。許して。」
「25回。」
 最後の5回が特に辛かった。最初の一打目から、変わらぬ強さで打ち付けられるその掌からの打擲は、琴音にとっては、初めてその身に記されるお仕置き。なんとしても、回数だけは守らないと、と思う気持ちと、痛みに耐えかねて、とにかく何でもいいから逃れたいと思う気持ちが、彼女の中で荒れ狂い、汗びっしょりにりなった彼女は、もう、悲鳴を押し殺す事もできなかった。
「30回。」
 ああ・・・ようやく・・・・。痛みは、まだジンジンと身体の中を苛んでいるけれど、とにかく一回は終わった。一回目の務めを無事に果たしたのだ。
そっと、お尻を撫で上げるとひりひりと沁みて、火照って熱いお尻はいつもよりも倍はふくれ上がってると感じられた。


続く・・・
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    2007

09.07

お仕置き・38

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★琴音・5★

 背筋に沿って滑らせた親指がパンティのゴムにかかるとぐいっと引き降ろされる。すっかり剥き出しになった尻を夫に見られている。新婚旅行のホテルでは、一緒に風呂には行った事さえあるのに、見られることが、こんなに恥かしいなんて思わなかった。なぜ、彼の膝の上にいるのかも忘れて、背を仰け反らせ押さえつけられている腕から逃れようともがく。すると、智也は下着を引き降ろしていた手を外して彼女の身体を改めてしっかりと膝の上に乗せあげた。


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「琴音。どうして逆らうの。」
 え?静かな声で問いかけられてみれば、智也の言う通りなのだった。いくら、変わった習慣だとは言っても、承知の上で嫁いで来たのだ。
 身体を堅くして、床を見つめたまま琴音は身動きが出来なくなった。その琴音の緊張している尻の上に、智也は黙ったまま、揃えた指先で丸い円を描いき続けた。
「ごめんなさい。」
 たどたどしく謝る琴音の身体に智也がふっと笑った感触が伝わってきた。
「分ったようだね。」
 掌が、ぎゅっと琴音の若々しい肉をつかみしめた。


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「反省できたのなら、自分でお願いしなさい。」
 琴音の身体がびくりと動く。なにを?なにをお願いしなさいって言うの?琴音は、自分に要求されている事を理解して呆然とした。智也は、今、琴音が逆らって抵抗していた以前にされていた行為を、お願いするように命じているのだった。やさしい両親に大事にされ、現代の体罰禁止の学校の中で優等生として育ってきた琴音にとって、そもそも叱られるという経験が無かった。こうして、夫に折檻される身になってみれば、身体だけでなく心も理不尽な仕打ちに抵抗しようとしている。
 琴音は、その自分の気持ちを必死に捻じ伏せた。
「パ、パンティを脱がして・・・。」


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「脱がして?」
 追い討ちをかけるように、智也の問いが続く。琴音は、目の前の床が涙でぼやけてくるのを感じた。唇を噛んで、我が身を叱咤する。
「脱がして、お尻をたたいでください。」
「どうして?」
 どうしてって・・・。なんと、答えればいいのだろう。そもそもの始まりは、夫の楽しみのためで、何の理由も無かったのではなかったのか。でも、よく考えてみれば、先ほどからの振る舞いですでに立派な理由が出来てしまっていたのだ。琴音は、大きく息を付くと、一気に言葉を搾り出した。
「おとなしく、いい子にしてないで、逆らったから。」


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「よし、よく言えたね。」
 智也の両手がパンティのゴムを掴むとゆっくりと引き下ろし始めた。琴音は両手で顔を覆い、泣き声をあげまいと必死に堪えた。琴音が逆らわなくなったので、智也は両手を使って、少しずつ少しずつ下着を引き降ろしていく。あっという間に辿り着く筈の距離を、引き伸ばすようにゆっくりと・・・。
 琴音は耐え切れずに、引きつった喘ぎを洩らした。
白い布は彼女の膝の辺りまで降ろされて、そこで、彼女の脚に絡み付いたまま止まった。

続く




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    2007

09.02

お仕置き・37

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★琴音・4★

 一回目よりも強く。痛みは鋭く身体の中心へ走り、それでいて、あっという間に指先へ拡散するようにして消えていく。息を吸い込んだ琴音が、一瞬の硬直の後に、吸った息を吐き出すとともにその感覚は身体の隅々まで細波のように、行き渡って甘い余韻を残して消える。
 ・・・甘い?琴音は、自分の身体の中心へ響くような、その感覚に喘いだ。そして、自分のしている事に、えもいわれぬ羞恥が襲い掛かってくる。決して辛いほどに痛くは無い。むしろ、心地よいとさえ言える軽い痛み。だが、それが、もたらす感覚は、不思議と琴音の官能を揺さぶり起こした。
「あうっ。・・・痛っ。・・・・あ。あぁ・・・・んっ。」


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 打擲は、段々と強く、痛みも段々と鋭くなっていく。一回ずつ、琴音が充分その拡がりを味わえるように、次に来る痛みが、耐えられぬものにならぬように。智也は、火照って熱くなってくる頂を撫で擦った。
「あっ。あっ・・・・っつう。う、うん。」
 充分に手加減し、叩き方にも工夫を凝らしているとは言っても、初めての琴音の悲鳴には、段々と涙声が混じり始め。熱くなってくる身体もくねくねと、無意識のうちに叩かれる場所をずらそうと蠢き始めていた。
「琴音、パンティを脱がすからね。」


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 それは、決まった手順。痛みを和らげるために、温まってくるまでは、布一枚を隔てて。充分準備が整ったら、むき出しの肉を直接に。だが、何も知らぬ琴音は、下着を脱がされると聞かされて驚いた。ただ、ひたすら、顔を伏せて、その時が過ぎ去るのを待っていた琴音は、改めて、智也の膝の上から起き上がろうともがき始めた。
 智也は左腕でその身体をなんなく押さえつけながら、琴音の身体が女性らしい、弱々しい抗いを繰り返すのを楽しんだ。
「いや、ね・・・こんな明るい所で。嫌です。智也さん。脱がさないで。」
 智也は愛らしい妻女の必死な哀願を充分堪能し、それから、その白い布の縁へそっと指を滑らせた。
「ああっ。」


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 人差し指の先で、軽く撫で上げられて、琴音はすくみ上がる。熱く火照って来ている肌の表面だけでなく、身体の芯の奥が、鼓動に合わせて収縮しているような気がする。そして、その焦らすような指の動きは、琴音の中心に灯り始めた火を、段々と熱く大きくしていくのだ。
 恥かしくて、逃げ出したくて、それでいて、一気にめちゃめちゃにされたいようなもどかしさを、琴音は智也に悟られまいと必死になって歯を喰いしばった。
 どうせ、脱がないといけないなら、一気に引き剥がして欲しいのに。何度も行きつ戻りつする指は、何もかも心得ていて、彼女の恥かしさをギリギリに引き伸ばし続けている。


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 それから、智也の指は、ゆっくりとパンティの縁にかかり、レースのゴムを引き伸ばすようにしながら、琴音の肌を剥き出しにしていく。火照った肌に、ひんやりとした空気が当たり、いたたまれなさに、琴音は智也の膝にしがみついていた腕に力を込めた。
 その時、屈んだ智也は顔を、お尻の割れ目の始まりへ近づけるとその隙間から、ふっと息を吹き込んだ。
「ひっ・・・・。」
 いやあ。そんな・・・どうして。どうして、そんなに恥かしい事するの?なぜ、もったいぶって、じらして、恥かしい思いを煽り立てて・・・。ああ、恥かしいぃ。やめて。許して。
 抗いを、口に出す事さえ、一層恥かしく、琴音は、繰り返し心の中で悲鳴を挙げた。どうして?その問いの答えはすでに琴音の胸にきざしていたのだけれど。それでも、その答えをすぐに受け入れる事さえも恥かしく・・・。琴音は、いやいやと首を振り続けるのをやめることが出来なかった。


続く・・・
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    2007

08.31

お仕置き・36

琴音・1を先に読む
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★琴音・3★


 智也の手が、琴音の腰周りを覆っていたスカートをあっさりとめくり挙げた。くつろいでいる時間だったので、ストッキングもつけていなかった琴音は、無防備に一枚きりの白く薄いローンの生地にちんまりと覆われたお尻を、灯の下で智也の目の前に突き上げている形になった。
 恥かしさといたたまれなさで、頬が熱くなり、途切れがちに震える息が、息苦しさのために速まってくる。琴音は、智也に、下着を見られてると思うだけで、身動きも出来ず、息をするのもはばかられるような想いだった。


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 彼の手が、一番膨らんでいる頂に乗せられた。琴音は、痛みを覚悟してぎゅっと目を瞑り、堅くなる。だが、それは、すぐには来なかった。智也は下着の上をただ、ゆるゆると擦っている。
「ねぇ、琴音。君には想像もつかないだろう?僕がどれほど君のお尻を叩く日を待ち焦がれていたか。知っていて、尚、君が、僕の所に嫁いで来てくれた事がどれほど嬉しかったか。」
 それから、智也は指先を軽く押し付けては離し、彼女のお尻のあちこちにくぼみを付けては、しわのよった下着が、元に戻る様をじっと見つめ続けた。


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「智也さんっ・・・恥かしい・・・。」
「琴音・・・・。」
 昂りを抑えかねたのか、智也は拡げた掌に力を込めて、琴音の尻のふくらみを掴んだ。指先が強く肉に喰い込む。
「あ、あん・・・っ。痛い・・・・。」
「かわいいよ。なんて、可愛らしく啼くんだろう。でも、心配しなくても大丈夫だよ。最初から酷くしたりしないから。琴音が、お仕置きを楽しめるように、少しずつ・・・・ね。」
 掌を緩めると、智也は、また、優しくそのふくらみを撫で続けた。痛みが薄らぎ、緊張がほどけてきて、琴音の強張った身体が、くたりと智也の膝の上に体重を預けてきた。


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 琴音には見えない場所で、にんまりと、智也は頬を緩めると、ゆっくりと腕を振りかぶって、軽く振りぬくようにして彼女の尻たぼをひっぱたいた。

ぱっしいぃぃぃぃ・・・・。

 軽い音がして、琴音の身体が驚きに大きく弾む。ほとんど痛みもなく、ただ、打たれた場所が、烙印を押されたように熱い。琴音は、自分の中をその衝撃が走る抜けるのを、息を詰めて感じ続けた。
 子宮に向けて、電気が走るような。不思議な感覚。その痺れが、身体中にこだまを呼びながら、消えていく様を驚きを持ってみつめる。


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 琴音が、最初の一打を充分に味わったのを確認してから、智也は再び彼女のお尻をそっと撫で回してやった。痛みや、惧れを憶えさせる事は簡単で、いつでもできる。最初は、急いではいけない事を智也は、自分の身体で知っていた。河野の家に産まれて、幼い頃から見聞し、あるいは、自分の身体で覚えこまされた不思議な奇習。
 時代が移り変わって、家長制度が無くなった今、この奇習の功徳を、自分自身で味わうためには、彼女に官能の喜びを教え込むしかないと、無意識のうちに知っていた。

 次の一打を繰り出す前に、智也は深く息を吸う。じっと、彼の手が、肉の上を彷徨う感覚を味わっていた琴音が、何がおきるのか察して同じ様にひゅっと息を吸い込むのが分った。

続く・・・
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    2007

08.30

お仕置き・35

琴音・1を先に読む

★琴音・2★

 両親に認められ、友人達に祝福され、誰からも羨ましがられる結婚式の後、ヨーロッパをまわる贅沢な新婚旅行・・・。そして、山の手では知られた河野のお屋敷に、新しい家具でしつらえられた若夫婦の明るい部屋・・・。甘やかされて育てられた娘らしい琴音の虚栄心を充分満足させる幸せな結婚だった。
 ましてや、相手は恋焦がれた男。奇妙な風習が残っていると聞かされた家に嫁いで行く不安を琴音は見ないふりをして、押し殺しとおした。
 優しい夫との甘やかな新婚初夜。何も知らなかった琴音が、夫の手馴れたリードにその純潔を失い、たくさんのお土産を抱えて、新居となる家に戻ってきた時も、まだ何も始まってはおらず、琴音も何も知らないままであった。結婚式から丁度一月を数えた夜に、智也が彼女を膝の上に乗せるまでは・・・・。


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「嫌あ・・・。」
 結婚したとは言っても、まだ、部屋を暗くしなければ、夫のベッドへ入るのさえ躊躇う琴音だった。ひとつひとつ、少しずつ、官能の扉を開かれる事に対する戸惑いと、惧れの残る固い身体を、明るい部屋の中で抱きとられたときの戸惑いから、彼女が抵抗したのも無理は無かっただろう。
「どうして?何も悪い事して無いのに。いや、いや。」
 智也は彼女を、膝の上に押さえつけたままく、くつくつと声を殺して笑った。
「奥さん。忘れたの?お尻を叩くのは、お仕置きの仮面を被ってはいるけれど、家族の楽しみのためにあるんだって事。」
 言い聞かせられていて、分っていたはずなのに、琴音は、はっと、息を飲まずにはいられなかった。


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 夫の膝にしがみつき、真っ赤になった顔をいやいやと振りながらソファの布地にこすり付ける。
「だって、だって・・・・。」
 智也の暖かい腕が、起き上がろうとする彼女の身体を抱き締めてしっかりと押さえつける。
「かわいい奥さん。覚悟の上でお嫁に来たんじゃなかったの?」
「ああ・・・、はい。そうです。」
 逆らえない。河野の家に嫁ぐなら、受け入れるしかないんだから。恥かしさと惧れと、不安と期待。夜毎に少しずつ、開かれて行く身体・・・・。いくら、琴音が初心だとは言っても、この奇妙な風習が夫婦の密か事と無縁だと思っていないわけではない。


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 そろり・・・と、熱い彼の掌が、琴音のスカートの中に滑り込んできた。ぞわわわわぁっと心地よく背筋が総毛だつような快感が這い上がってきて、琴音は思わず仰け反る。くすぐったいような。それでいて、抗いがたい心地よさ。じっとしているのが辛く感じるような不思議な高揚感と恥かしさが琴音を襲う。
 分っていた。分っていたけれど、いざ、その場になると、あまりにも恥かしい。足をつっぱらせ、身体を膝に押し付けて。ぎゅっとしっかりと目を瞑った琴音は、彼の膝に指を食い込ませた・・・。

続く

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    2007

08.29

お仕置き・34

★琴音・1★

「河野のお家では、悪い事をする子供はお尻を叩かれるんだよ。」
 年上の従兄弟は、やさしく微笑んでそう話してくれた。一人娘で大事に育てられていた琴音にとって、お仕置きに自分の両親が手を挙げて自分を打つなんて事は想像も出来なかった。だか、琴音から見た伯父や伯母にしても、やさしく落ち着いていて、とても従兄弟の智也に暴力を振るう様な酷いことをするなんて信じられなかった。
「兄さまも打たれたことあるの?」
「そりゃあ、小さい頃はね。」
「今は?」
「悪い事しないように気をつけているからね。」


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 幼い頃に、そんな事を、おそるおそる尋ねたのも、もう、遠い昔になった。琴音は今年で22になり、大学の卒業と同時に智也と結婚することになっているのだ。従兄弟とは言っても、智也は本当は伯母の兄弟の子供で深い血のつながりがあるわけではない。
 小さい頃から、憧れていた齢の離れた優しい従兄弟の妻になる事は、琴音にとっては夢のような出来事なのだ。河野の家に嫁いで行くことで、「お尻を叩かれる」という奇妙な風習をその身に甘受しなくてはいけないという運命が待っているとしても。そんな事で、智也を退けるなんて考えられなかったとしても、無理は無いと言える。


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「お尻を叩かれるのは、子供だけだと思ってたのに。」
 口を尖らせて琴音が意義を唱えると、智也は困ったようにその瞳を伏せた。河野の父親は彼にとっては義理のなさぬ仲。表立って強く反発することは出来ないのかもしれない。
「琴音が、嫌なら、河野の家に嫁いでくることは無いんだよ。」
 どうやら、河野の新妻にとっては、それは、避けられない行為のようだった。だが、我が身に降りかかると分ってみれば、ただ、黙って受け入れるには、あまりにも異様な風習で、琴音は不安な気持ちが次々と湧き上がってくるのを抑えられなかった。


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「どんな事をしたら、お仕置きを受けなくてはいけないの?」
 智也は、本当の事を告げるのを躊躇う様に視線を宙に泳がせた。そして、ようやく決心したのか、まっすぐ琴音をみつめると、静かな声で囁き始めた。
「お尻を叩くのは、ほんとうは、悪い事をしたお仕置きじゃないんだよ。」
 意外な言葉に琴音の大きな瞳はさらに大きくなる。
「かわいいお嫁さんを泣かせてその様を愛でるのが、目的なんだよ。だから、何もしてなくても、悪くなくても、難癖をつけてお仕置きするんだ。」
 あまりの事に、琴音はびっくりして言葉も無かった。それでは、まるで、妻に対する意味の無い暴力と同じではないか。
「でも、でも、それをするのは、智也さんなんでしょ。だったら、無理にしなくても、したふりだけでも・・・・。」
 琴音の、せいいっぱいの抗議は段々小さくなって彼女の口の中で消えて行った・・・・。


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「叩くのは、夫婦の寝室とは限らないんだ。叩くのも、僕だけとも限らないし・・・。」
 琴音はびくっと椅子の中で後ずさろうとした。小さい頃から知っているとはいえ、伯父や伯母の前で、智也からお尻を叩かれるなんて、そんな恥かしいことは予想していなかったのだ。ましてや、伯父や伯母に・・・・と、考えただけで琴音には耐えられそうに無かった。
「琴音、無理しないでいいんだよ。琴音には、もっとふさわしくて優しい人がいくらでも現れると思うし。」
 その言葉で、受け入れられなければ、智也の妻となれなという現実が、はっきりと分ってくると、琴音は大きな瞳に涙を溜めて、ただ、黙って首を左右に振ることしかできなかった。


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「どうして?どうしてそんなこと?」
「わからない?」
 首を傾げて琴音の表情を見つめていた智也が、手を伸ばしてきて、泣いている琴音の手をテーブルの上でそっと握った。
「わからない?」
 じっと覗き込んでくるきらきらと光る男の目の中でちらちらと瞬く欲望の色。悪戯っぽい笑みを浮かべ、手を伸ばして彼女の涙を拭うと、智也は、更に乗り出して、彼女の耳元に唇を近づけてきた。熱い息が耳朶に吹きかけられる。琴音は思いもかけぬ感覚に、ぶるっと背筋を振るわせた。くすぐったいような、それでいて心地よい、異様な感覚に・・・。


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「わからない?」
「ねぇ、琴音」
「琴音」
「わからないの?」
「僕は、それが好きなんだよ。」
「かよわい相手の、お尻を叩いて泣かせるのが。」
 琴音は、ただ呆然と、ずっとずっと恋してきた相手の涙でぼやけて揺れる顔をみつめた。拒否することなど考えられない。大好きな相手の顔を・・・。


琴音・2へ続く
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    2007

04.14

お仕置き・30

       ★クロード・4★


 クロードは彼女に手を貸して膝の上から降ろすと立ち上がらせた。そして部屋の不自然に中央に近い位置にある私達の丁度足の付け根ぐらいの高さのテーブルを指し示した。
「あそこへお行き。そしてうつぶせになるんだ。」
「いや・・・。」
 見開かれたカークランド夫人の瞳は、涙をいっぱいに湛え、グレイがかったエメラルドの瞳がまるでガラス玉のように光に透けて見えた。ゆっくりと左右に振られる、人形のように小さな顔に懇願と諦めの表情が同時に浮かんでいる。なにを、どうしたって、クロードの言うとおりにさせられる決まりになっているのだろう。このゲームを始めた時から、二人の間に存在する、すべてをやめるまで決して逆らう事はできないというルール。それがなければ、こういう行為は本当の言葉遊びになってしまうのだろう。だが、その決まりを作ったのはいったい誰なのか。この退廃の遊びを行う多くの女性達が暗黙のうちにそれを作り、受け入れたのではないのだろうか。今の時代、彼女達は、いつでもドアを開けて出て行くことが出来る。醜聞を怖れるのは決してご婦人だけでは無い。男にとってもこの種





 カークランド夫人は震えながら前に進み。おそるおそるというように両手を伸ばしてその机の上にうつぶせた。顔を横に向けて目を瞑るその白い面は、殉教の諦めに縁取られているかのように神々しくも美しかった。
 クロードはテーブルの脚に取り付けてあるゴムのバンドを引っ張ってその輪になっているところを、彼女の手首に引っ掛けた。それは非常に巧妙に作られた道具で夫人が手首を内側に向けている限り決して外れないのだ。だが、反対に手首を返して掌を外側に向けるだけで縮もうとするゴムの力から逃れる事が出来る。つまり、拘 束は絶対のものでありながら、それを選択しているのは女性の側であるという不思議なつくりになっているのだった。
 クロードは彼女の腕を軽く掴み、そしてゆっくりとその手を背中に向けて移動させた。夫人は裸足の脚を落ち着かない様子で右へ左へと踏み換えた。その動きにつれて突き出したお尻が無意識のうちにもこもこと動く。スカートの中のお尻はさっきまでと違い赤く火照り、クロードの手形に染め上げられているのだった。


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 クロードの手が身体の上を這い回りようやくスカートの縁までやってきた。それから彼女の下半身を覆い隠していたスカートの裾の両端を持ってめくり揚げ始めた。揚げ幕のように再び徐々に彼女の身体が現れる。息を呑み。せわしなく溜息をつくカークランド夫人の身体の震えが、彼女がどれほどの羞恥に耐えているのかを私に教えてくれた。
 すっかりめくり揚げられたスカートを腰の辺りに手繰り上げると、クロードは部屋の壁に掛けてあった皮製のパドルを持って、彼女のそばに戻ってきた。その固い皮の冷たい表面を火照っている彼女の尻に軽くノックするように当てると、まるで耳をくすぐられた猫のように彼女はぶるっと身震いした。
「もう一度考えてくれないか。フィリップ。何のためにお仕置きが必要だ・・・と君は思う?」
「分からないな。さっきよりももっと分からなくなってしまった。第一、君自身が、本当にそれが必要なのかどうか、という事もよく分からないよ。いったい、君は、彼女を辱め、痛めつけたいと本当に願っているのかい?」
「うん・・・。」
 クロードは答えを探すかのように辺りを見回して、それから困ったように僕の方を見た。

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 「僕にはそれが必要なんだよ。夢にまで出て来る位に、その行為にこがれているんだ。それに不思議な事に、やっている最中よりも無い時間の方がその事を考え、その行為に囚われているんだ。」
「それで、君はその行為をお仕置きだと思っているんだね。相手の女性が悪い事をして、それを罰していると。」
「いや、それはどうだろう。むしろ・・・むしろ、罰したいのは自分自身のような気もするが・・・。だが、それはそんなに単純な事じゃない。そう、僕は彼女を通して知るのかもしれない。自分の罪。自分のあざとさ。神をも恐れぬその所業をね。」
「だったら、彼女はどうなのだろう。彼女は罪を犯しているのか・・・・。その贖罪を願っているのか。」
「満たされぬ想いとその身体と、自分を許さない価値観なの・・・かな。」
「それが罪だとしたら、人はみな罪びとだろう。」
「許されたいと願う。もしくは許したいと願っている。受け入れたいと。与えたいとね。」
 静かに語りながらクロードはその手を伸ばして彼女の尻の狭間から太腿までを撫で下ろすと、その両脚を押し広げさせ、すべてを露にするように彼女に促した。彼女はおずおずと脚をわずかに拡げ、その姿勢のせいで、そのわずかな脚の開きだけで露に光る女性自身が私の前に姿を現した。カークランド夫人は再び大きく震え、耐え切れずに喘いだ。その足の間をクロードの手が静かに行き来する。


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「それらが皆この行為に凝縮しているのかい。」
「痛みは何をもたらすと思う?彼女に・・・。たとえば修道僧は、自らの身体を鞭打ち痛めつけるだろう。あれは、果たして何のためなのだと思う?」
「それこそが贖罪だろう。だが、贖罪と性の喜びは相容れない。君たちはこの行為に喜びを感じるのだろう?」
 実際にクロードの手の動きにつれて、ひくひくと痙攣している彼女のその部分は、蜜を溢れさせながら喜びに蠢いているようだった。その快感に連れて体全体がピンク色に染まりくねり始める。本当の所、これが欲しくてこういう行為をしていると説明された方が、ずっと簡単で理解しやすい。そう、痛みが好きで痛みによって性的に感じると言われたのでもいい。そうであれば、私は理解できないまでも、その意味を許容しようと努力しただろう。
「ああ、それがね。もっとも問題なんだよ。痛みは痛み。それだけでしかない。私が本当に欲しいのは、それを待つ時間。恐れおののいて、逃げ出したさを耐えてじっと震えている時間。そして、その行為の後に恥と痛みを噛み締める時間。痛み以外のそんな時間の方なんだ。そして、その苦しみに僕は性的に感じてしまうのだよ。」
「分からないなぁ・・・・。とにかく君は変わっているよ。僕はパリでボンデージのショウを観た事があるけれど、そんな理屈なんて必要なかったよ。その場にいる者達はとにかくその婀娜っぽさと罪を味わい充分に楽しんだと思うけどね。そんな面倒な理屈をこねる事がなんの役に立つんだい。楽しみを削ぐだけじゃないか。」
「知りたいと思ってしまうのさ。なぜ、僕は彼女を打たねばならないのか。そして、彼女はなぜ、僕に打たせるのか・・・・。」


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 そして、クロードはパドルを振り上げると彼女のピンク色に腫れ上がったお尻にそれを打ち下ろした。掌のなした所業がささやかな前菜でしかなかった事は、彼女があげた悲鳴からも、跳ね上がったお尻の動きからも充分感じ取れた。彼女な悲鳴を上げ、泣き、悶え、跳ね上がった。悲鳴。悲鳴。悲鳴。
「ああああ。いや!許して。許して。痛い。痛い。いたあい!」
 持ち上がり落ちる彼女の腰の動きは実にエロティックで、愛らしかった。それに、踏みしめられた脚や握りしめられる拳、そして打ち振られる頭からほつれ落ちる後れ毛。そしてその頬を濡らしていく涙。痛さのあまりに、彼女は無意識のうちに腕を引っ張る。
「やあぁ・・・。クロード。お願い。もう、充分よ。お願いだから。ああ!」
 どうしてなのだろう?こんな酷い目にあいながら・・・・。どうしてなのだろう?逃げようと思いさえすれば簡単に逃れられるのに・・・・。許しを請いながら、叫びながら、それでも自らの身体をそのパドルの下に差し出し続ける女性は何を考えているのか。


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 私にはクロードの言葉の意味も全く分からなかった。美しい夫人が見るもいたましい暴力の元に、泣き悶える姿を見れば、全くこういう行為をした事が無い私でさえ、股間は固くなり息が速まり汗を滲ませる。そう、テーブルの上にうつぶせる彼女が脚を跳ね上げる度に、女性が最も隠しておきたいはずの花が開き、私を引き付ける。その身体を押し伏せ味わい尽くしたいという興味と欲望が膨れ上がるのを感じながらも、私は私の友人の眉を寄せた悲しそうな表情を彼らしく、そして美しいと思って見つめた。
 歪んだ真珠の美しさ。まがまがしい悪魔の魅力を。
 ひときわ高い悲鳴を上げた夫人がぐったりとして、どうやら彼女が高みに上り詰めた事が分かった。その高みが喜びの物なのか、苦痛の物なのか分からないままであったが。クロードはこの上なく優しい手つきでその手を止めていたバンドから、彼女の腕を引き抜いた。それからもう一度、無残に傷だらけになって腫れ上がったその丸い宮殿に優しく愛撫を与えた。夢うつつのままに彼女は呻き、明らかに感じていると分かる溜息と喘ぎを振り零した。もう、すっかり脱力しきった彼女は、その身体を男達の視線から隠そうとする素振りすら見せなかった。
 ああ、この友人の傍にいる限り・・・・いつか、私自身も知ることになるのだろうか。罪と許しの仮面を被った、この甘い毒を含んだ花の蜜の味を。静かに私を見やったクロードの顔は、最初と変わりなく静かで、かすかに笑いを含んだ頬は、確かに私を誘おうとしている若い頃から慣れ親しんだいたずらっこの友人のものだった。

end.

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    2007

04.13

お仕置き・29

       ★クロード・3★

「膝の上がいいかい?それとも机?」
 クロードの表情は変わらない。今から始まる淫靡なお遊びに対しても特に興奮している様子でもなかった。
「ああ、どうしてもなさるの?フィリップさんの前で?」
 椅子からわずかに腰を浮かして、おろおろとクロードと私を交互に見比べた後に、夫人は観念したのかがっくりと首を折って囁くように呟いた。
「膝の上で・・・お願い・・・。」
 ミレーユが、酷く動揺している事は明らかだった。それは、私がいるからなのか、それともいつもこうなのか私には分からなかったけれど。クロードは手を伸ばしてミレーユの右手を掴み、頭が左側に来るように彼女をうつぶせに膝の上に乗せた。彼女の頭の上の可愛らしい小さな帽子が揺れて、恥ずかしさに両手は顔を覆う。その上質のレースの手袋が、人前で男の膝の上に乗るこの夫人の本当の身分を示しているようで、不思議な気がした。
 クロードは服の上から彼女の丸いお尻のふくらみを静かに撫でている。


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「つまりね、フィリップ、僕ら男には結局理解できないのじゃないかと思うんだよ。こうやって美しいご婦人を膝の上に乗せるのは素晴らしい体験だし、そのスカートを捲り上げて白いお尻を見るのも、男だったらみな垂涎の体験じゃないか。それは別に加虐の趣味があろうと無かろうと、やっぱりその機会があれば男はみなそれを掴むのじゃないかい。だが、叩かれる側を望むのは、全員という訳にはいくまい?」
「それは、どうだろうか。だって、お尻を叩かれたいと思うのは女性だけではあるまい?」
「ああ、そうだね。では、訂正しよう。つまり、叩く側。カーの側からは、本当に叩かれる側、キーの気持ちなど分からないのじゃないだろうか。」
「つまり、君はお尻を叩いた事はあっても叩かれた事は無いって事かい?」
「いいや、それがね・・・実は叩かれた事もある。」


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 クロードは、心底おかしそうにくすくす笑いながら、ミレーユのお尻の肉をぎゅっと掴みしめた。じっと黙ってお尻を撫でられる事に耐えていた彼女の口から小さな悲鳴が漏れる。
「何しろ、何事も経験だし、体験した事の無い私が女性を叩くのもあまりにも身勝手に思えたのでね。だが、あまり良くなかった。正直痛いだけだった。結構恥ずかしい思いをして、好きな相手にお願いして、叩いてもらった事さえあるのだよ。」
 私は、びっくりして彼の話を聞きながらゆったりと沈み込んでいた、椅子から身体を起こした。
「え?それは・・・まさか。あのS夫人のことなのか。」
「ああ、そうそう。君は僕と彼女の顛末の事も知っているんだったね。その通り。もしかして、自分の恋心が何がしらの影響をこの行為に与えてくれるのではないかと思ったのでね。でも、だめだった。どうやら、私には叩かれる事にファンタジーを描く能力が欠けているようなのだ。だが、それに反して、ミレーユのようなキーは、全く違う。」





 それから彼は身体を傾けて、顔を覆ったままのミレーユの手をそっと引っ張って彼女の顔を露にさせた。
「さあ、始めるよ。ミレーユ、泣き顔を彼に見せるんだ。君が今日お仕置きされるのは彼のためなのだから。」
 彼女はためらいながらも、されるがままに顔を覆っていた手を下ろした。
「スカートをめくらせてもらうよ。」
「ああ・・・・。」
 零れ出る彼女の溜息は、甘くまるでその薔薇色のような色が感じられるようだった。絹のスカートがゆっくりと捲り上げられ、真っ白な夫人のお尻が現れた。すべすべとやわらかそうなそのふくらみは、冷たく白く大理石の彫刻のように美しかった。一度だけクロードはそのむき出しのお尻を撫で上げた。それから、掌を振り上げてお尻に振り下ろした。


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 肉を打つ派手な音があたりに響き渡り、カークランド夫人のお尻がびくっと跳ねるのが見えた。みるみるうちにまっしろだった彼女の丸い宮殿に赤い手形が浮き上がってきた。クロードは急がず慌てずゆっくりと一定のリズムでお尻を叩き続ける。その度に彼女の身体は跳ね、縮み、ねじれる様子を見せる。それはエロティックな踊りのようで、ただ見ているだけの私の身体をも熱くさせるのに充分なショーだった。クロードの大きな掌はあっという間に彼女のお尻を赤く染め上げていった。
 彼女の整って澄ましかえった貴婦人のつくろいは、一打ち目から崩れた。痛みにゆがみ。歯を喰いしばり、仰け反る。必死に首を振ると、そのピンで止められていた帽子が揺れる。きっちりとまとめられていた髪がほつれ始めた。汗が滲み、涙が溢れてくる。泣いていてさえも美しい女性という物はあまり多くは無いものだ。カークランド夫人は、明らかにその一人だった。


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 何回叩いたのだろう、私はうっとりと見とれていたのではっきりとは分からない。だが、30回も叩いたころから黙っていた彼女の唇から、ああっと堪えきれない声が漏れ始める。それは少しずつ強くなり長くなり、最後に悲鳴のようになった時には、彼女のお尻は真っ赤に腫れ上がっていた。
 クロードはちょっと休憩。というように叩くのをやめて、まるでピアノを引くように指を立て、その赤いお尻の上を優しくその立てた指で撫で始める。
 ついさっきまで呻き声と悲鳴をあげていた同じ口から、甘い喜びの喘ぎが漏れ始めた。愛撫されれば感じるのは理解できるのだが、ひりひりと腫れ上がったその肉を撫でられて感じるという事は私の理解の外だった。





 お尻の愛撫を続けながら彼は、さっきの途切れた話の続きを始める。
「ねぇ、ミレーユ。君は、誰もほのめかしてもいないのに、自分からフィリップの前で叩かれる事を想像していたね。どう?」
 身体をとろかせる愛撫に喘ぎ、あっ・・・あっ・・・・と体を捻りながらも、夫人は健気に彼の質問に答えようとした。
「そんな事、考えていませんわ・・・。」
「う・・・・ん。嘘だね。どうしてそうあからさまな嘘を言うのだい?私に掌で叩かれたぐらいでは物足りないのかな?」
「いいえ!そんな事・・・。ああ、クロード、もう、おしまいにしてください。恥ずかしくて死にそう。」
「だめ。」

続く・・・
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    2007

04.12

お仕置き・28

       ★クロード・2★



 煙草の火を消すと、クロードは座りなおした。椅子の肘に腕をついて傾けた頬を乗せる。
「ストッキングと下着を脱いで。」
 まるで、暑いから上着を脱いで、というような自然な抑揚でちょっとした目配せと供にクロードが彼女に向かって言う。それは、命令というよりは、提案に近いものだった。カークランド夫人はますます赤くなりながら再び私の方をちらりと見るが、それ以上の抗弁もせずにスカートをめくり揚げた。靴下留めをひとつずつ外し始める。普段は絶対に人目に晒されない太腿が本人の手によってしどけなく露にされていく様を僕は黙って見つめた。艶々と白く光っているその素肌を。くるくるとストッキングが巻き降ろされ素肌が晒される。特別に親しい間柄でもなければ女性は決して素足を男に見せたりしない。ハイヒールがカタンと音を立てて床に落ち、靴のいましめから自由になった右足の爪先から絹のストッキングが抜き取られた。そうして同じようにして左足も。カークランド夫人はストッキングを丁寧に畳むと小さなバッグの中にしまった。


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 その動作が彼女のスカートを元に位置に戻してしまった。下着を脱ぐためにはもう一度捲り上げないとならいない。彼女は大きく息を吸うと、一度止めた。その息をゆるゆると吐き出しながら屈みこみ、真っ赤な顔を伏せて震える手をもう一度スカートの下へ差し入れる。男の前で下着を脱ぐために。白く薄い綿ローンの下着がストッキングに続いて彼女の爪先から抜き取られた。出来るだけ小さな動きで脚を踏み換えて反対の脚も引き抜こうとする彼女のそのしぐさが、恥ずかしい行為を出来るだけ美しくさりげなく見せようとする女性の想いを示しているようだった。


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「下着をこちらへ。」
 クロードが身体を起こすと手を差し出した。カークランド夫人は再び目を見張り、大きく息を吸い込んだ。要求された事が信じられないというようにかすかに左右に首を振ったものの、それ以上の抵抗も見せずに彼女は下着を掌で隠すようにして小さく畳み、クロードの差し出した手の上に乗せた。
 クロードはその下着を膝の上にひらりと拡げた。今の今まで身につけていた物をそうしてあからさまに拡げられてカークランド夫人はますます赤くなってそれを取り戻そうとするかのように手を伸ばしたり縮めたり掌を握りこんだりを繰り返す。彼女の女性らしい本能がクロードの手からその下着を奪い返したいと動くとしたら、それを押し留める気持ちは何なのだろうか。私はその彼女の様子を不思議な気持ちで眺めていた。この場合どちらが本当に理性によるものなのだろうか。もしも、本当に理性的な判断が出来る状態ならば、そもそも男の手に下着を渡したりはしないだろう。恥ずべき行動を続けられるように本能の動きを押さえつけようとする理性の存在という考えはどこか矛盾している。そもそもいたぶられる事を望むマゾヒスティックな感覚は理性とは程遠い所にあるのだろうか。


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「君はどう思う?そもそも、彼女は非常に慎ましくきちんとした女性である事は疑いようも無い。」
 クロードは膝の上に乗っている下着を軽く弄びながら、話出した。
「常識も備えているし、教育も受けている。ちょっと会っただけでは分からないかもしれないが、本当に気立てもよく誠実な女性なんだよ。私のような嘘つきで平気でひどい事をするような男にそもそも関わるべきじゃないと思われるような素晴らしい女性なんだ。それなのに・・・」
 クロードは改めて立ったままいたたまれない様子でもじもじとしているカークランド夫人を見上げると、右手で彼女の方を軽く指し示した。
「愛してもいない男のために、ほとんど、知りもしない君の前でこんな恥知らずな事をやらざるをえない。」


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「それは、彼女がただお尻を叩かれる事を望んでいるからなんだ。」
「ああ・・・・。」
 溜息をつくような、かすかな羞恥の声が彼女の唇から漏れた。ぎゅっと握りしめられていたレースの手袋をはめたままの手が持ちあがり赤くなった両頬を押さえる。
「私は、何人もの女性のお尻を叩いてきたけれど、彼女達は決してその行為に歓びだけを感じている訳じゃない。むしろ、痛みの方が多いとさえ思うこともあるんだ。それでも、彼女達はそうされたがっているし、そのためにこんな辱めにも黙って耐えるという訳だ。」
「恥ずかしい行為を要求される事が喜びに繋がるって訳じゃないのか?」
「さあ、どうだろう・・・。」
 クロードは再び彼女の方を見た。
「ミレーユ。どう?こうやって男の前で下着を脱ぐ事は性的に感じる行為なのかい?」
 カークランド夫人は目をぎゅっと瞑ったまま、赤くなった顔を必死の表情で左右に振った。


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「目を開けて。ミレーユ。」
 クロードの声はあくまでも優しく静かで、彼自身が性的に興奮している様子は微塵も感じられなかった。
「僕をご覧。」
 夫人は素直に目を開けると、クロードの顔を見た。クロードはわざとらしく手の中の下着を拡げてみせる。
「ああ・・・・やめて。」
 呟き漏れる夫人の声音は、相変わらず拒否しているようには思えなかった。だが、その表情は恥ずかしさにかすかに歪み美しく整った彼女のその表情が日頃取り澄ましている女性の決して見せない秘密を覗き見ているような興奮を私に覚えさせた。
 いや、「ような」ではない。今、私の目の前に曝け出そうとされているこの一幕は明らかに彼女にとっては絶対に他人には見せたくない秘密に違いないのだった。寝室の奥深く引き出しの中に鍵をかけて仕舞われるような甘い秘密。


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「ご覧よ。フィリップ。濡れているだろう。」
 クロードが差し出した下着の中心は明らかに湿って透けていた。まるで科学の実験の成果を見せるかのようにクロードは無邪気に私に向かってそれを差し出した。私は黙って彼女の下着を受け取った。
「いやっ!」
 押さえきれない小さな叫びがカークランド夫人の赤い唇から漏れた。大事なものを思わず取り返そうとするかのように私の手の上に乗ったその白く美しいレースの下着に伸びた彼女の手が、寸前で握りこまれ、おずおずとまた引っ込められた。
「お仕置きの量を増やしたいみたいだね。ミレーユ?」
 明らかに面白がっているクロードの声に、恥ずかしさのあまりに顔を覆った彼女はいやいやと子供のように頑是無い様子で首を振ってみせる。甘えた少女が、父親の前でするようなその仕草はクロードの言葉を拒否しているようで、受け入れているのが明らかだった。
 私は、非常に不思議だった。かすかに自分の温もりを残しているだろう下着を男達の前に拡げ弄ばせるのを貞淑な女性に許すほどの欲求という物はなんなのだろう。彼女の思わず見せるコケティッシュな動作が、決して嫌悪感を示していない事に安心して、私は彼女の下着を思わせ振りに透かして見入る。その実、私が見ているのは下着などではなく、彼女が隠しようが無く示して見せる羞恥の表情なのだった。

続く・・

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    2007

04.11

お仕置き・27

       ★クロード・1★


「何のためにお仕置きが必要だと君は思っているのだい?」
 煙草の火を付けたクロードはゆったりとした安楽椅子の背に身体を預け、最初の白い煙を吐出した。遊ぶために産まれてきて、一度も仕事をしたことの無い貴種の一人であるクロード・ヴァインリッシュ・ロクフェール・フォン・ハインリッヒ子爵は、細めた瞳の奥から余裕のある視線を私の方に向けてくる。
 私自身は決してクロードのように銀のスプーンを咥えて生まれてきたわけではない。だが、どういうわけか私とクロードは非常に気が合った。それで、大学を卒業した後も、こうして腐れ縁が続いているのだった。
「打たれたことが無いんでよく分からないけれど、結局は快感なんじゃないか。お仕置きって言ったって、それに値するような罪を犯したわけでも無いし、そういう罰を与える動かせない関係があるわけでもない。結局は言葉遊びじゃないか。君は相手に痛みを与えたいからそうしているのだろうし、相手だって打たれたいからその関係を受け入れているのだろう?」
「さて、そこが問題というわけだ。」


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 腕を伸ばし、灰皿の上で煙草の灰を軽くはたき落としたクロードは同席しているご婦人の方へその視線を巡らせた。私もつられたように彼女を見詰めてしまう。その女性はクロードの女友達の一人だ。クリーム色の仕立てのよいシャネルのスーツに小さな帽子。慎ましやかに揃えられたレースの手袋に包まれた指先が、彼女の育ちのよさを窺わせている。今まで、ほとんど言葉を発しなかった彼女は、二人の男に見つめられた事で頬を赤くして視線をそらせた。
「ミレーユ。キミは僕にお尻を叩かれている時、感じている?」
 おいおい。私は心の中で呆れながらも事態のなりゆきを見守った。女性が同席しているこの席での、この話題選びだけでも充分非常識なのに、こうして彼女に質問したことで、クロードと彼女の間の関係が明らかになってしまったからである。まっかになった彼女、ミレーユ・カークランド夫人は困ったような表情で私をちらりと見ると、諦めたように真っ直ぐクロードへ顔を向けて溜息をつくように答えた。
「・・・いいえ。ええ。多分。」
 くすくすとクロードは笑った。
「それじゃあ、ちっとも分からない。」
「・・・ああ、だって私にだって分からないわ。」





 困ったように、また彼女は僕の方をちらりと見る。どうしたって、社交の席で二、三度会っただけの男にそんな会話を聴かれている事を意識せずにはいられないのだろう。
「お仕置きが好きなわけじゃありませんもの。」
そう言って彼女は自分の綺麗に磨かれたエナメルの靴の爪先を見つめた。
「でも、君はそんなひどい仕打ちを君にする男の傍を離れられないんだね。」
 クロードは優しくささやきながらその爪の先まできちんと手入れされた手を、彼女の膝の上に乗せた。びくっと、女は震え、それから意識しない動きでわずかに彼の方へ身体を傾ける。すべてを知り合っている男女の親密さで。
「勘違いしないでね。あなたを愛している訳じゃないわ。」
 笑いながらクロードはうなずく。
「そう、君が求めているのが僕ではないことは知っているよ。」


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「ご主人に悪いと思わないの?」
 膝に乗せていた手を引っ込めて、再びゆったりと背もたれに身体を預けると、笑いを含んだ声のままでクロードが言葉を続けた。カークランド夫人の瞳がわずかに見開かれて大きくなり、唇がかすかに震えた。行儀良く膝の上に乗せられていた手を握り合わせて揉み絞る。
「ね。そんなこと。・・・出来ないわ。私、フィリップさんがいらっしゃるところで。」
 そわそわと座りなおし、困ったようにチラチラと私を窺いながら彼女は必死の面持ちで、さっきと反対にクロードの膝の上に手を伸ばした。その手をクロードの手が軽く握った。


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 カークランド夫人がぎゅっと目を瞑り、握られた手をぎゅっと握り返す様子を私は黙って見守った。彼女の呼吸は速まり、目は潤んでくる。ぱあっと首筋まで赤くなり、まるで少女のように恥ずかしげに俯く彼女は、先ほどまでの社交に倦んだような無関心さで座っていた上流階級の取り繕われた美しさは微塵も残っていなかった。瑞々しい野の花が咲きほころぶ瞬間のような、思わず自分のものにしたくなるような可愛らしさ。
 その様子から、彼女がけっして「お仕置き」を嫌がっている訳ではない事は明らかだった。不思議な事だがほんとうだ。痛めつけられることに性的快感を覚えるという講釈から受ける陰惨さとは裏腹に、彼女が見せるちょっとした羞恥の表情は、誰が見ても美しく愛らしい。


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「ああ・・・。嫌。お願い・・・。そんな事。させないで。」
 途切れ、途切れに呟くように押し出される言葉は、まるで愛の睦言のように聞えた。お仕置きを嫌がっているというよりも、ケーキの上に絞り出されたクリームの上に乗せる赤いイチゴのように。多少の酸味と彩りを与えるために紡ぎ出される言葉。もじもじと腰を動かして恥らう様がまるで誘っているようだ。
 だが、おそらく、もう、どうするかは決まっているのだ。クロードが最初にこの話題を持ち出した時から、それ以前に、彼女がクロードの家にやってきた時に、偶然にも私が居合わせている事自体が子爵の計算づくの行為なのだろう。隠しておきたい情事をついうっかりと表に曝け出すような男ではない。



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 クロードはにっこりと微笑んで、彼女の握っていた手を離すと、その掌を上向けて促すようにちょっと振って見せた。その手を絶望と羞恥のないまぜになった瞳でカークランド夫人は見つめていたが、やがて胸元を押さえて立ち上がった。再び私の方へちらと視線を巡らす。それから、この部屋から出て行くことの出来るドアを。迷っている訳では無い。ただ、そのドアから出て行くことが出来たらどんなにかいいだろうという想いが表れた視線。
 私がそこにいる事を彼女は楽しんでいない。それは、分かった。出来るものなら、逃れたい、と、本気で希求している事も。だが、それとは反対に、美しく上気した彼女の頬も、とろんと潤んで濡れたような瞳も、この事態が彼女にもたらした性的興奮を露にしているのだった。

続く・・・

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    2007

03.20

お仕置き・26

☆ラブ スパンキング・3☆



「これからは何をされても逃げられない。」

 そうは言っても、常に決定権が私にあり、その意向をなぞってプレイをする彼との関係では、今までの自分で選んで逃げないのと、物理的に簡単に逃げられないとはいえ「ほどいて。」と、言えば解いてもらえる○束との間に、どう違いがあるのか分からないけれど。
 それでも、「○束されて抵抗できない」という、いい訳にも似た『甘やかな事実』が、どこかにいつもは隠れているはずのスイッチをパチンと押し上げたような気がした。折り曲げて縛られている伸ばす事が出来ない太腿。突き出したお尻。伸ばされた腕。そういったものがどれほど簡単に私を素の状態から引き剥がしてくれるのか不思議でならない。


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 ハンドスパの結果の痺れるような痛みが体全部に拡がって、その結果にまったりと浸らせてもらっていたスパンキングは終わり、手加減しない打擲が5秒前後で延々と続き始めた。間隔がないと不思議なもので、あれほど余韻を伴って私の身体を蕩けさせていたスパンキングが、もう味あう余裕すら無く痛み一色に埋めつくされて行く。打擲のたび、ひとうちひとうちの痛みを耐えるのに精一杯という状態に追い詰められる。
 

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 悲鳴と呻き声・・・そして、弾む息。痛み。混乱。同じ様に叩かれているのに、もう、自分の身体に何が起きているのか分からなくなってくる。動けない。逃げられない。見られてる。縛られてる。さらされている。痛い。痛い。痛い。もう、我慢が出来ないという瀬戸際、私は本気で叫んだ。「痛ーぁい!」
 

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 ギリギリの痛みがなぜ快感に直結しているのかどうしても理解できない。痛みは決して快感ではないし、繰り返して味わっても楽しいものでも決してない。それなのに、その痛みの縁の向こう側に急激に雪崩込むような崖があって、そこへ向かって落ちていく感覚がものすごく簡単にオーガズムを招き寄せる。彼は、もう一度、ころんっと私の身体をひっくり返すとローションを使って、超特急で私の感覚をそこへ押し出した。


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 深く高いうねりを伴った繰り返しの波が寄せて来る。彼がやめようと思わない限り、これは延々と何度も繰り返され、何もかもがどうなってもいいような気分の中ただひたすら打ち寄せる波に引きずり回されるだけになる。
「ううう・・・ん。」仰け反って力いっぱいナイロンバンドに身体を預ける。○束が本当にその力を発揮するのはその瞬間だ。どこへ行くか分からない上下左右の感覚の失われた身体をしっかりと留めつけている現実の安心感。


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 ベルトの○束はバックルの位置を緩めるとするすると解けていく。思いっきりベルトに体重をかけたせいで太腿の上あたりに幾重にも痣が刻まれているのが分かった。擦り傷をなぞりながら、彼がぼそっと呟く。
「今日は、するつもりじゃなかったのに。」
「はいはい。」
ま、そんな日もあると思うよ。。。。


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    2007

03.19

お仕置き・25

☆ラブ スパンキング・2☆



 「おしまいにする?」彼はおでこをくっつけて訊いて来る。「まだ、我慢できる?」「うん。」最初から数えたら、200回ぐらい叩かれただろうか、ほとんどが手加減したspankigだったせいで、まだ、そんなにお尻が痛んでいるわけではない。問題は明かりがついてることなのだ。その事への抗議は、再びキスで封じ込まれてしまう。明かりを消して欲しいという願いは黙殺されて、今度は足を抱えられたままお尻を叩かれた。

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 そうすると、ほとんど太腿との境目を叩く事になるからさっきよりも痛い。しかも時々、本当に性器へヒットしてしまう。じんっとした痛みと不思議な感覚。気持ちがいいというわけじゃないけど、なんだか分からない不可思議な感覚。だんだんと身体の中心で感じていたものが拡がって浮上してくる感覚。もう、少しあと少し・・・。
 
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 何度か叩くと愛撫してゆっくりと指をめりこませては反応を見る。動かさないでそうっと指の腹だけを押し付けてくる。赤くなった顔を見られたくなくて両手で覆ってしまう。だが、身体の反応はあからさまに全部見られてしまっている。セットパターンを何度か繰り返しているうちに、痛みが段々と強くなり、喘ぎに時々悲鳴が混じり始めた頃に、また、腰を中心にくるんとひっくり返された。

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 彼の身体が伸び上がってパチンと電気が消された。パジャマの上着が捲り上げられて、脇腹からゆっくりと手が這い登ってくる。身震いするほど感じてしまい、勝手に身体が仰け反った。ひゅうぅぅぅ・・・っと息を吸い込んでこらえてもたまらなくって身体が逃げようとする。
「感じてるね。」うぅん・・・確認しなくてもバレバレの状態。

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 パジャマの一番上のボタンが外されると、そのままスポンと脱がされてしまった。今日、荷物をトラックに固定するために彼がどこからか調達してきたベルトが、がさがさとビニール袋から出てきた。縛られるのは嫌いじゃない。いや、どっちかって言うと好きなんだけど、縛られる方が要求するのってとっても変で、いつも戸惑う。

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 手首をひとくくりに頭上に引っ張り、足は折り曲げたままに留めつけられる。くるりとナイロンで出来たベルトを巻いてバックルへもう一度差し込んで引くだけだから、あっという間に身動きができなくされていた。うつ伏せになって両腕を伸ばした姿勢は無防備な脇腹をかばいようがなかった。

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 彼の手が脇の下のくぼみに滑り込みゆっくりと円を描いて廻り始める。背中の上に彼の重い身体が乗っているのでどうしたって逃げようが無く、身体をねじる事も出来ない。「ああ・・・やぁ・・・。」電気が消えた事で、重しになっていた抑制が弾けた。重なっている身体に自分の背中を押し付ける。急激に高まってくる欲望が縁までいっぱいになって今にも零れんばかりだった感覚を強く押し上げた。

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    2007

03.18

お仕置き・24

☆ラブ スパンキング・1☆



 珍しく早く帰ってきた彼を、ほったらかしにしてるのも悪くて布団に入ってのんびりとテレビを見ている彼の横にもぐりこむ。別にエロチックな気分じゃないんだけど、パジャマのズボンだけ脱いで、引き出しにしまわれたお匙の様に重なり合って、お互いの温もりを分け合っているとなぜか心地よくのんびりとした気分になれるから不思議だ。枕に頭を乗せて文庫本を開いて、読み始めた。ページをめくってる私の事なんか全く気にしない様子でテレビを見ている彼。時々思い出したように、むき出しのひんやりとしたお尻を布団の中でぴしゃりと叩く。

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 彼の方も別に、何か目的があってそうしている訳ではない。膝の上に寝ている猫を思い出したように顎の下をくすぐるのと同じで、何気なく相手の身体の上に乗せている掌を移動させる時の、おまけみたいな気持ちなんじゃないだろうか。いつの間にか、すっかり文庫本に熱中していた私は、ふと、ミステリィだったようなドラマの中でセックスが始まっているのに気がついた。アイマスクをした女性が騎乗位でたゆたゆと胸を揺らせながら、時々あえぎ声を洩らしている。だからって別になんて事も無く、私もすぐに文庫本に戻り、彼も何も言わず身体も変化しない。ただ、なんとなく・・・彼のお尻を叩く間隔が、5分に一度みたいな間遠さが無くなって来たような気がした。


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 時々は強く、時々は弱く。叩いた後に、滑らせるようにお尻を撫でる。テレビの画面は、また愛想のない会話に戻っている。私も、文庫本の中の物語に戻っているはず・・・だったのに、急に強く痛みを感じるほどに叩かれて、身体がびくんと跳ねてしまった。
 スパンキングの間隔が急激に狭まってくる。ページをめくりながら、時々「あ・・」とか、言ってしまって赤面した。本を読んでいるから、部屋の明かり煌々と周囲を照らしているし、明るい所でするのが苦手な私は迷いながらも本を読むのをやめられなかった。今さら、立ち上がって電気を消すのも変だ。まるで「やろうよ」と言っているも同然な気がしてしまう。


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 彼は肘枕をしたまま、全くそしらぬ様子でテレビを見ているが、叩き方が完全に違ってしまっていた。私の身体の反応を見ている。どう叩けばどう反応するのか、確かめながら打っていた。声を押し殺したって、知らん顔をしていたって、身体のほうは正直だ。痛ければ痛いなりの、感じる時は感じるなりの動きをしてしまっている。溜息をついて喘ぎを殺すのをやめてしまった。しかし、文庫本はまだ手放さない。ちらっと時計を見ると、テレビの方はそろそろクライマックスだろうと思われた。
 コマーシャルになったから、ドラマは終わったんだろう。彼の手が思いっきり強く叩きつけられて、私は痛みに飛び上がった。「あうっ。」本を読むのは諦めて、しおりをはさんで布団の上に置く。左手は枕の端を右手はシーツをぎゅっと握った。目をぎゅっと閉じて、身体の中から湧き上がってくるものを捕まえようと集中する。






 彼は、まだテレビを見ている。チャンネルを変えて、違う番組になったようだ。だが、多分ぼんやりと眺めているだけだったろう。掌が身体の上を滑り、今度は、やさしく打ちつけられる。中心に向かって快感が走り、私はその感覚を追いかけようとして、顔を伏せるようにして身体を捻った。

 パチン、テレビのスイッチが切られた。あ、と思う間もなく腰を掴まれて体勢を変えられる。右側が上だった身体は、完全にうつぶせになってしまった。そうすると、今まで手付かずだった左側の方にも、強い打擲が当たることになる。これが痛い。温まっていないから、すごく痛い。私は枕にしがみついて呻き声をあげてしまった。


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 足の間に手を捻じ込もうとした彼は、うつ伏せのままでは、自由にならない事に気がついた。もう一度腰を掴むとひょいとお尻を持ち上げて膝をつく位置まで腰を持ち上げさせる。叩く角度が違ってくるから、さらに痛みが強くなる。彼はその痛みが身体の中心に響き拡散して消えていくまでじっと待っていてから、足の間の尖りだけを撫で上げた。困った。よすぎる。電気がついたままなのが困惑に拍車を掛ける。明るい所で身体をくねらせたくはない。






 彼が、交互に右と左を打つものだから、痛みと快感が交互に湧き上がってくる。スパンキングの不思議な所。やさしく、時間をかければ掛けるほど気持ちがよくなってくる。同じ身体なのに準備不足の左側は痛みが強く、思わず悲鳴をあげて仰け反った。不思議そうにしながらも、彼は身体を仰向けにひっくり返そうとした。私は仰天する。今さらながらに恥ずかしくて思わず抗ってしまう。慣れ親しんで羞恥が無くなった私の抵抗を彼が楽しんでいるのが分かった。あやすように、屈みこんでキスしてくる。その隙に足の間に身体を割り込ませ膝を抱えあげる。こうなったら、どうしようもない。「やだ。」小さい抗議の声もキスに吸い込まれてしまった。指がつるりと滑り込む。なんだか痛いような気がして腰が捻れた。おや、というように彼のキスが離れ、指はまた外側を行きつ戻りつし始める。


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    2007

01.17

お仕置き・23

  ★美由紀・4★



ヒュウウウウゥウン・・・・ビシィイイイィィ!!!

 ケインの風切り音に、恐怖が込み上げてきます。今さっきさんざん味合わされた痛みが、再び私のお尻に炸裂しました。痛いいい!たった絹一枚とはいえ、無くなったお尻にケインはしっかりと喰いこんで来ました。今まではケインが触れなかった、くぼみや肌の隙間にまでしっかりとくまなくケインが当たっていったのが分かりました。普段は、絶対に布地の奥にしまいこまれている柔らかな肌の上をしなうケインが横断して激痛を刻み込んで行きます。





「きゃああああああ!!!」
悲鳴を堪えることなんて、全く出来ませんでした。痛みの余韻がジンジンとむき出しの素肌に噛み付いてきてズキズキと痛みが酷くなっていくのが分かりました。赤く熱くはれていたお尻の丸みの下側にまっすぐに刻み込まれたケインの痕が、だんだんと赤くなり膨れ上がっていくのが分かるほどにひどい痛みです。
「あ、あ、あ、あ、あ、あああああっ・・・・。」
涙が床にぽたぽたぽたっと滴りました。あまりの痛みに身動きも出来ません。
「後、9発。」
 旦那様の静かな声に、お仕置きがこれで終わりではない事が分かります。痛い。痛い。痛い。こんな痛みが後、9発も続くなんて。耐えられません。思わずいやいやと左右に首を振っていました。




ヒュウウウウゥウン・・・・ビシィイイイィィ!!!
「ああああああ・・・・あぁ!」
 私がどんなに泣き濡れても、叫び声を上げても、しゃくりあげても、許しを請うても・・・旦那様は全く手加減をなさいませんでした。
 穏やかに、きっぱりと同じ手順を繰り返されます。次に叩く場所にケインを押し当て、軽くはたき、思いっきり振りかぶって狙った場所を打ち叩く。一息ついて残りの打数を数える。
 打たれた、次の瞬間から、次のケインの打撃を待つ恐ろしい時間の連続です。しかもその間もお尻の痛みは、どんどんとひどくなり、私を苦しめてくるのです。

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ヒュウウウウゥウン・・・・ビシィイイイィィ!!!
「いやああああぁぁぁ・・・!」
 膝ががくがくと震え立っているのがやっと。それなのに最後の三発になって、旦那様は追い討ちをかけるように命じられます。
「美由紀。脚を開いて。」
 あまりの事に、私は夢中で首を振っていました。ぴったりと閉じ合わせていてさえケインが当たると痛みに気が遠くなりそうなのに、脚を開けばどれほどの惨状になるか明らかでした。脚を開いて今よりももっとその恥ずかしい場所をみんなの前にさらさなくてはいけないことよりも、無防備になったその場所をケインで打たれるかもしれないという恐怖の方が私を強く捕らえていました。





 でも、旦那様は、じっと私がご命令どおりに脚をひらくのをケインを軽く掌にパンパンと当てながら待っていらっしゃいます。
「お、お、お許しください。お許しください。お願いです。我慢できません。お許しください。」
「美由紀。」
 旦那様の一言で私は弾かれたように脚を、広く開いていました。ケインの痛みよりも、もっと恐ろしい何かが私をしっかりと捕まえ、私はもうそれに逆らえないのだという事が胸に痛みを伴って強く捻じ込まれるようでした。





「いい娘だね。美由紀。後、三発だからね。」
 ひっく、ひっくとしゃくりあげていた私はお答えする余裕もございませんでした。ただただ、自分の足首だけは離すまい。と、必死になって握っておりました。後で、万里江さんに優しく手当てをされながら、こんなにひどいお仕置きはめったにないことで、旦那様がとても私の事を気に入ってくださった証拠だから・・・と、慰めてもらいました。でも残り三発を耐える間、私が考えていたのは旦那様が私に与えるケインの痛み。耐えられないその痛みのことだけでした。私の、お屋敷づとめはこうして、始まったのでございます。

ヒュウウウウゥウン・・・・ビシィイイイィィ!!!
「ひぃいいいいいぃぃ・・・!」
「・・・・後、二発。」
 あなたも、こんなお仕置きを受けてみたい御方なのですか。だとしたら、これからも仲良くしていただけそうですね。
end.



おじさんにたたかれるおじさんのサイト♪


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    2007

01.16

お仕置き・22

  ★美由紀・3★

 スカートがすっかりめくりあげられて脇腹の周りから下がっています。むきだしになった素肌に冷たい空気が触れてきます。背中の真ん中辺りから足首までの間を覆っているのはお館のお仕着せの真っ白な絹のパンティだけです。そんなお尻をみんなの前に突き出して旦那様からお仕置きを受けることになった私は、掴んでいる足首だけが頼りであるかのように、必死になって握った手に力をこめておりました。旦那様がケインを打ち振る音がヒュンヒュンとあたりに響き渡ります。

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 恐ろしさのあまりに、自分の歯がカチカチと音を立てるのが分かりました。お尻にケインが押し当てられると、それまで私を悩ませていた恥ずかしさなどを感じる余裕は吹き飛んでしまいました。ヒュウウウンっと、鋭く空気を切り裂く音がしたと思うと、激痛がお尻に爆発し、私は考えもなしに叫んでしまっておりました。




 一発、二発・・・規則正しく同じ強さで、ケインは振り下ろされます。私は口をあけて叫び、ますます夢中になって足首を握りしめます。痛い。痛い。痛い。薄い絹地を通して、確実にお尻に喰い込んでくるケインの恐ろしさは、味わったものには二度と忘れられません。お許しください。お許しください。お許しください。振り下ろされるたびに、涙があふれ、泣きながら許しを請わずにはいられないのです。同じ強さだといっても、何度も叩かれた場所にまた振り下ろされるケインは、どんどんと痛みを増して、十発を数えた頃にはもう、耐えられないと思わずにはいられませんでした。




 鞭が止まり、ほっとしたのもつかの間です。旦那様の乾いた手が私のパンティの腰にかかったのです。旦那様は両手を掛けてゆっくりとパンティを引き下ろし始めました。私は跳ね起きて両手でむき出しになったお尻を覆いました。旦那様は、何もおっしゃらずただ淡々とパンティを下ろしていかれます。
「ああ、嫌。お許しください。脱がさないで。許して。許して。」
 縺れる口で、哀願してみても、主の手の動きは遅くもならず、早くもならずゆっくりとパンティを足首まで引き下ろしてしまいました。
 私はうろたえてに三歩前に進み、足首に絡まったパンティに動きを止められてしまいます。お尻を両手で覆ったまま、振り返って旦那様からお尻を遠ざけようとしました。




 旦那様は変わらない口調で私の首を掴み、静かにもとの姿勢に戻るように力を込められました。私は首を振り身悶えながら訴えます。
「嫌。嫌・・・。お許しください。見ないで、みちゃ、嫌。ああ、旦那様叩かないでください。許して・・・。あああああ・・・・・。」
 初めてだとは言っても、何もつけていない身体で足首を握れば、どんなに脚をぴったりと閉じてみても何を見られてしまうのか明らかでございました。先ほどよりももっと、直接的な羞恥に引きさかられて、私は何とかその場所を皆の目から隠そうと両手をお尻に押し当てます。
「美由紀。足首を握りなさい。倒れるよ。」




 ヒュン!
ケインの音がして、私は慌てて足首を掴みました。隠していた手をどければ見られてしまうのは分かっていましたが、足首を掴まなければ、前につんのめってしまうのも明らかだったからです。何もつけていないあの場所がさらされ、ひんやりとした空気がじかに触れてきます。見られている。旦那様に、同輩に、男達に、誰にも一度も見せたことのない場所を見られている。汗がどっと吹き出してきて、目の前が真っ暗になりました。しかもそのむき出しの場所をこれから、ケインで直接に打たれようとしているのです。何の役にも立たない、絹一枚とはいえ覆われているのと覆われていないのでは、天と地のさでございました。




「お許しください。お許しください。お許しください。」
 私はうわごとの様に呟き続けていました。旦那様の手がするりと私の足の間を撫で上げられました。あああ・・・。すべて見られている事をダメ押しされたのです。痛いくらいの皆の視線がそこに突き刺さってくるようでした。旦那様は無言でお尻の下のほうをケインで数度押さえられました。これから、その場所へ無情にも振り下ろそうとされているケインを。


お仕置き・23へ
★一番下のムービーがこの物語の下敷きになっている動画です(^_^;)メイドではなく、女子学生ですけど。

楽しく叩きあいっこするお兄さん達のサイト♪

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